
6月のワールドプレミアからひと月、8月から早速先行販売の始まったシビック。
今や数少ない日本メイク発のグローバルCセグモデルということで、実は新型の登場を密かに楽しみにしておりました。
それは、F1最終年にして大活躍の成果、日本メイクとして単独でモビリティ革命を生き残ろうとしている企業の方向性(まあGMとコラボしてるけど)などの"頑張ってる感"から、そろそろホンダというブランドを応援したいなぁという心理と、元シビックユーザー(若き頃、EF型(通称グランドシビック)を所有していた)として、いつの世代もシビックは気になる存在だからという極めて個人的な想いが起点となっています。
この1年間はフィット4を2回、ホンダe、ヴェゼルと積極的にホンダ車に触れてきました。
どのモデルもなかなか興味深かったけど、欲しい!までには至らぬ終い。
さてこちらのシビックはどうなんだろうと、体験前からワクワクです。
体験したモデルは上位グレードのEX。
黒いボディカラーは趣味ではないですが、スポーティで精悍な雰囲気は標準の18インチホイールからも醸し出されています。
基本的には先代を踏襲したスタイリングなのかと思いますが、先代よりもスッキリしたフェイスやリアセクションは、少し大人になったなと感じられます。

今回からセダンは廃止されハッチバックのみにて、原点回帰といったところなのかもしれませんが、先代よりもさらに伸びやかになったせいか、同じく5ドアハッチバックスタイルを持つ既販のインサイトやアコードに似てるなぁとも。
ホンダはいつの間にかこのスタイリングがサルーン標準形になったのでしょうかね(嫌いじゃないけど笑)。
そしてそのハッチの恩恵が、この大容量の荷室。

これは使い勝手良さそうですね。
新たな顔となるスッキリしたフロント周りをよく見ると、ハニカムグリルなど意外と造形に凝っていたりして、細かいところまでちゃんと工夫しているねと感心します。
ハニカムデザインは室内のエアコンルーバー兼加飾にも採用されていて、このモデルのアイコンなのかも知れません。
乗り込むと、これまた質感の高さを感じさせてくれます。
シンプルな直線基調の中に、ピアノブラック加工のインパネ加飾などが配置され、こちらも外観に合わせて少し大人な雰囲気。
真っ直ぐ線を引いてから造形を施してゆくインパネデザインの傾向は、オペルの新型アストラなどにも見受けられ、外観の一本線テールランプ同様に、世界的にトレンドなんでしょうかね。
走り出してみるとこれまた自分に合う"ドライブの楽しさ"を予感させてくれる感覚があります。
今回登場したのはガソリンエンジン車ですが、まるでディーゼルエンジンのような下からのトルク感もしっかりとあり、レスポンスよいエンジンに踏み込みの自然なブレーキは安心して前に推進させる事ができ、特にスポーツモードにしてしまうと、おー、このレスポンスの良さは調子に乗って加速してしまいそうになるなぁと感じたのです。(普段はeconモードで十分です)
私的にはブレーキフィールが好みなだけに、今後発売されると言われるe:HEVモデルでもこれは残して欲しいなぁと思ってしまいます。
この走る曲がる止まるがちゃんと面白いと思いながら運転していて思っていたのは、"ゴルフ8で感じた面白さに似ている"ということ。
Cセグのベンチマークモデルにシビックが近づいたのかどうかはわかりませんが、私が試した1.5LのeTSIエンジンを積んだゴルフに似たワクワクを感じたのでした。
さらに相性を比較すると、アウディA3で体験した30TFSIモデルよりも何倍も楽しい。
自分の中ではゴルフ>シビック>A3という相性ランキングができつつあります。
(ここに新型プジョー308がどう入るか楽しみ)
いやこれは面白い、久々"アスリートなホンダ"に出会えた気がします。
懸念は価格なのかな…。
上位グレードEXで車両価格約350万をどう捉えるかの価値の置き所が感じる人次第なんだろうな。
ガソリン車でこれだから、e:HEVだともっと上がるんだろうし、ゴルフ始め輸入Cハッチに近い価格をどう捉えるか…。
ホンダ好きだけど今の私ならゴルフを選んでしまいそうな…なんて考えたりして、ホント価値の持ち方は人次第ですね。
さてこのシビック、これまでハッチバックは英国生産を国内導入していたのが定番となっていましたが、残念ながら英国スゥインドン工場の閉鎖に伴い今回からは国内生産モデルが投入されるということ。
実はタイ生産モデルの導入も検討されたようですが、ここは国内工場の稼働重視、あるいは品質重視だったのでしょうか。
個人的には"英国生産"の響きは好きだったのですが、日本で作られデリバリーされるというのは確かに品質には間違いないのでしょうから、喜ばしい事なんだと思います。
今回のガソリンエンジン車は先行販売的に過ぎず、ラインナップ的にはこれから本命のe:HEVモデル、そしてタイプRが順次登場するとのこと。
次期タイプRはどんな出立ち、どんなスペックを武装してくるんでしょうか。
打倒ゴルフR、クプラレオン、そしてメガーヌR.SというニュルブルクリンクFF最速レコード争いへのリベンジも気になります。
できればタイプRにもATあるいは2ペダルMTを用意して欲しいなぁと軟弱な事を願ってしまうのですが、イマドキはゴルフやレオンだってDSG、メガーヌもEDCと2ペダル化してニュルレコード出してるんだし、ここはシビックも是非と思うのですが…まあ、今発売中のガソリンモデルもMT車の販売が好調とのことで、やはり走り好きに応えるのはMTなんだろうと思うと、私の様な軟弱系走り好きにはタイプRはお呼びでないという事なのかもしれませんね。
(でもメガーヌR.S.を試乗した時は2ペダル+パドルシフトで十分スポーツできた気がしたんですけど…言い訳しつこいですね笑)
そんなことでワクワクを感じた、これなら欧州でもイケるんじゃない?と思わせてくれるドライブの楽しさを感じさせてくれた新型シビック。
何故かホッとしたいうか、Nシリーズだけの自動車メーカーじゃなかったという、自身が若き頃にEFシビックのドライブを通じて感じていたイメージが現代流に進化していた気がして、良い体験になりました。
さああとは、タイプRにぜひ2ペダルを!(しつこい笑)