シロッコが納車されてほぼ1ヶ月経ちました。
まだまだ何がどこまで替えられているのか個体調査はしきれてはいませんが、実際乗ってみたインプレです。(過去に自分が乗っていた32GT-R、FD、35クーペが比較対象なので、かなり偏った内容という点はご了承ください)
まずFF+ターボというジャンル自体、シロッコが初なので、速いFF車にちゃんと乗った事がありません。
速いFFというと、かつてクルマ仲間の友人が短期間所有していたミラージュサイボーグRをちょっとだけ試乗した事があるくらいなものです。(恥ずかしながら、シビックタイプRとか、激っ速のFF車は一度も乗った経験がありません)
で、MIVECエンジン搭載のサイボーグRを試乗した時の薄~い記憶を掘り起こし、シロッコと比較すると、昔のFF車にありがちな挙動がまったくないと感じます。
納車当日の夜、自分が昔からテストコースにしている東京西部と埼玉県の境あたりにあるワインディングを”それなりのペース”で走ってみましたが、タイトコーナーに差し掛かった時にFF車ならではの”アクセルオフでタックイン”を試してみました。
友人の乗っていたサイボーグRで同じ事を試した時は「ヤベッ!ぶつける!」と怖いぐらいスッカーンと、イン側に向きを変えたように思います。
しかしシロッコのコーナリングは非常にマイルドで”これぞザ・オンザレール”という感じ。おそらくXDSが効いていることが一番大きな要因だと思います。
市街地の空いた幹線道路を流している時はFDを乗っていた時の記憶と比較しても、遜色ない軽快感がある乗り心地です。
DCCをコンフォートモードにしていても、アクセルを踏み込めばそれなりに加速してくれるので、もたつく感じはまったくありません。ついFFだという事をすっかり忘れてしまうほどです。でもキックダウンするタイミングが早すぎて少し違和感を感じました。
多分国産車しか乗った事がないから?だと思います。
初めて「これはシロッコ特有か?」と思われる印象を受けたのは、意外にも高速道路でした。
試しに高速道路を”ちょっと人には言えないスピード”で走ってみた時にFDに似たナーバスな感じというか、落ち着きの無さを感じました。
恐らくFF+短いホイールベース+軽量という、自分にはあまり経験の無いクルマの特性から、そう感じさせられたのではないかと思います。
FDの場合は前後重量配分が50:50で二人乗車だから若干フロントヘビーな状況。
さらに登坂車線があるくらいの登り坂なので、嫌でもリアに荷重が掛かる。
交通量の多い高速道路なので、各車線を隔てる轍はまぁまぁの高さ。
そんな状況下で登坂車線以外の3車線を縫って走るような下品な走り方をする方が悪いんだと思いますが、飛ばして走る時にはそれなりにステアリングの手ごたえには常に気をつかっていました。
今回シロッコで飛ばした時は勾配の無い平坦な高速道路でしたが、コンフォートモードなのに、なんだか少し落ち着きが無い印象。
ステアリングにジャダーが出てたわけでもなく、リアからの不快なジャダーも無かったので、アライメントが狂っている事は無いと思います。
しかし、とにかくあまり心地よくない落ち着きの無さを感じました。
歴代の愛車の中で最もホイールベースが短いのはFDの2,425mm。シロッコは2番目。最も車重が軽いのもFDで1,280kg。やはりシロッコは2番目に軽い1,360kg。ちなみに自分が乗っていた32Rは前期型だったので、32Rの中でも一番軽い1,360kg。シロッコと同じ車両重量ですが、高速をそれなりの速度で飛ばすと、常時アテーサが多少効くので、安定感があり不安や不快感はありませんでした。
逆に一番車両重量が重い35クーペ(1,530kg)はホイールベースも2,850mm。
おまけに当時の日産は空力にかなり注力していたので、車体下側を流れる気流を制御する”ゼロリフト”の効果は絶大でした。
どんだけ飛ばしても不快感を一切感じさせられることはなく、片道600kmの往復1,200kmを一日でこなしても全く疲れ知らずだった事をよく覚えています。
まぁこの2車種とシロッコを比べる事自体がそもそも間違いだと思いますが、自分の勝手な思い込みで”外車=超ぶっ飛ばしても安定感抜群で安心という勝手なイメージ”がつきまとっていたので、この点は若干期待ハズレ感があります(苦笑)
シロッコの悪口ばかりだと何なので、自分が一番関心した点はというと”ロール感の少なさ”には驚かされました。
もともと低重心なので、あまりロールしないクルマだとは思いますが、大きなコーナーを速度を上げながら旋回していってもDCCとXDSの効果で挙動が乱れず、安定感抜群だと思います。
32Rで足をオーリンズのDF-Vに替えた時も抜群の安定感を感じた記憶がありますが、アクセルを踏み込んで、パワーが乗るとアテーサの制御も一瞬遅れるので、挙動が乱れる場面がしばしば。デフはノーマルのデフにシムプレート増しでイニシャルも高めにしてありましたが、ネオバ(AD07)でも峠の荒れた路面ではグリップが追い付かない。
その結果、挙動が乱れても良いようなパワーに任せて振り回す運転スタイルでした。(といっても下手くそなので、スクランブルが掛かって大暴れすると、いつもヤバいことになっていましたw)
シロッコにはそんな下品な走り方ををする必要が無い上品さが際立った印象を受けます。
発売当初のカーマガジン等のインプレでは『2.0TSIよりも1.4の方が軽快感がある。シロッコはこうあるべき』と有名なモータージャーナリストの先生方のウケが良かったようですが、その反面2.0の方が安定感はあるという書き方もされていて、その安定感の源はDCCが大きく貢献しているからだろうという内容です。
実際、自分も電子制御のダンパーとかデフが付いたクルマに乗るのはこれが初めてですが、この上品な旋回性能の高さはこのハイテクの恩恵からくるものだと思います。
最後に使い勝手の面。
先日、32R時代からお世話になっているショップに久しぶりに顔を出して”買っちゃったよ報告”をしてきた際、ガタイのよい常連の顔なじみ客と、小柄なショップ店長を乗せて近所まで昼ご飯にいった時の話。
『へぇ~後ろに乗ってもそんなに窮屈感がないんだねぇ~。オレの身長(約180㎝)でもアタマがあまり気にならないよ』と話していました。
ショップの店長も『VWの新しいクルマって感じがするね~!昔のVWとは大違いだ』との事。どんだけ昔のクルマと比べてその言葉が出たのかはわかりませんが、2011年なのでそんなにいうほど新しくはないと思います(苦笑)
唯一上がったシロッコのクレームは一番最初に後ろに乗った娘からでした。
『お父さん、このクルマドリンクホルダーが無いよ。アタシは(ドリンクホルダーのある)エルグランドの方が好きだな~』
だとか(苦笑)
近いうちにゴルフ純正のリアトレイ型のドリンクホルダーを付けようと思います。
Posted at 2019/10/30 21:41:37 | |
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