ワールドニューカー情報と言う世界の小ネタを集めたページ。
その中で、当時かねてから噂のあったリンカーン・ベルサイユ発表のニュースが載っています。
レポートは米在住のボブ・ホールと言う、MF誌ではお馴染みの人(ボブ・ウォールではない・笑)。
「外観は’76年9月号の
MF誌のスケッチそのものである。私は、最近ベルサイユを運転する機会を持ったが、個人的には好きになれなくとも、たいへん興味のあるクルマであることには違いない。」
「ベルサイユを形容するには、一言でじゅうぶんだ。『ソフト』なのである。シートがソフト、その表面の本革もソフト、乗り心地もソフト、そしてラジオからの音楽もソフト。
アメリカ式ラグジュリーの典型的見本といってよい。」
「予期されたように、
ハンドリングは頼りなく、標準の2バレル気化器つき4950ccV8の走りっぷりも速いとはいえぬ。」
後の文章はは画像の通りですが、この人は米国人でありながら旧態依然とした米車の乗り味に
批判的ですね。いや、少なくとも多種多様なクルマに乗ってアレコレ評価する(出来る)のがジャーナリストですから、自国の進歩しないクルマに対してイライラしていたのかも知れません。
また「たいへん興味のあるクルマであることには違いない」と言うのは、もちろん先にデビューして成功を収めていたキャデラック・セビルの対抗馬としてって意味ですから、期待が必要以上に大きかったのでしょう。
一般的な米国人はベンツにもBMWにも馴れ親しんで無いはずですし、よしんば運転するチャンスがありその操縦安定性などに感激したとしても、ソレを
必要としない人が大多数を占めるがゆえ、やっぱり彼らはシボレーやフォード、あるいはプリムスを選んだのではないでしょうか?
もちろん米国内でもそれら(欧州製高級車)は高価であるというのも理由でしょうが、キャデラック・セビルは年々増えつつあった欧州製高級車のインテリ・ユーザー層をも取り返した訳で、やっぱり彼らは自国の製品に絶大な信頼を寄せていたんだと思うんです。
クルマが一つの文化として醸成されてきた国ゆえに、それがいかに
頼りないハンドリングで、懐古趣味のスタイリングであったとしても異文化車にカブレない・・・極東のどこかの国とは大違いです^^
「そしてラジオからの音楽もソフト」・・・謎ですね~(笑
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書籍 | クルマ
Posted at
2009/09/02 07:17:03