気になるクルマはいち早く海外情報からキャッチすれど、いざ日本に上陸したらなかなか触れる機会を得ることができないことが多い私わんどら。
見た目重視のクルマ選びを公言するだけに、写真を見てカッコいいとかいろいろ言うけど、結局百聞は一見にしかず、いろいろ試してみないとわからないのが本音です。
そんな中、やっぱりたまには行動しようと向かってみたメルセデスのDLR。
目的は今盛んにCMを展開している新型Bクラス(W247型)の体験とAの比較、そして最近登場した待望のディーゼルモデルの体験です。
Aクラスは国内に登場してから随分と経ち、既に街では時折見かける存在ですが、この春にはBクラスの国内ローンチと、両クラスへのディーゼルモデルの導入という新たなニュースがあったので、私的には訪問タイミングも今がよい時。
都心の大きなDLRを訪れると、天井高くルーミーなショールームに、感じの良いセールスパーソンが対応してくれます。
AとBが見たいのですと伝えると、ショールームには同じボディカラーの2モデルが既に並べられています。
まずはAクラスから現車確認です。
先代モデルはとても親しみがある存在で、数年前のクルマ未所有時代にレンタカーをよく借りていたのと、フランス2000Kmドライブのパートナーとして、相当乗り込んできたクルマでした。
そんな懐かしの想いを持ちつつ、この新型に乗り込んでみると、あれ旧型よりもより低くなったのでは?と思えるくらいの着座位置がとってもスポーティに感じられます。
(実は旧型より低くということはなくむしろ座高は高いのです。単にいつもピカソに乗ってるからそう感じるだけでした)
外観全体の雰囲気は大きく変わっていないけど(よりシャープになった点は悪くない)、インテリアはまるで違う様子です。
もちろんその印象の中心は、タブレット端末を横に2枚つなげたようなディスプレイの存在。
しかし写真で見るよりもその存在に違和感はなく、程よい未来感はインテリアデザイン的にも悪くないと感じます。
次に座ってみたのがBクラス。
こちらは今のピカソ的な着座感覚で、とても座りやすい!
当然頭上の余裕も相まって、気持ちにも余裕が生まれます。
そしてここで知ったのが、AクラスとBクラスは、実は全高以外はまったく同じ寸法だということ。
ディーゼルモデルベースでの比較では、122mmの全高差のみがスペック上の違い。
A200d
トランスミッション:電子制御8速A/T
エンジン:DOHC 直列4気筒ターボチャージャー付
総排気量:1,950cc
最高出力:110kW(150PS)
走行燃費 WLTCモード:18.8km/l*
全長:4,419mm
全幅:1,796mm
全高:1,440mm
B200d
トランスミッション:電子制御8速A/T
エンジン:DOHC 直列4気筒 ターボチャージャー付
総排気量:1,950cc
最高出力:110kW(150PS)
走行燃費 WLTCモード:-km/l*
全長:4,419mm
全幅:1,796mm
全高:1,562mm
122mmの差でこんなに室内空間にゆとりもできるし、着座感覚も、膝が浮くことなく落ち着いて座れるってことは、ロングドライブに優しいということがはっきりします。
まあ、122mmの差が約40万円の価格差というのをどう捉えるかはありますが、納得いかない価格差ではない気もします。
さて早速走ってみたい、そしてMBUXを"Hi, Mercedes"と試してみたい!
ということで、待望のディーゼルモデルの試乗をお願いすると、生憎訪問当日は在庫していないとのこと。
ではガソリンモデルでもよいので乗ってみたいですと駄々をこね、A180を用意していただきました。
早速乗ってみての印象は、旧モデルよりも確実に感じる力強さ。
感覚値になりますが、新たな1.3Lターボエンジンはとても推進力のある感覚を得ます。
7速ATもシームレスな感じだし(ディーゼルは8速とのこと)、操舵感も普通の交差点レベルのコーナリング程度ですが、マイルドだけどピシッと遅れのない反応が得られて心地よい感じ。
"走る、曲がる、止まる"が絶対値よりも感覚的に相性がよいのかもしれません。
うん。これでいいじゃん。
目的のディーゼルを知る自身としては、やはりあの厚いトルクによる押し出し感はとても魅力的。
実際にフランス2000KmドライブでパートナーだったモデルはA220dというディーゼルで、その走りの面白さは病みつきになるほどの好印象だったもの。
(運転が愉快すぎて、異国の地で速度超過&罰金(日本まで追いかけられてクレジットカードで振込み)という情けないおまけ付も(過去のブログご覧くださいませ))
しかし、最近すっかり定番の機構となった小排気量+ターボの効果は、どのメーカー、エンジンもそこそこ走ってくれるし、少なくとも街中で「おお、ここはもっとチカラを!」と思うことは少なくなったと感じるだけに、このAクラスのガソリンエンジンも必要十分(以上)のスムーズさを感じるのでした。
ただセールスさん曰く、やはり「ディーゼルはもっと面白いですよー!」とのことで、ここは機会改め試してみないとね、と思います。
そして試乗のもうひとつの体験目的であるMBUX。
このタブレットに搭載される機能は、まあ言ってみればスマホやスマートスピーカーということなんでしょうけど、音声認識と多彩な表示機能は、なかなか面白いものがあります。
そしてCM等のキャッチとなっている"Hi,Mercedes"という呼びかけは、実は"Hi"は不要で、メルセデスという言葉に反応するようになっているとのこと。
走行中は面白がって「メルセデスー」と呼びかけてみては「今日の天気は?」などと質問してみたのですが、まあ正直言って、楽しいデジタルおもちゃという感じ。
有効活用できることもあるだろうけど、実際はさほど使わないのかなぁと感じるのでありました。
今後はメルセデスだけでなく、ディスプレイオーディオにアプリ化に音声認識+AIというインフォテイメントがフツーの仕様になっていくのでしょうから、この機能に特異性を感じることもないんだろうなというのが実感。
ただ、後付ナビなんぞ使っているひと世代前のクルマを所有する私にとっては、このイマドキの新スタンダードが、確実に便利だなあと感じられるものではあるのでした。
そんなことで、スタイルよし、走りよし、MBUXよしのAクラスは総合点で好印象。
あとはその「もっと楽しい」ディーゼルを試してみたいということと、実際の購入を考えたときに、実はBクラスのほうがライフスタイルにあっているのではと思えることがポイントなのかと思います。
そんな、もしCセグハッチを選択するなら"これいいね"と思わせてくれる、予想通りの展開(無難、手堅いとも言える?)ではありましたが、これは候補キープね、と思える気になるクルマなのでした。