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オープンスポーツというカテゴリーのクルマは誰しもが一度は憧れる存在なのではないでしょうか。
例えば60年代のMGやロータスエランといったブリティッシュロードスターからはワインディングを駆る楽しさを感じるし、アルファロメオスパイダーなどのイタリアンならお洒落に街を颯爽と駆けたくなります。
もちろん、80年代の終わりに登場しロードスターの新たな歴史を切り開いたマツダMX-5ロードスターは、4世代目になった今もなおオープンスポーツのリーダーであり、時に”やっぱいいよね”と思わせてくれるパッションがあったりします。
僕自身、過去にBMW Z4(E85型)をチョイスしたのも、このマツダロードスターにインスパイアされてのことでした。

さて、昨年春に4世代目のマツダロードスターが発売される前後から、フィアットがそのロードスターベースのオープンスポーツをリリースするというニュースは既にありましたよね。
当初はフィアットグループのアルファロメオスパイダーとなって復活すると言われていました。
しかし、昨年暮に現れたモデルはフィアットブランドからの登場、しかも124なんていう聞き慣れない昔のバッジを復活させてのリリースとなりました。
そんなニュースを今更？という感じではありますが、今年になり欧州にていよいよ発売が始まった中、海外の専門誌での特集記事などをよく見ると、フィアットのオープンモデルらしいなかなか良さげな雰囲気があるではないですか。
ということで今更ながら、フィアットのオープンモデルが気になってしまったのです。

シルエットは当然マツダのそのものですが、表情が違うだけでオリジナル感は結構でてくるもの。
しっかりとフィアット的イタリアンな雰囲気に調理されているのは好感持てます。

個人的には元ネタのクールビューティな目つきよりも、こちらの見開いたパッチリ目のほうが好きです。
それに、マツダの地元広島で生産されるというのに、エンジンはフィアットのマルチジェットエンジンが積まれるなんて、わざわざそうする？という拘りを感じます。
きっとGMやフォードなら”…それじゃあ、スカイアクティブでもテキトーに載っけておいて”なんて感じになるんじゃないかと。

それにネーミングにも拘りを感じます。
わざわざ124スパイダーなんて60年代の名車を引っ張り出すなんて、並々ならぬ拘りがあるに違いありません。
もしかしたらホンダのS660的(=エスxx)的な、あるいはトヨタ86的な往年の名車が復活といったニュアンスなのかもですが…。
かつての124が、フィアットの歴史においてあの500(チンクエチェント)に次ぐ名車であると言われても、少なくとも日本に住み、昔のフィアットに疎い僕には124のネーミングが示す偉大さにピンときません…。

マツダとフィアットの業務提携時に発表された通りのアルファロメオブランドでリリースされてたら、同じ復活するでも”スパイダーヴェローチェ”なんてネーミングになって、そっちのほうがセンセーショナルだったのでは？と思ってしまいます。
更に思うと、あの名作ロードスター、バルケッタの名はどうしたのでしょう？
そう、124ではなくバルケッタのほうが馴染みがあるじゃん思うのは、僕だけ？
90年代のロードスターブームに乗り登場したバルケッタ。
よく当時は雑誌でもマツダ、MGF、アルファスパイダーそしてこのバルケッタを引き合いにした比較対決が行われていましたよね。

僕的には、FFだけどボートのようなデザインが個性的なこのバルケッタが好きだったりもしました。
そうか、新型124スパイダーはFRだからバルケッタじゃないのか…？

広島生まれのマツダをイタリアンにアレンジすると、ひと味違う美味しそうな雰囲気へとイメージって変わるもんなんだなと好意的に受け入れつつ、おそらくは日本には導入されることのないこのロードスター、少し気になるクルマです。