
Bienvenue dans le monde du Visiospace.
大きく開いたフロントウインドウスクリーンに広がる青い空。
これが私の選択した新たな答えでした。
そう、前回まで6回にわたり連載したマイ・カスタマージャーニーの行方は、初代シトロエンC4ピカソを新たなパートナーに迎えることで完結したのです。

さて、今週から始まった新しい(古い?)パートナーへのあれこれについてはまだ始まったばかりなので、今後徒然と書いてみたいと思いますが、ひとまず今回は2017年のクルマ選び完結編として、前回からの決定に至るまでを記録しておきたいと思います。
Episode 10:決意
フランス旅行で影響されたクルマ選びのテーマ"欧州の普段使い"を基本に据え、長いことかけて紆余曲折してきたカスタマージャーニーも、前回いよいよ新旧のシトロエンC4ピカソを体験し、伏兵シエンタとの3つ巴の戦いを決定させる時が来ました。
C4ピカソは新旧共に良さが十分あります。
意外だったのは、旧型(初代というほうがよいのでしょうか)はもう10年前のクルマなのに、目をつぶるほどの古さを感じなかったこと。
だからこそ選択肢になってしまったのです。
一方の現行型はオーソリティ注目のアイシンAW製ミッションという強い味方に、PSA得意のディーゼルエンジンという魅力。
まさに新旧甲乙つけ難し、しかし決めないと前に進みません。
ということで、両者のPros & Consをまとめてみると…
★現行型

★Pros
・Blue HDiがもたらす派手ではないけどじわっと効く低速時のトルク感
・ATの乗りやすさ、シームレスな加速
・まるでドイツ車のような内装の質感
・新世代らしいインパネデザインやモニター
・フラットで広々と見える室内
★Cons
・外観スタイリングの好み
・ディーゼル選択時のコストメリットが低い
・電動化満載なので、もし壊れたらおそらく初代よりメンテナンスコスト増→とDLRで説明受ける
★旧型(初代)

★Pros
・丸みを帯びたスタイリング
・柔らかな雰囲気のインテリアデザイン
・1.6Lターボエンジンが意外と低速トルクがしっかりとあって実用域にストレスなし
(しかもBMWとの共同開発にてミニクーパーSと同じとか言われるとその気になります(笑))
・ふわふわしてるけど踏ん張りもある不思議な乗り心地(これぞシトロエンマジック?!)
・EGSは意外と修理費用が安価(MTベースで構造が単純?)→とDLRで説明受ける
★Cons
・何だかんだ言っても10年前の設計思想と機構、ちょっと古い
・中古車からの選択、故にタマ次第
・EGSのもっさりとした変速タイムラグ感
・パドルシフトのカチッとしない入力感
・イマドキエコカーに比べて燃費の悪さ
・センターメーターディスプレイがカッコ悪い(スピード表示デカすぎ(笑))
*いずれも試乗時のファーストインプレッションです。
と、こんな感じ。
それでも今回初代モデルを選んだのは、今回のクルマ選びの原点回帰、あのフランス旅行で見た、街中に溶け込む普段使いの姿への憧れを実現したかったから。
結局、Episode1に結論を見たのです。
さらには、我が家のNAB(Need-Authority-Budget)に合致しているクルマでもあります。
(燃費に係る経済性のみ未達…)
加えて、状態優先にてクルマを探した結果、正規販売店にて走行距離が少なく、最終年式のモデルを見つけ、これは買いなのではという勢いになってしまったのもあります。
新車と違い中古車は一物一価にて、出会いが肝心。
ひとつ最後まで迷ったのは、私が所望していたボディカラーではなかったということ。
この大人な雰囲気のブルーは、意図していなかったのです。
しかし、低走行距離、車検2年付、整備記録は優秀、正規DLR管理車両、認定"Citroen Select"の整備と保証という至れり尽くせりの好条件に、任意のボディカラーは諦めたのです。
そうそう、オーソリティお気に入りのシエンタはどう打破したのでしょう。
皆さんお気づきかと思いますが、残念ながら私にとってはシエンタという選択肢は鼻からなく、当初からオーソリティをそのフィールドから抜け出させるためにどう口説くかというのがキーでした。
何しろPSAとのアライアンスを担当した欧州駐在の友達からのネガティブ情報のイメージを正攻法で払拭するのは大変なこと。
だから、なんとなく煙にまくのが一番!という大まかな結論に至ったのです。
定量比較になれば敵うわけがないんだから"ま、いっか"という方向に持ち込むのが一番です。
そこで活躍したのがAYGO所有の思い出。

トヨタの欧州専用モデルにてダイハツのエンジン、アイシンのミッションという日本由来の機械を身につけつつ、ママはプジョー&シトロエンというカップリングで生まれたアイゴを所有していることを、彼女は密かに自慢に思っていたのです。
結局、その製品が友人が話す懸念のPSAとのアライアンス成果であることを知りつつも、結局は埋もれることのない"個性"は魅力的なのです。
そういう流れから、"個性的=シエンタ<シトロエン"という感性的な方向でオーソリティの納得を得ることができました。
これが私のクルマ購入のカスタマージャーニー。
フランス旅行の影響が紆余曲折しながらも結論になるという、やっぱり人の気持ちってそうブレないんだなと、自身納得の買物となりました。
このクルマとの生活はこれからが本番。
果たして、フランスで感じた"欧州の普段使い"を楽しめるのでしょうか。
(結局シエンタにすればよかったということには…なりませんよう、ね?)
納車後、とりあえず200kmほど使ってみたら、またいろいろと感じることはありますが、それはまたの機会に書いてみたいと思います。
シトロエンとの生活。
現行型ではなく、ブログに綴るのも今さら感があり気恥ずかしい気持ちもありますが、これからも読んでいただけますよう、よろしくお願いします。
*冒頭に書いた"Bienvenue dans le monde du Visiospace"は、C4ピカソ発売当初の本国カタログにあるリード文。
タイトル写真もカタログから引用しました。
さて、これから"ビジオスペースコンセプト"の世界に踏み入れてみたいと思います。