(以下はかなりの長文なので、相当お暇な方だけどうぞ)
去年の車検からほぼ1年近くオイル無交換。(←クルマに対しての愛がない…)
しかしこの間の走行距離は900㎞くらい。(ほとんど走ってない)
オイル交換はいつもであれば、32R時代からお世話になっているショップで交換作業をお願いするところですが、またMOTUL 300Vを僅か1,000㎞足らずで交換するのはあまりにも勿体ない。というかあまりにも贅沢過ぎる使い方です。
また昔から”自分で乗るクルマは、最低一回は自分でオイル交換作業をする”のが自分の流儀でして、シロッコはまだ一回も自分で交換した事がありません。
ならば、今回はエレメントの交換もしなければならないし、全部自分で交換してみることにしました。
オイルはカストロール EDGE 5W-40の5Lセット。
(プライム配送対応で一番、価格が安かっただけ)
エレメントはMANNフィルターの純正互換品。
どうせエレメントを交換するならエンジン内部を洗浄してくれるWAKO'Sの速効性エンジン内部洗浄剤(EF)も施してあげようと思います。
全てネットで調達。総額で1万ちょい。
いつものMOTUL 300Vだったら4.5Lのオイル代にも満たない金額です。
非常にお財布に優しい。
VW純正オイル粘度は0W-30ですが、これから夏場を迎えて暑くなるし、たまにエンジンを高回転までブン回すことがあるので、安全マージンを考慮して気持ち硬めを選択。その分、燃費は多少悪くなるけど、粘度が高い方がトルクが乗る様なフィーリングがします。
しかしこれは間違いなく自分の気のせいなハズなんです。
本来は粘度が高い方がエンジンのパワーロス=フリクションロスが高くなるので、自分の受ける感じ方は真逆。
そういえば、昔クルマ仲間でこんな議論を夜な夜なファミレスに集まってしていたのを思い出しました。
自分は昔から『オイルとライトのバルブは嗜好品』が持論です。
(身分不相応な贅沢ですが)基本的に100%化学合成油しか使わない。
理由は部分合成油だと酸化(劣化)するスピードが早く、エンジンの中が汚れるのが早いような気がする。(これも多分、間違いなくただの偏見)
でも、今回使用するEDGEには見慣れぬ『全合成油』の表記。
「全合成ってナニよ?100%化学合成じゃないの?
昔はこんな種類のオイルって無かったよね?」
エルグランドに乗り換えてからというもの、オイル交換も殆どディーラーかショップ任せになっていて、
「オイル?別にスラッジが溜まらなければ何でもいいんじゃない?
あまりにも安すぎる鉱物油はちょっと嫌だけどね」
くらいな感じにしか気をつかっていなかった(苦笑)
そこで、全合成油なるものは100%化学合成と何が違うのか調べてみたら、どうやらベースオイルの生成過程が違う事が多く、全合成油の性能は限りなく100%化学合成油に近く殆ど遜色はないが、厳密な意味では100%化学合成油(100%シンセティック)ではない、部分合成油(らしい)。
そもそも全合成なる分類はカスロールとモービルで一悶着あった結果、2000年あたりに出てきたとか。まったく紛らわしい話です。
当時は『SAE規格 100%化学合成油』の表示を基準にしかオイル選びをしなかったので、自分は全くこの『カストロールvsモービル』の件を知りませんでした。
↑高性能・高コスト=高負荷・スポーツ走行向き
・100%化学合成油
・全合成油
・部分合成油
・鉱物油
↓低コスト=高負荷は苦手なので優しい運転・街乗り向き
とにかく今回はコスト重視なので、全合成油のEDGEで十分という結論。
32Rに乗っている頃は、低速から踏み込んだ時のエンジンの吹け上がり方と、回転数に伴うトルクの盛り上がり方のフィーリングを自分の判断材料としていて、国内有名チューニングパーツメーカーから外国製の有名ブランドまで、さまざまなオイルをとっかえひっかえ、走行3,000㎞超もしくは3か月に1回。最長でも走行5,000㎞もしくは半年までに必ず交換していました。
その結果、自分の好みにベストマッチしていたのが…
1位 オベロン
