先日のヤリスクロス体験以来、すっかりコンパクトSUVの領域が興味の対象となりつつある私わんどら。
おそらく購入というアクションには至らぬはずという想いは持っているものの(ピカソに乗ってる分際で言うのもなんですが、まだ微かに背の低いクルマに乗りたい願望がある笑)、SUVというジャンルがグローバルレベルですっかりメインラインナップになっている今となっては、メーカーの最新に触れるためにはこれらのモデルを避けて通れない気がして、であれば体験、体験という気持ちになっております。
そんなことで今回は4月に発表され、そのスタイリングの劇的変化が話題になっている新型ヴェゼルを試しに近所のDLRへと出かけました。
既に発売から1ヶ月以上が経過している中、メディアからも伝わる通り販売は順調とのこと。
自身、2月のオンライン発表会を見た時は、果たしてこのデザインは受け入れられるのか?なんて思ったものでしたが、その多くの人が感じただろう問いは愚問だったようで、営業スタッフも"おかげさまで"と好調な様子。
うーむ、もしや新しいものなら何でも受容される世の中なのか?
このあたり消費者嗜好は研究してみたいものがあります。
TVCMなどを観るからにしてZ世代からヤングファミリーあたりをメインターゲットに据えた雰囲気を感じますが、DLRにてまず見せていただいたカタログからもそんな雰囲気が随所に。
何だかお洒落です。
さらにやたら"Hondaならではの"という謳い文句が多い気がするのもポイントのように感じます。
その一新された外観デザインのみならず、e:HEV(イーエイチイーヴィと呼ぶそうな、ややこしい…)にしろ、全グレード妥協なき装備が誇りのHonda SENSINGにしろ、コネクテッドにせよ、今一番新しいホンダらしい、経験すべき価値が詰まった感じ。
ラインナップを見ると、そのe:HEVモデルとは別にフツーのガソリン車もあるのですが、もはや売る気はほぼ無い様子にて、カタログにも殆どその情報はありません。
セールス氏曰く、新しいHondaの社長が2030年にカーボンフリー車を販売比率40%、2040年には100%との宣言してますから、とのこと。
であるならば、ガソリン車230万円、e:HEVの最上位車種330万(まあナビとか標準装備ですが)の価格差を早くどうにかしたほうが良いのではないでしょうか…。
まあこれはホンダに限ったことないのですが、電動車って普及の本気度よりもまだまだ付加価値商品としての取扱のような気がします。
(そういう自身もできれば電動車を選びたいんですけどね)
さてクルマとの対面です。
旧モデルと同じサイズとは思えないくらい存在感があって、おおヴェゼルよ、立派になったねぇと思わせるクルマは、その写真で見たデザインよりもスッと目に馴染む程よい新鮮さを感じます。
そっか、これは旧モデルからの続きと考えるから違和感があるのであって、これはヴェゼルという名の別物新型車なんだと思えば、すんなりと見ることができるのだなと。
感じるのは、随所で上質感を得ることができるということ。
フェンダーアーチのピアノブラック加飾や18インチホイールなど、なかなか贅沢な雰囲気を醸し出しています。
(まあ、SUVのホイールアーチが樹脂剥き出しなのは、悪路走行時の傷などによる交換時に安価で済むという実用面からの理由だった気がしますが…まあいいか、ヴェゼルで悪路は行かなそうだし(笑))
さらに室内に乗り込むと、パッドのうまくあしらわれたインパネや太巻きの手に馴染むステアリングなど、手に触れる部分の上質さが感じ取られ、これは他車、ヤリスクロスとは全く違う拘りを感じます。
それに、リア席のスペースの取り方がうまい気がします。
クーペSUV的なリアハッチの傾斜を持ちつつも、意外と頭&足元空間はある。
外観からもよくみてみるとリアドアが大きく間取されています。
これはなかなか上手い作り。
これで最上位グレードのPLaYに装着のガラスルーフであれば、明るさや心理的な広さは確保できているのではと思います。
そんな内装の質感に感心を抱きながらもクルマをスタートさせると、何か圧迫感が…。
感じたのは、フロントウィンドウの傾斜が寝かされすぎているのか、やけに上下幅が狭いと感じたもの。
これはマイピカソが頭上までガラスだということによる心理的なものではないはず。
前方視界の上下幅が狭く、何だか映画館のスクリーンのようですが、着座位置を高くして視界を見下ろすようなドラポジに設計をすることでその幅の狭さをカバーしているようです。
そんなことを思いつつアクセルを踏み込むと、何だか予想よりも重たい動き。
あれ、なんかモッサリしてるよ…これがe:HEVの特徴だっけ?
以前フィットを試した時はこんなに穏やかには感じなかったような…確かに感性性能重視の柔らか仕上げだったとは思うけど、こちらのヴェゼルはそのフィットとはまた違う"鈍さ"があります。
やはり上質な上物を載せてしまった重さが響いてる?
専門的な要因はわかりませんが、ヤリスクロスHVにて感じたキビキビ感やハンドリングの楽しさは全く感じませんでした。
ヤリスと比べるのは車格が違うのでしょうけど、それはC-HRでも同じ感覚、明らかに走りはヴェゼルが大人しい。
この良し悪しは個人的嗜好に寄るものなので、どんな走りを求めるかなのでしょうけど、ロングドライブなどあまりしない私にとっては、街中でも楽しい(キビキビとキレの良い走り)ことを重視してしまいます。
ただ動力面で好感持てたのは、回生ブレーキの効き具合を4段階に調整できること。
これはHonda eにて機能を体感済みでありましたが、このヴェゼルでも"ワンペダル"的な効き具合から、普通のエンジンブレーキ程度の段階まで気分や走り方によって調整できるのはいいなと感じます。
そんなことで随分と大人になって進化した新型ヴェゼル。
販売はとっても好調とのことで、最も売れてる中間グレードで納期11月、最上位グレードのPLaYはなんと来年の6月納車とのこと。
世界規模で起きている半導体不足の影響だけでなく、PLaYにおいては需給見込み違いもあったんだとか…。
しかしTVCMに見るような、アクティブに若々しく楽しめそうなグレードが売れているというのはメーカーにとっては嬉しい悲鳴なんでしょうかね。
初代の頃とは違い、このクラスのSUVも乱立状態になっていて、なかなか以前のようなNo.1モデルにはなりにくい世の中ではありますが、ホンダの元気な姿を牽引する存在となって欲しいと思います。