
先週から始まった東京モーターショー。
かつては世界の3大自動車ショーと言われていたようですが、上海などにその栄誉の座を奪われ、今や巨大なショッピングモールでの店舗外展示のような存在になってしまいました。
それでも沢山の世界をリードする自動車メーカーを擁するお膝元日本で開催されるだけあって、海外の専門メディアもそこそこ取り扱っているのを見ると、テクノロジー先進国のクルマの最新は知る価値はあるのかもしれません。
…ということで行ってまいりました東京モーターショー。
幸いなことに仕事名目での視察にて、比較的空いている平日訪問をしちゃいました。
なんだか回を追うごとに出展メーカーも小間も小さくなってる気がしますが(王様以外は)…、まあコンパクトで巡りやすいというのは2020東京オリンピックのコンセプトと同じだしなんて良い解釈をしつつ、今回のパート1は国産メーカーを見てみたいと思います。
そうそう、クルマの詳細は専門メディアで充分情報はあるでしょうから、いつものようにわんどら的"いま欲しい気になるクルマ"のチョイスとさせていただきますことあしからず。
まずは王様トヨタから。
今回のトヨタグループ(ダイハツ&トヨタ車体など)のブースの買い方は王者感がえげつない。
"ホール一棟買い"という、もうそれならお台場メガウェブでやっちゃえばいいじゃん!という、他メイクと相容れない島国さに驚きます。

その割にはブース装飾はガランとしていて広すぎて装飾が行き届いていないのは残念な限り。
そんなトヨタはさすがにコンセプトカー&新型車そろい踏みで、ショッピングモールでの充実の展示に出会えたお得感があります。
AIで生活者とコミュニケートする感情を持ったシティムーバーや、なんだかごっついSUVやMPVのコンセプトカーなどが盛りだくさんにある中で、黒山の人だかりで賑わっていたのが新型クラウン。

うん、確かにこれはカッコいい。
デザインはアウディやメルセデスなどの欧州車をミックスした雰囲気で、日本のカーデザインの限界を感じるけど、私的には欧州車風だからこそカッコいいと感じるのかもしれません。
ただ、これをクラウンの実質的なメインターゲットが志向するのか?
60代男性×会社経営者×地方在住というマーケティング視点からすると、このシックスライトウインドウ化されたデザインの受容度が気になります。
まぁ、この手のお客様は現車を見ずに買う人が多いので、トヨタの販売力であっという間に全国の社長さんたちに普及するんでしょうね。
さて、トヨタは広大なブースにたくさんのクルマを出展していますが、僕がいいなと感じたのはこちら、GRブランドのスポーツカー。

ハチロクの派生なのか、スタイルは似ていますが、GRというスポーツカー専用ブランドに相応しいと思います。
ところでGRブランド、コンセプトはとてもいいんですけど、だったらミニバンはラインナップして欲しくなかったりもします。
販売量への下心がブランドメッセージをぶらしていて、本当にスポーツで若者の心を動かしたいのか疑問です。
という意味では、今回のトヨタ出展車種の中で一番本気を感じるクルマはこちら、ヤリスWRC。

これはチャンピオンシップを応援したくなる、素晴らしいクルマです!
さて、王様トヨタと隣り合わせで展開しているのがダイハツブース。
わんどら的には今回の国産メーカー出展企業の中で最も好感が持てた展示ラインナップでした。
トヨタの"新興国小型車カンパニー"として選択と集中が実現できている感じが伝わります。
コンパクトなSUVやMPVなど、これはマレーシアやインドネシアで売れそうだ!と思えるコンセプトカーを出展しています。
また、往年の名車(らしい)をオマージュしたとされるコンパーノはキュートでカッコいい!

これは好感持てます。
ダイハツからはもう一つ、お得意のジャンルからの楽しそうなクルマ。

これはとっても部屋感があって、そのままお店が開けそう。
棚の荷物はカーブを曲がるたびに落ちちゃうんだろうな…笑とも思いつつ、こういう使い方提案はユニークで日本らしいアイデアです。
さて、お次はトヨタグループのボディメーカー、トヨタ車体。
確かトヨタの大きなミニバンやランクルなどを作っている会社だと思いますが、こちらもダイハツ同様の使い方の創造性を豊かにするミニバンタイプのコンセプトカーが出展されていました。

スタイリングも良く、好感持てるクルマです。
トヨタからはもうひとつ、レクサスを見てみます。
こちらはトヨタブースとは違う、ポルシェやアウディと並んだホールに位置して、独自の雰囲気を出しています。
ブースにはコンセプトカーを中心に現行車種が並んでいますが、よかったのはクルマよりも、青山にあるブランド発信拠点"インターセクト"の店舗を模した設えで、レクサスのセンスを集めた物事の提案がされていたこと。
レクサスはライフスタイルブランドである、と自称しているだけに、それが伝わる展示はなかなか良かったです。
そして、ブースには先日発売されたLSが、見ても何がすごいのかよくわからないコンセプトカーよりも印象的に、かつ圧倒的な存在感を示しています。

ホントでかい。
そしてカッコいい。
うちの会社、役員にはLSがオーナーカーとして支給されていますが、この新型もまもなく導入されるとの事で、ある役員曰く"今のでさえ大きいのに、もうこれ以上大きくなったら走らせるところがなくなってしまう…やめてほしい"と嘆いていました。
もはやアメリカしか見ていないという潔さ、欧州で受けないブランドだけに、これぞレクサスの生きる道なのかも知れません。
さて東京モーターショー訪問記も、トヨタ系だけで結構な文字量になってしまいました。
ということで今回はここまで。
次回は国産メイクの第2弾を書いてみますね。