昨年からの新型ウィルスにより一変してしまった世界において、モーターショーは過去のもの…と、フランクフルトもジュネーブも無い現状に、これからはオンライン化だしと世の中の転換点なんてこんなものだと納得しつつあった今日この頃、いやいやまだまだリアルイベントは凄いぞと感じさせてくれたのがこちら、2021 Auto Shanghai, 上海モーターショーです。
トヨタが本格的なEVモデルを発表したこと、そしてテスラの屋根に乗り叫ぶ消費者のお陰で一般のニュースにも報道されて、久々にテレビでモーターショーの現場を見るなぁなんて、スルーしていた存在も今一度見直してみようと、ニュースを改めて観てみたりしたのでした。
アジアのモーターショーと言えば、その場で販売活動をしたりもありな、どちらかというと即売会的な役割もあるため、欧州のそれとは異なり、まだまだ市場における有効性は高いものとされています。
勿論メーカーにとっては、まだまだモータリゼーションに活路ある市場にて新製品の反応を見る場として大事な役割を担っています。
特に日本、中国、韓国メイクはここでシェアを獲るべく力を入れているし、フォード、GM、VWなど欧米のフルラインメーカーも市場開拓に余念ありません。
私自身、10年ほど前にインドのモーターショーに、そして数年前にタイのモーターショーを体験しましたが、地域嗜好に合わせたアジア専用車種が賑やかに展示される様子は何だか新鮮で楽しかった覚えがあります。
そんなアジアの中でも、中国は別格の存在。
多くの自動車メーカーにとって中国はアジアとは別扱いだし、国策から発展した国産メイクがメキメキ力をつけているようです。
その昔はデザインも中身も模倣品ばかりのイメージでしたが、今はそれも少なくなってるというし(まだゼロではない…)、それに電気自動車を早くから発展させてきた国だけに、今や世界中のメーカーがここでEVをワールドプレミアさせることが定番となっていますよね。
今回の上海も然り、興味を持って覗いてみると、興味深いEVモデルが目白押しです。
そんな出展モデルより、わんどら的気になるクルマを雑感込みでいくつかピックアップしてみます。
メルセデスEQS
まずはこちら、メルセデスEQシリーズのフラッグシップサルーンです。
グローバルモデルのためアンヴェールは既にオンラインで実施済みですが、大型セダンが支持される中国に相応しい1台。
なんといっても柔らかな曲線で描かれたスタイリングが美しい!
しかもリアはハッチバックとなっていて使い勝手も良さそうです。
わんどら的には今回イチオシのモデルですね。
実物が見てみたい!
メルセデスのEVはこの後に来月発表のEQT(フルゴネットバン)やさらにEQE(EクラスのEV版)の登場を控えているといい、EVシフトが加速していますね。
アウディA6 e-tron
先日ブログにてQ4 e-tronをピックアップしましたが、そのe-tronシリーズが続々と登場します。
こちらのミドルクラスサルーンもセダン人気の中国を発表の場に据えた戦略車種。
こちらもメルセデス同様デザインが美しい!
VW ID.6
どんどん充実してゆくIDシリーズは、先日ワールドカーオブザイヤーを受賞したID.4を大きくした3列シートSUVを発表しました。
こちらは中国専用車とのことですが、あれ欧州ではニーズないの?とその今後の展開を要チェックです。
ビュイックヴェラーノ・プロ
普段の関心がほぼ欧州車に向いている私からすると、ビュイックというブランド自体全く馴染みなく、またノーマークな存在でしたが、中国ではこちらもEVモデルをリリースしていました。
オペルブランドがPSAに売られて以来、GMブランドのクルマってどんなラインナップになっているのかも把握できていませんでしたが、このビュイックのモデルを見ると、なんとなく数年前のオペルの面影があると思いませんか?
トヨタbZ4X
もう散々ニュースで取り上げられている、トヨタが本気で動き出したEVモデル(なのかな?)
デザイン的にはレクサスRXやRAV4から特段の進化は感じなかったものの、フロントセクションの新しい意匠は悪くない気がします。
それにしてもこのパスワードのような車種名はイマイチ伝わらず、失礼ながらメジャーの予感はしないのですが、まあトヨタですからね、そんなこと気にする間もなく浸透してゆくのでしょうね。
Zeekr 001
中国車からはこちらのモデルに注目、ジーリー(吉利汽車)のプレミアムEVブランドとして登場したZeekr 001です。
ジーリーと言えば今やボルボの親会社だったりと、ひじょうに力を持った自動車メーカーになってきているメーカーですが、かつてはパクリ車(失礼!)ラインナップの旗手だったような気もしつつ、そのブランドがメキメキと頭角を表し、プレミアムに参入するなんて時代も変わったものですね。
しかし、あれこのモデルも何か見たことがあるような…と思ったら、Lynk & Coのモデルにそっくりではないですか。
おいおい中国車同士の模倣かいと思いきや、Lynk & Coもジーリーのブランドだったのですね。
どうやらこのZeekr 001は欧州ではLynk & Coからのリリースを視野にしてるとかで、ややこしいもんです。
アークフォックス アルファS
さて最後はBAIC(北京汽車)からの新型EVです。
こちら、ファーウェイとのコラボ車種ということで、噂のアップルやらソニーのみならず、ここにも情報通信機器メーカーの自動車がありました。
デザイン的にはカッコいいとは言い難いけど、5G対応の通信機器、4Kディスプレイ、急速充電能力などのスマホ的技術が詰まっているとのこと。
大都市においてはファーウェイの提供する地図システムを用いて自動運転にも対応するというモデルは、今年中に販売開始とのことで、中国らしい最新"機器"の登場には感心するばかりです。
いかがでしたか?
欧州のメディアからのネタを元に個人的な気になるモデルを挙げてみたのですが、メディアから得られる情報は所詮だいたい似通ったもので限定的です。
あの広大な会場の中には、もっと"中国らしい"クルマたちがあるんだろうなと思うと、いつかは実際に訪れて探索してみたい(まだ残る模倣デザインも楽しみながら笑)と思うのでした。