2位 Mobil F-1(金缶)
3位 MOTUL
の順。
<1位 オベロン>
オベロンはトルクが乗る感じが絶妙。自分の頭の中で描くパワーカーブにピッタリと当てはまる感じ。おまけに熱ダレが少なく、高負荷で連続で回し続けても、他のオイルと比べて油圧がたれにくい。
エンジン内部の洗浄性能もとても優秀で、EgOHをした時に開けててビックリ。カムカバーの内側を始め、コンロッドもクランクシャフトも汚れが綺麗に落ちて、はっきりと素地の銀色が綺麗に見えていました。
だけど、それなりにお高いオイルでした(苦笑)
<2位 Mobil F-1(金缶)>
自分でも意外と高評価だったのはモービルの金缶(←多分、今どきこの呼び方する人ってもうあまりいないんじゃないかな?歳がバレそうですね)。
どこでも売っているので入手しやすいし、当初そんなに期待していなかったのに、オベロンと比較するとトルク感が若干薄くなるけど、一気に高回転までストレス無く吹け上がるフィーリングはオベロン以上に気持ちがイイ。
「ザ・100%シンセティックオイル!はこれだ!」という印象が妙に気に入ってしまい、何度か近所の量販店で交換したのを覚えています。
<3位 MOTUL>
MOTULはオベロンとモービル金缶のちょうど中間くらい印象。
突出したポイントはないけど、かといってダメなところも全くない優等生。
そこそこ気持ちよく回るし、踏んでいった時のトルク感もしっかりある。
32RのRB26よりも、35クーペのVQ35エンジンの方がマッチしていたような気がして、35クーペにはMOTULを多用していました。(オベロンよりも少しだけお安かったかな?)
逆に自分の好みに何一つとして、全く合わなかったのがオメガ。
(もしも愛用の方がいらしたら、ごめんなさい)
交換直後、走り出しの一発目で「うわっ!何コレ…気持ち悪い…」という印象。
高回転までムラなく綺麗に吹けるんだけど、なんとなく軽くエンジンがスカスカと回っているだけで、パワー感というか手ごたえが全くない。なのにコストはオベロンと同価格帯。費用対効果に全く見合っていないと感じて、使ったのはこの一回きり。しかも3,000㎞足らずで、速攻オベロンに戻しました。
さて、話がだいぶ横道へ逸れてしまいましたが、シロッコのオイル交換作業にもどります。
まず一番最初は洗浄剤を投入してアイドリングで10~15分待つのですが、さすがに自宅の駐車スペースでエンジンかけっ放しはご近所さんにご迷惑。
廃油処理パックと、ドレンのパッキンを調達しなければならないので、自宅から5分ほどの大型ホームセンターまで買いに行きがてら、空いている駐車場の隅っこで洗浄剤を投入し、しばし待つこと10分間。ここならあまり迷惑がかからない。
本当は洗浄剤を投入してから走行するのはエンジンに良くないと思いますが、あまり高回転まで回さず、油温をできるだけ上がらないように気を付けて、自宅の駐車スペースに自走で戻ってジャッキアップ&ウマ掛け。
いざ19ミリメガネを片手に車体の下へ潜って、ドレンボルトを見てみると、思わず目が点になりました…。
「はぁ? なにこのドレン?トルクスなんですケド?六角ボルトじゃない?」
しかもそこそこ大きなサイズのトルクスが必要。(T45がT50くらい)
こんなサイズのトルクスレンチなんて、当然持っていません。
下調べではゴルフ6系は普通の六角ボルト(M14×1.5)で留まっていると思っていたのですが、見事に裏切られました…。
今までロアアームバー取り付けや、自作のアルミフロアバーの取り付け作業で、散々車体の下に潜っていたのに、ドレンボルトは全くのノーマーク。
去年の車検時にしたオイル交換も店長の脇で見てたのに、ドレンボルトの形状までは気にも留めていませんでした。
「マヂかぁ…弱った…。もう洗浄剤ブチ込んだし、コレ(シロッコ)でそれなりの距離を走るのはマズイだろなぁ…どうしよう…」
と、途方に暮れ、もう一度ホームセンターまで原付でいくしか無いかと諦めかけていた自分の目の前に、外出していた嫁さんがエルグランドでタイミングよく帰宅。
まさに救世主登場!!
