
普段暮らしをしていると、街でふと見かけたクルマが気になって目で追いかけてしまうことがあります。
そんな"その出会いはまさに一期一会⁈"というテーマの元、最近街で見かけた興味深いクルマをピックアップするシリーズ。
第15回目は、緊急事態宣言も終えていよいよアフターコロナと言えるのか否かというこの秋に、各所に駆け巡るクルマたち。
思わず目で追ってしまう、フツーだけど私的には特別なモデルをラインナップしてみたいと思います。
まずはタイトル写真のこちらから。
オペルザフィーラA
日本におけるオペル絶頂期に投入されたコンパクトMPVは、欧州でもベストセラーになった実力派。
ボクスホールはもちろん、ホールデン、シボレーなどの当時のGMグループのバッジエンジニアリングで世界中で売られていたのを記憶しています。
そして日本ではスバルからトラヴィックとして発売され、同じクルマなのに価格差が大きいことで"輸入車はやっぱり高い"なんて話題になりましたよね。
このザフィーラを白金台で見た翌日、偶然にもそのトラヴィックを板橋区成増にて見かけてしまいました。
もう個体も少ないだろうに、こんな事ってあるのですね。
ザフィーラと時を同じ頃、日本にて流行ったコンパクトMPVといえばこちら、カローラスパシオです。

NCVと言われるカローラシリーズの一味にて、欧州EDスクエアがデザインしたMPV。
欧州向けに作っでみたけど、欧州では小さすぎて結局はサイズを大きくした"ヴァーソ"にポジションを譲るも、日本国内ではジャストサイズのファミリーカーとして人気のあったモデルでしたよね。
東北自動車道の宇都宮付近で見かけた個体、最近は滅多に観なくなってしまったけど、見るたびに素晴らしいパッケージだなぁと感心してしまうのです。
スズキバレーノ

軽自動車イメージの強いスズキですが、実は登録車のデザインがなかなか良かったりすると感じています。
そのひとつがこちらのバレーノ。
スプラッシュの後継となるルーマニア製の欧州車は東欧やインドなどで人気を得たマニアックなモデルという印象ですが、その希少性がオーナーの誇りにもなるのではないでしょうか。
東北道の蓮田インター付近で見た青いクルマは、日本車離れしたオーラを放ちつつ、"知る人ぞ知る"な雰囲気をじわりと醸し出していました。
オースチンミニバン

私自身、かつては3台のクラシックミニを乗り継いでいたこともあり、この手のミニには少し煩い拘りがあります。
かつての北の玄関、上野駅付近で見たミニは、リアに窓のないパネルバンタイプのもの。
車高を下げ、太いマフラーを付けて低い音を立てて走り去る個体は、オーナーがかなり手を加えている様子にて、ヤンチャな雰囲気。
60年代、クラシックミニが現役の当時のイギリスでは、この窓のないミニバン(ミニのバンだからそういう正式名称です)は、税金の安い商用車という理由で若者に人気だったそう。
この上野で見たミニバンは、そんな当時の流行を模倣しているかのようでした。
*写真は当時のカタログから、英国ロードサービス仕様です。
MGミジェット

クラシックミニに続く英国ヒストリックカーにてライトウェイトオープンの礎的な存在のMGを横浜新道で見つけました。
最終型のウレタンバンパー仕様のモデルは80年代まで製造されていたもの。
当時のアメリカの安全基準に対応するために強化されてしまったバンパーはより古い60年代モデル(Mk1-3)の金属バー見られるいかにも英国車という出立ちではなくなってしまったけれど、とってもコンパクトなスタイルはキープされ、現代のオープンスポーツにも良き影響を与えたモデルだったんですよね。
BMW Z4(E85)

飯田橋界隈にて久々に初代モデルを観て感じたのは、やはりシンプルイズベストだなぁってこと。
初代のデザイン自体、別にシンプルってわけではないのですが、後に続くモデルに比べると面の張り方がシャープでかつ繊細な雰囲気を醸し出していて、アートに振った感があり美しくかつサメのような鋭さも備えた秀逸なデザインと感じるのです。
そしてなんと言っても過去に自身が所有したモデルでもあり、今回改めて出会った事であの時の駆け抜ける歓びを思い出してしまうのです。
お次はBMW繋がりでもう1台、初代BMW5シリーズ(E12型)です。

