
英文名:キャノスブルー、それがマイピカソのボディカラーの名前。
キャノスというのはニュアンス的には群青色を示すギリシャ語が由来、あるいは別の表現では、瑠璃色と言う説もあり、こちらは宝石のように深く輝く美しさがイメージされるとのことですが、確かに洗車した後のボディを見ると、角度や光の入り方によって陰陽の変わる宝石的な雰囲気という一面は納得しつつ、実は深青が美しい地中海のイメージだなぁと感じています。
以前のブログにも書いたように、私はこのボディカラーを積極的に選択した訳ではなく、むしろ仕方ないという気持ちでした。
実は白が欲しく、次点で赤と、この青はその次あたりの希望色。
しかしその所望する白は家族の"タクシーみたいで嫌だ"という意見にて推されずという始末。
確かに、フランスやイタリアを旅行した時にはこのモデルのタクシーを何度か見ましたしね。
そんなことで購入直前まで、現行型(新車)の赤、この初代(中古)の白、そしてこの青と迷い抜いてチョイスしたものだったのです。
購入からしばらくはやっぱりこの色をチョイスしたことを少し後悔したりと、イマイチ自身にフィットしない違和感を持っていたのですが(このあたりは過去のブログでウダウダ書いていましたが)、さすがに徐々に慣れてきたし、冒頭に書いた"考えてみたら地中海の色じゃん"と思えたら、悪くないと思てきたのです。
そうして周りを見渡すと、意外やこのキャノスプルーのような深めでグレイッシュな類似色は多く、マツダやVWにはそっくりな色があると、前回のブログでは書きました。
あれからさらに見渡すと、ボルボもそっくりな色をラインナップしているし、

メルセデスも新型Aクラスに、とても似た色を設定しています。

そう、欧州車においてこの少しグレーの混ざったブルーは、青系統の色相の中でも定番と言えるものなのかと類推します。
で、気になったのは欧州ユーザーのボディカラーに対する興味。
そもそも青色のクルマって、どれほどニーズがあるんでしょうか。
ということで、まずは私たち日本ではどんな感じなんだろうと調べてみました。
塗料メーカーのアクサルタコーティングシステムズによる自動車ボディカラー調査によると…
1位:ホワイト 35%
2位:ブラック 22%
3位:シルバー 14%
4位:ブルー 8%
5位:レッド 6%
6位:ブラウン 5%
7位:グレー 4%
8位:その他 3%
という感じ。
想像通り、白黒で約6割を占めているとは、街に行き交うクルマたちを見ていても一目瞭然です。
まあ、フリート需要を考えると白黒が多いことに意外性は何もないのですが、ブルーは約12台に1台で選ばれているというのが意外に多いなということがわかります。
私もそのひとりなんですね。
そして欧州、こちらは化学メーカーBASFのレポートを見てみると…
1位:ホワイト 29%
2位:ブラック 19%
3位:グレー 18%
4位:シルバー 12%
5位:ブルー 10%
6位:レッド 6%
7位:ブラウン 4%
ということで、白黒比率は約5割と日本より若干低いようですが、特徴はグレー系の人気が高いこと。
日本の需要と全く違います。
考えてみると、BMWやメルセデスなどはグレー系のカラーを複数用意しているし、実際に日本でも選ばれていることが多いようです。
おそらくグレー系のクルマはライフスタイルのオンオフどちらも使いやすいというユーティリティ性が高いということなんでしょうか。
で、青系は10台に1台と日本より選ばれているようです。
さて、この統計とかけてキャノスブルーと解くその心得は…欧州車ははグレイ×ブルーにニーズの肝があるということ。
データを以て考察すると、無彩色のグレー人気、そして有彩色のトップを飾るブルーを掛け合わせたカラーこそ、ユーザーに支持されているカラーの筆頭であるという仮説が生まれると思います。
もちろん鮮やかなブルーやシアンの似合っているクルマにも惹かれますが、キャノスブルーにはそんなデータに裏付けされた欧州市民から支持される理由があるのです(たぶん…)。
ちなみに日産の調査によると、ボディカラーへの満足度は、"ユーザーが何色の中から選んだか?"に依るんだそう。
調査では、新車購入時に8色のラインナップから選ぶよりも、12色のラインナップから選択した方が満足度が高いんだとか。
8色しか展開されていないと、"限られた中から選ばざる得ない"気持ちになるけど、12色から選ぶと"個性で選んだ自分だけの1台"に思えて、色に対する愛着や商品への満足度が高まるというデータがあるのです。
ちなみに12色からグッとその満足度は高まり、それ以上となってもあまり満足度は変わらないそう。
だから日産(国内販売)は、なるべく12色のラインナップを用意して購買意欲を高めているんだとか。
(機会あればカタログを見てみましょう)
話題を戻してキャノスブルー。
わんどら的には地中海の色、そして欧州市民の嗜好にマッチした色という勝手な解釈を結論づけ、なかなか素晴らしい選択肢だと納得。
苦手な洗車でくすんだカラーを蘇らせる度に、なかなか深みのあるいいやつじゃんと自己満足しています。
そんな洗車したてのドライブ中、前方には茶色の現行型ピカソが並走していました。
(ヒッコリーブラウンという色でしょうか?)
それを見つけた同乗する家族からのひとこと。
"あっちの色のほうがいいじゃん、チョコレート色でセンス良い!"ですって。
ああ、地中海よりショコラの香りですか…。