
普段暮らしをしていると、街でふと見かけたクルマが気になって目で追いかけてしまうことがあります。
そんな"その出会いはまさに一期一会⁈"というテーマの元、最近街で見かけた興味深いクルマをピックアップするシリーズ。
第13回目はこの春に目線に留まった古き良き時代の日本車たち。
昭和から平成の入口にくらいにかけて活躍した私たちの住む国で生まれ育ったクルマたちを中心に集めてみます。
当時からスペシャルなものもあれば、あの頃はフツー過ぎて見向きもしなかったモデルまで、今は流石に出会う機会も少なくなってきたけれど、今も大事に誰かの足になっているクルマをピックアップしました。
それではいってみましょう!
(今回は大まかな時代別に並べてみます)
まずはタイトル写真のこちら、いすゞ117クーペです。
何だか70年代のイタリア車のような流麗なスタイリングはそれもそのはずジウジアーロの作ということで、改めて出会ってみてもデザインだけは古さを感じない"美しさ"を感じます。
調べると1968年に発売され、驚くことに1981年まで生産されていたんだとか。
靖国神社付近て見た個体は疾走感ある元気な走りを見せてくれていました。
日産フェアレディZ(S30型)

東新宿界隈で信号待ちをしていたら隣のレーンに並んで止まった茶色い鼻の長いスポーツカー、初代Zが。
いやこちらは記憶で勝手に増幅させられていたサイズよりもかなり小さいですが迫力があります。
見つけた瞬間、お!と思いディテールを探りましたが、長い時間の中で多彩な改造車があるが故に、そのGノーズを付けた個体が果たして本物の240ZGだったのかどうかはわかりませんが、特徴的なオーバーフェンダーと共に雰囲気はカッコいいものがありました。
日産スカイライン(C110型)

スカイラインは2台ピックアップしてみます。
まずは日産のお膝元湘南平塚で見たのはC110型です。
まあ、そんな型式で言うよりも通称"ケンメリ"と言ったほうが理解度が早いですよね。
こちらのクーペも前述のサンマルZに負けないくらいに流麗でカッコいい。
日産の工場界隈を走るシルバーのケンメリはあの"レースに出なかった唯一のGT-R"の見た目にて、まさかの本物であれば、販売台数195台と言う激レアで大変貴重な出会いとなりますが、近くでディテールを監察できたわけでもないので、真相はわかりません。
しかしそれがGT-Rであろうがなかろうが、この流麗なクーペスタイルは今のクルマに真似できない大胆さがある気がします。
日産スカイライン(C210型)

前述のケンメリスカイラインの次のモデルをこれまた神奈川県の中央林間付近で見つけました。
これまたカッコいいスタイルで懐かしい!
発見した個体はちょいワル風の改造がなされているようでしたが、それもまた当時っぽくていい感じでした。
しかもこのモデルって、初期の西武警察で渡哲也さんが乗っていたクルマでしたよね、懐かしい!
ケンメリそしてこの次の世代(R30型)という名車の間にあるモデルは愛好家も少なくなっているのではと想像でき、ゆっくりと目前を通り抜けてゆく"ジャパン"をありがたく拝見したのでした。
さて80年代はワゴン2連発といきましょう。
日産セドリックワゴン(Y30型)

オトーサンの愛車、タクシー、あるいはヤンチャな方々の愛用モデルと、当時は人気車種だったY30セドリック&グロリア。
セダンはコンサバ、ハードトップは優雅さという、今考えると贅沢なバリエーションだったなぁと思い出されます。
そんなバリエーションのひとつ、このワゴンはとってもお洒落な雰囲気があります。
当時流行りの木目サイドパネルを装着したモデルは、屋根にサーフボードなどを載っけたカリフォルニアスタイルがとっても似合うツアラーです。
(そういや日産からはサニーカリフォルニアというワゴンモデルもありましたね)
中目黒で見たモデルは果たしてセドリックかグロリアか(当時はフロントグリル意匠の違いなど覚えていたけど、今は忘れました…)わかりませんが、伸びやかで直線基調のスタイリングはワゴンとしてのユーティリティも高そうで魅力的です。
トヨタマークIIワゴン