この手のオールドタイマーを見ると、おっと目を奪われてしまうものがあります。
しかも綺麗なコンディションの個体に出会うと尚更、背筋がシャキッとするというか、オーナーに敬意を抱いてしまいます。
九段下で見た白い初代5シリーズは、かつてのミドルクラスはこんなに小さくても少しプレミアムな存在だった事に、果たして今の高級車の価値が大きさ=ラグジュアリーという構図って意味あるんだっけ?と自問してしまいます。
アルファロメオ145

以前もこのブログに登場したかもしれませんが、今だに好きなモデルなんですから、何度見ても気になるんです。
このスクエアなリアエンドは当時のアルファデザインらしさが光る秀逸なものだと感じています。
市ヶ谷の防衛省付近で見たそれは、軽やかにコーナリングして颯爽と走り去っていきました。
さて、ネオクラシックな1台といえばこちらも名車、プジョー205を見つけました。

どこにでも居そうで居ない存在となりつつあるモデルは改めて見てもやはりカッコいい!
さすがいつまで経ってもコンパクトプジョーのベンチマークと称されるだけあり、塊感や強さ、しなやかさなど、こんな小さな車体に見事に詰め込まれているのはなかなかないのでは。
飯田橋で見た黒のGTiは、並走していたヤリスに引けを取らない力強さを放っていたのでした。
さて深みに入っていきましょう。
お次はフランス車繋がりでアルピーヌA110です。

首都高環状線霞ヶ関付近で見たそのクルマを二度見してしまったのは、そのアルピーヌはクラシックモデルの方だったから。
そりゃよく見れば一目瞭然なのかもしれませんが、皇居外堀のトンネルをくぐり抜けながらの運転時には時間をかけてウォッチする訳にもいかず、チラ見しながらではなかなか新旧は似たもの同士に感じてしまいます。
しかし、トンネルから抜け出したブルーの車体はまさにクラシックそのものにて、小さく、低く、美しく、止まっている時であればもっとじっくり見たいと思わせる素晴らしさがありました。
フェラーリGTC4ルッソ

スーパースポーツのモデルはよく見ることあれど、普段はあまりじっくりまでは気にならないタイプ。
しかし、フェラーリであればクラシックモデル、あるいはこの手の4シーターは思わず見入ってしまいます。
日比谷の皇居前を駆け抜けるモデルはカッコいい!
実はこの日は芝浦でも見かけ、1日に何台も出会ってしまっただけに、気になって仕方ないのです。
それにしても、何故4シーターモデルが気になってしまうんだろう。
それは、思い切りカッコつけているのにどこか生活感が漂う雰囲気に親近感を覚えるからなのでしょうか。
これをファミリーカーにしてみたい!…なんて。
ランボルギーニカウンタック

このクルマを見てしまうとフェラーリは普通のクルマって感じに思えてしまうインパクトで私の前に現れたのは、何と新宿某所のマクドナルドのドライブスルー!
その大きな羽を付けたスーパーカーは車高が低過ぎて注文したハンバーガーが受け取れない。
ガルウィングを開けて受け取るオーナー氏の姿もまたカウンタックを所有する誇りなのかもしれません。
現代ランボルギーニはとにかく派手に徹していますが、こちらのクラシックは渋さが光るクルマです。
いやいや良いもの見た!
メルセデスベンツスプリンター

正規輸入されているのか不明ながら、時々この手のメルセデスの商用パンを見かけることがあります。
東北道の佐野付近で見たモデルは、よくあるキャンピングカー仕様とは異なる、ベーシックなパネルバン仕様でした。
おそらくH2L2サイズ(ハイルーフ×ロングボディ)と思われる個体は、並んでみるととにかくデカい!
もしかしたらマイピカソだったら中にしまえちゃうのでは?なんて思えるくらいの迫力がありました。
フィアットドブロ

今回のラストは同じくLCV系にて珍しいフルゴネットタイプのイタリアンです。
カングーでもなく、ベルランゴでもない、こんなモデルを選択するオーナーはなんて拘りがあるのでしょう!
このチョイスには脱帽ものです。
しかも決して特別目立つものではなく、さりげなく普段使いしながらも知る人こそ知るという渋さがまたたまらない存在。
護国寺界隈で見つけた時にはひとりで興奮して見入ってしまいました。
ということで、今回の一期一会は終わりです。
また近いうち第16弾にて、街歩きやドライブしながら見つけた気になるクルマを集めて書き綴ってみたいと思います。