
ピーンと張り詰めた冷たい空気が本格的な冬の訪れを感じさせる12月15日(土)の朝。
アクティトラックでまたまた倉敷市真備町までボランティアに行ってきました。
災害級の暑さの中で豪雨災害に遭い、熱中症と背中合わせの危険な酷暑の中で夢中に片付けをし、動きやすい気候になってきた秋になってからとりあえずの生活再建を慌ただしく頑張ってきた倉敷市真備町の被災者にとって、だんだんと日が短くなる冬にふと立ち止まると、今までの出来事を振り返ってしまい一気に気持ちが沈んでしまいます。
僅かな雨音であの豪雨災害を思い出し、たまに上空でヘリが飛ぶと漆黒の闇の池の中に取り残されたあの夜を思い出してしまうのです。
それでも、被災者に寄り添うボランティアはいつでも倉敷市真備町をサポートしてくれます。
この日は特に被災地をどげんかせんといかん…って立ち上がったボランティアさん達の想いが結集したのか、久しぶりに大勢のボランティアさんが集まってくれました。
12月になり今年1年を振り返るような報道が増え、今年の漢字に「災」が選ばれた事も影響したのかもしれませんね。
朝9時にボランティアセンターにチェックインし、事務所で今日の雰囲気を感じとりながら窓の外を見ると、ボランティアセンターには団体で来られた方たちを中心にたくさんの人が集まってきてました。
程なくしてボランティアさん達がチームを結成し、装備を整えて現場に出発って時になった頃、ボランティアセンターの事務所では作業の現場までボランティアさん達を送るミニバンの運転手を募集していました。
ボラセン「誰かキャラバン乗れる人いませんかー?」
オレ「(*´・∀・)ノ」
やっぱみんカラ的にはキャラバンに乗らないといけないっしょ。
そしていつもの見慣れた日産のインテリジェントキーを預り、キャラバンを探します。
日産 NV350 キャラバンワゴンGX 10人乗り。
R35 GT-Rみたいなフロントバンパーのデザインから予想すると、おそらくバリバリの新車なんでしょう。
エンジンを掛けると2.5リッター4気筒らしいサウンドが室内に鳴り響きます。
さっそくボランティアさん達を乗せて依頼者のお宅まで出発です。
とはいっても私はこういった1BOXの運転はほぼ初めてで、しかも大勢の人を乗せて走るのも初めて(^^;
事故を起こしてはもちろんいけませんし、ボランティアさん達をクルマ酔いさせることなく安全に慎重に、そして快適に目的地まで運転しなくてはいけません。
そんなシビれる任務ですが、自分の運転スキルを総動員してキャラバンを走らせてみますと、まーとても乗りやすいこと♪
とりあえずまだキャラバンに慣れてないので、大人数乗せて車両総重量が増しても加速と減速のドライバビリティが確保されるようにと、オートマはDレンジのオーバードライブOFFで走りました。
交差点に差し掛かって左折するためにハンドル直進状態からブレーキを掛けると、オーバードライブをOFFにした効果もあってかとても自然にかつ確実に減速してくれます。
そして交差点を左折するために優し~くステアリングを左に回し、クリップを過ぎてからは優し~くアクセルを入れて、車体を揺らさないように優し~くステアリングをゆっくり戻すと、メチャクチャ思い通りにキャラバンは動いてくれました。
その後はしばらく道なりに真っ直ぐ走りましたが、このオーバードライブOFFのキャラバンの挙動がちょうど良かったので、結局目的地までオーバードライブOFFで走っちゃいました。
現地までの道のりではすれ違いに気を使うくらい狭い道もありましたが、現行ノア/ヴォクシーと同じ縦横の長さと、アクアとほぼ変わらないホイールベースのおかげで、スイスイ♪ヒュイヒュイとボランティアさんを現場へ送ることができました。
最初に10人乗りのキャラバンと聞いた時は、全幅1880mmのハイエースのワイドボディみたいな大柄なボディを思い浮かべましたが、5ナンバーサイズでも10人乗れるキャブオーバー型のワゴンってあるんですね~
ノア/ヴォクシーやアル/ヴェルみたいにオシャレさはないですし、両側スライドドアでもないですが、もし1BOXを買うことになったら私ならこの10人乗りのキャラバンを買ってしまいそうなくらい一目惚れしました♥️
やるじゃん、日産♪