前述のセド/グロワゴンと同じく角ばったスタイリングを持つこちらのワゴンも、私わんどらの興味を誘う存在です。
この時代にこの手のフルサイズワゴンを選択していたユーザーは一体どういう方々だったんだろう?と想像してみますが、バブル期においてはきっとそこそこのステイタスと実用性の両立を求めた自営業な方々の支持を受けたんだろうなと推察します。
当時は確かクラウンにもステーションワゴンがありましたよね。
それからこちらもセド/グロ同様サーファーなどのアクティブ層にも重宝されていたんだろうなぁ。
私的にはこのワゴンのリアウィンドウにある3本の小さなワイパーの存在が、見るたびに気になってしまうのですけどね。
何とも贅沢というか、無意味というか…。
スバルアルシオーネ

なんだこの三角定規みたいなクルマは!
と、かつてこのようなクルマが存在していた事などすっかり忘れてしまっており、九段下にて発見した際にはその名前すらずっと思い出せずにいたのですが、暫く記憶を巡らせた末に出てきた名車の名前、アルシオーネ。
この後継モデルSVXであればその個性的な存在は記憶に新しいのですが、こちらの初代はすっかり遠い記憶に…。
そういやこの時代はセリカXX、シルビア(ガゼール?)、パルサーエクサ、スプリンタートレノ(AE86)やら、やたらリトラクタブルヘッドライトのクーペモデルが多かったなぁ…少年の頃の憧れ、懐かしいなぁ!
さて段々時代的に時系列が分からなくなってきましたが、90年代との一期一会は…。
日産グロリアグランツーリスモ(Y31)

再び日産のお膝元平塚で見た懐かしのモデル。
このY31型は、セダンはタクシーで長いこと生産されたこともあり、なんとなく顔馴染みな感じですが、スポーティモデルであるグランツーリスモは徐々に希少な存在になっていること見受けられます。
実は私事ながら、スカイライン党だった父がそのスカイライン(R31型)を卒業して乗り換えたのがこのグラツーだったのです。
そして高校生にて運転免許取り立ての私がクルマの運転を実践練習したのもこのクルマでした。
いやーカッコよかったなぁ。
トヨタサイノス(初代)

神奈川県の伊勢原市で見つけた瞬間、おー、懐かしや!と頭の中でglobeの楽曲(当時ヒットしたCM曲)が回転しだした初代サイノス。
確かターセルベースにてレビン/トレノの弟分的な存在だったと記憶しますが、今実際に見てみると、とってもコンパクト!
こんなモデルが若者達に受け入れられていた時代が30年前にあったなんて、あの頃はイマドキの"若者のクルマ離れ"なんて事象か訪れるとは思いもしなかったなぁ…。
日産プリメーラ(初代)

私自身好きなクルマのひとつにて、以前"オールドタイマー"シリーズのブログでも取り上げたことのあるモデル。
当時はこのスタイリングにせよ乗り味にせよ、いよいよ日本車が欧州車に近づいたと感心させられる素晴らしいモデルだったと記憶します。
都県境の板橋区成増界隈で見たプリメーラは、わずかに色褪せたボディながらもスタイリングは今も褪せない輝きを放っていました。
いすゞビークロス

90年代に乗用車市場から撤退したいすゞ。
前述の117クーペにせよ、ペレットにせよ、そして歴代のジェミニにせよ、いちいち名車揃いにて伝説化しているかと思いますが、いやいやその後のSUV系だって名車揃いなのではと、このビークロスを見ると感じます。
中目黒付近で見た個体は、コンパクトながらもユニークなデザインがまるで生き物のような、あるいは宇宙船のような迫力があり、よくまぁこんな大胆なモデルを世に放ったなぁと感心してしまいます。
トヨタナディア

