10数年前に起こったと記憶する"コンパクトSUVブーム"と言われるような現象は時を超えて"定番化"となり、一時期の新型車が出るのはSUVばかりということにも慣れてしまった感があります。
個人的には無縁なカテゴリーと思いつつも、近年ではそうも言ってられないくらいの浸透度に、"もし乗るなら○○がいいかも"なんて考えるようにも。
最近で言うと国内導入となったルノーキャプチャーなどはアクティブ感あるデザインが良いと思うし、欧州でフェイスリフトを受けたシトロエンC3エアクロスも立体的な顔が良い感じ。
さらには徐々にヴェールが解かれてゆくアウディQ4 e-tronなども気になる存在です。
あとはホンダの新型ヴェゼル、デザイン一新のディフェンディングチャンピオンは、その変わった姿に賛否両論を巻き起こしていますね。
個人的にはまだ受け入れ難いのですが…まあ写真でなく実物は良いという意見もあり、春の発売時に触れること楽しみにしています。
そんなヴェゼルの国内発表があった2月中旬の同日、偶然なのか欧州ではマーケットの本命、新型キャシュカイが発表されましたね。
日産贔屓(理由は過去のブログ、"やっちゃえ日産"シリーズをご参照あれ)の私わんどら的にはまずはこちらのニュースにどうしても注目してしまいます。
なんといっても今のSUVブームの火付け役、そして牽引役ですから。
今から約10年前、とある仕事にてオランダ・アムステルダムに出張した時のこと。
偶然にも欧州日産で働く方と食事をする機会があり、その方から"キャシュカイは欧州日産の救世主"という話を聞いたことがあります。
ルノーとのアライアンス後、欧州では乗用車のラインナップを制限することになった日産は、それまでのセグメント構成上にあったC/Dセグメント車種をやめてしまいます。
2008年頃の欧州ではアルメーラやプリメーラという評価の高かったモデルが無くなり、さらには市民の足として親しまれたK12型マイクラはモデル末期にて商品力不足、そこで力を入れたのはLCVの領域(NV200のオリジナルあれど、殆どはルノーのOEMですが)という日産にとって憂き時代と記憶しています。
そんな中で生まれたコンパクトSUVキャシュカイはまさに優れた商品企画の賜物にて、これまでSUVはある程度車格感のあるものという位置付けを打破して、欧州で大ヒットとなります。
日本でもデュアリスはヒットしましたもんね。
個人的には欧州仕様の"プラス2"という(確か)荷室が延長されたストレッチモデルがスタイリング的に好きでした。
そんなことでキャシュカイな起死回生の一発となり、日産の人でさえ"ルノーに抑え込まれた欧州市場に生きる道を作った"とのことを語るような素晴らしいクルマなんだと、アムスでの夜に感じたのでした。
初代モデルの登場後、各社続々と新型車を投入し、今やMPV/ワゴン市場をすっかり凌駕してしまった成長カテゴリーとなったこのコンパクトSUVクラスですが、並み居るライバルの中でキャシュカイは第2世代になっても、ほぼ常に欧州SUV販売No.1かつ、乗用車市場でもトップ10の常連組として評価されている勢いを持ちづづけているのでした。
(さすがにモデル末期の昨年はSUVナンバー1を兄弟車ルノーキャプチャーに明け渡しましたが)
いや凄いモデルなんだなと感心させられるばかりです。
さて新型は先代のデザインをどことなく踏襲しながらも、綺麗なストリームラインを持つモデルになりました。
最近日産が世界中で登場させているSUVはどちらかというと箱型デザインが多く(国内にて販売中のキックスを始め、北米向けのローグ(次期エクストレイルと言われてるモデル)、新興国向けBセグSUVのマグナイトなど)、果たして欧州向けの新型はどんなものなんだろうと思っていましたが、やはりキャシュカイらしさはしっかりと表現された好感持てるデザインです。
最近の日産SUVではお約束の縦に2分割したヘッドライトのデザイン(シトロエン的笑)も、他の車種はスクエアなカットなのに対してこちらキャシュカイはシャープに切長デザインとなっていて、これも味付けになっていますね。
新型は外観のみならず、さらにパワートレーンが興味深い。
なんとe-Powerにターボを付けたとかで、そんなパワフルな機構が加わっているといいます。
細かい仕組みはわかりませんが、ただでさえエコでトルクフルなe-Powerがブラッシュアップされているというからには更なる推進力を実現しているのだろうし、環境性能も向上しているのではと想像できます。
これはぜひ試してみたいですね。
さあ、今年の夏に発売とされる新型キャシュカイ、果たして欧州SUVナンバー1の復権となるのでしょうか。
特に生まれ故郷の英国では乗用車販売常にトップ5に入っているくらいの市民の足であっただけに、この3世代目にも欧州での活躍を期待しちゃいます。
そしてここ日本にも投入されないかなぁ…。
現行エクストレイルとキャシュカイはデザインも大きさも似ていて確かに同時投入は重複感あると思いますが、今度の新型はお互いキャラクターが異なり、同時投入しても良いと思うのですが。
まあキックスもあるし、地域最適投入を考えると、国内にデュアリス復活!なんてことはないのかもしれませんが、マイクラに続く魅力的な欧州日産ラインナップが日本でも選択できるようになればいいのに、なんて思ってしまう、とっても気になるクルマです。
Posted at 2021/03/16 20:37:50 | |
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