ただ、ボランティアさんを現場まで送った帰りに、どうもなんか空気圧が低いなぁ~って直感が働いて、ガソリンスタンドに寄り道して固定型の空気入れで2.5キロに合わせて補充してみますと、カンカンキンキンって音がだいたい30回ほど鳴り響きました(^-^;
夏からずっと空気を補充する間もないくらい、このキャラバンはボランティアでフル活用してたんですね~
ボランティアセンターにある他の車両も心配になってきちゃいます。
さて、一通りボランティアさんをキャラバンで現地に派遣した後は、15時にキャラバンで迎えに行くまでフリーなのですが、じっとしていられない私は他のボランティアさんと一緒に片付け作業のお手伝いに行って来ました。
この日お邪魔したお宅はとても立派な和風建築のお家で、1階は既にガラーンとしていました。
そしてその1階にはたくさんの家電品やソファー、お布団に着替えなどの生活用品が山積みにされていて、今回の以来はこれら全てを廃棄する仕事でした。
さっそく私もこの生活用品たちを手に取り、可燃物とそうでない物、金属類、家電品などに分別しながらトラックへの積み込みを手伝いました。
いろいろ運び出し作業を黙々と続けていると、お家の2階からまだまだいっぱい荷物が降りてきます。
とても立派なお皿にキラキラ輝くグラス、もはや作品とも言っていいくらいの美しい陶器など、廃棄するのをためらうくらいの品物ばかり。
もちろん7月の豪雨災害では泥水に浸かっていません。
…………あぁ・・
家を解体するということをこういうことなんですね(ノД`)
そんなしみじみ物思いに更ける暇もないくらい、まだまだ2階から荷物が降りてきます。
……手書きで何やら記されているカセットテープ。
……たくさんの賞状。
高級そうな碁盤や碁石……
作業する手を止めてしまうと、素敵な調度品ばかりで棄てるのが惜しくなってしまうので、歯をくいしばりながら作業する手を止めないよう夢中でがんばりました。
時間はあっという間に流れ、そろそろボランティアさんをお迎えにいかなければなりません。
一旦ボランティアセンターに帰投すると、暖かいプレハブの事務所の中には何やらいい香りが充満してて、ご近所のおばちゃんたちが岡山県の郷土料理でお馴染みの鮒飯(ふなめし)の差し入れをしてくれました。
ワタシはあまり川魚を好んで食べないので、鮒飯を前にして顔にたくさんの縦線を作りながら少しドン引きしていると……、
おばちゃん「○○の公民館で炊き出しした余りなのよ、食べてごらん。」
オレ「ア……アハァ…………」
(そしてもうおばちゃんの手にはオレの分の鮒飯が用意されています)
(拾い物の画像ですがこんな感じでした。)
オレ「じゃ……じゃあいただきます(^^;」
人生初の鮒飯。
ジョーリジョーリとしたフナのすり身の食感は、おばちゃん達がしっかりと愛情込めてすり鉢でフナをすり潰したおかげなのか、川魚が苦手な私でもどうにか頑張って食べれそうな味で(失礼)、家庭料理らしい優しいお出汁がしみた野菜と一緒に口の中に入れるとケッコー美味しかったです。
んで、僕がムシャムシャと鮒飯を食べていると、後から事務所に入ってきたボランティアさんも鮒飯をごちそうになってました。
ボランティア「これ美味しいねー♪出汁は何から取ってるん?」
おばちゃん「出汁はフナから取ってるんよ♪美味しいじゃろ~」
オレ「……(;゚;ж;゚;)ブブォォォォ」
思わず噴きそうになった鮒飯を最後まで飲み込み、フナの後味をコーヒーで中和させた後は、再びキャラバンに乗り込みボランティアさんを迎えに行きました。
前代未聞の大災害から5ヶ月半……
被災地となった倉敷市真備町にもお正月がまもなく訪れます。
私は直接被災した訳ではないですが、2018年の後半をほぼ倉敷市真備町の復旧のために尽くしました。
そんな私の今の気持ちは、まだまだまだまだ2018年が終わって欲しくない……
そんな気分です。
みんカラされてる方はご自分の愛車の車検のインターバルで自然と2年間という時間の短さを感じておられると思いますが、仮設住宅の入居期限の2年間も同じです。
あっという間に被災者は仮設住宅から追い出されます。
残された時間は刻一刻と減っているのです。
とは言っても私には、ユニコーンガンダムのように時間を巻き戻す能力はないので、また来年もコツコツとボランティアで頑張っていこうと思います。