90年代のトヨタはこのCセグメントクラスのファミリートールワゴンをたくさんリリースしていましたね。
イプサム(欧州名ピクニック)を筆頭にガイア、カローラスパシオ、そしてこのナディアなどなど、チャネルに1台コンパクトMPVということだったのでしょうかね。
そんな中このナディアが気になるのは、このワンモーションフォルムが、実はシトロエンクサラピカソを生み出すきっかけになったのでは?と見る度に思ってしまうからなんです(勿論空想ですが、似ていませんか?)。
クサラピカソといえばマイピカソの先祖様なだけに、北区王子界隈を走るナディアを見た時は勝手に親近感が湧いてしまったのですよ…。
トヨタファンカーゴ

初代ヴィッツのトールワゴン版として登場したモデルは、当時売れに売れまくっただけに、未だ時折見かけることができますよね。
幾分か古さを感じつつありますけど、個人的にはベストパッケージのクルマだと好感を持っています。
欧州ではフルゴネットワゴンのポジションを担うヤリスヴァーソというモデル名にて、このモデルを見る度に何故かフランスあたりの街角にある花屋さんが仕入れた花束を積み込むシーンを空想してしまいます。
以上がミレニアム頃までの一期一会。
最後は時代を飛んでイマドキ最新の出会いを少しだけ。
日産リーフニスモ

昨年夏に1日借りてドライブし、好感触を得たリーフ。
もっとスポーティさが欲しいという個人ニーズにはこちらがピッタリですとお勧めされたニスモ仕様に、地元茅ヶ崎で出会いました。
茅ヶ崎と言えば日産の特装車の故郷、オーテックジャパン本社がある場所。
先日、茅ヶ崎市の市営プールにビジター訪問した際、そのプールの周辺の工業地帯を散歩してみたら、あららこんな所にオーテック本社があるではないですか(幼き住んでいた頃は知らなかった)。

スカイラインの6気筒エンジンを模したという有名な建物を初めて目にすることができ、警備員さんの怪訝な目に恐縮しながらパチリ。
まあフツーの会社であるけれど、なんとなく聖地巡礼な感じもあり…。
トヨタミライ

最新の水素車は随分と立派でスタイリッシュな雰囲気になりましたね。
初代のボートっぽいデザインは見向きもしませんでしたが、こちらは一目を置いてしまいます。
最近は走行している姿をたまに見かけるのですが、やはり官公庁だったり政府の公用車、あるいはその手の企業の社長車だったりするのでしょうか。
レクサスLM

先日、DiDiでタクシーを呼んだら、迎えにきたのは6人乗りのラウンジバージョン、"ブラックアルファード"でした。
3列目に乗ってみると、なんてリラックスした空間なんだろうと感心するばかり。
そんな居心地、いやそれ以上のリラックスを享受できるだろうミニバンが、中国仕向けのレクサスLMです。
そして最近、そんな日本未導入のLMをよく見るんです。
先日の日曜日は都心エリアで3台も見ちゃいました。
これらのモデルはもちろんホンモノではなく、アル/ヴェルを改造したレプリカモデル(だって中国からクルマの輸入は出来ないはずだし…)。
フロントのスピンドルグリルその他レクサス版の要素をコンバージョンできるキットが販売されているとのことで、皆さんそれを仕込んでいるのかと思われます。
こんなにウケがいいなら、正規販売しちゃえばいいのに…どうせアルファードと同じ国内の工場ラインで生産されているんだろうし(未確認)。
ということで、盛りだくさんだった今回の懐かしの日本車(プラス最新型)との一期一会は終わりです。
また近いうち第14弾にて、街歩きやドライブしながら見つけた気になるクルマを集めて書き綴ってみたいと思います。