「ちょっとそこのイカしたエルグランドのオネーさん!
工具屋さんまでドライブデートなんていかがかしら??」
と、”お財布(=嫁)”を口説き落として、自宅から少し離れた場所にある、いつのアストロまで急遽、工具調達へ出発。
当初、ドレンボルトのサイズに合ったビットを購入するつもりでしたが、オイル交換用品のコーナーで自分の目に止まったのが、オイルエクストラクター。
「おっとぉ!コレがあればドレンを外さなくて(=ジャッキアップしないで)
交換できるから楽ちんじゃない??こっちにしよう!」
という訳で、お財布(=嫁)をうまく口車に乗せてまんまと説得成功。
フィルターレンチとエクストラクターを買ってもらいました。
(本当は容量5LのハンドルがT字型のエクストラクターが良かったのですが、生憎と在庫が無かったので、4Lのちっこい方にしました)
帰路の途中で嫁さんから『顔がニヤけてますけど…』と刺されるほど、思わぬに収穫にホクホクの笑顔で自宅に戻って作業を再開。
しかし昔からオイル交換は基本的に下抜き派。
エスクトラクターで上から吸い上げると、かなりの量が残ってしまい、オイル交換しきれないという話を聞いていたので、上抜き交換には懐疑的でした。(でも一度は上抜きでやってみたかったのは正直な話)
とりあえず取説を読みながらチューブをゲージの穴へ突っ込んでシュポシュポやってみます。
「おっ!出てきた!出てきた!
お~!ちゃんと抜けてるじゃん!面白れ~!」
チューブを通って吸い上げられるオイルは自分が知っているMOTULの透き通った色とはほど遠い、完全に濁って酷い有様です。たった900㎞しか走ってないオイルの状態ではありません。これはどうやら相当、洗浄剤が効いていると思われます。(逆にエンジンの中にこんなにもスラッジが溜まっていたのだろうか?と心配になったほど)
途中で作業の様子を伺いにきた娘が「面白そう!ちょっと私にもやらせて~!」
超ブサイクづらで記念撮影(苦笑)
一体、どれぐらいの量が抜けるのか確認してみましたが、多分5L近くはあったでしょうか?エキストラクターの容量が4Lなので、1回満タンになったところで廃油処理パックに吸わせ、2回目の吸出しでも1L近くは抜けました。
追加したWAKO'S EFの量が325mlなので、エンジン内部に溜まっていた量をほぼ全部抜き取る事ができたようです。(上抜きではダメという疑念が晴れました)
オイルを抜き取った次は古いエレメントの交換作業です。
しかし今度はエレメントが全く緩まない。
過去の経験上、ちゃんと規定値で締まっていれば、滑り止めのための作業用ゴムグローブを付けて思い切り手で捻れば、緩める事ができるのにピクリともしない。
一応、保険で買っておいたフィルターレンチを使ってみても全く緩みません。
いくら1年無交換だったとしても、こんなに硬くなることは普通あり得ない。
まだエンジンの余熱があるので冷えて固着しているとも思えないし、逆に熱でネジが膨張してクリアランスが無くなり外れない?はたまた汚れが原因で固着している?
とにかくエンジンのジョイントにダメージを与えてしまっては一大事。
レンチに体重を掛けてビクビクしながら力を込めると、ゆっくりと緩み始め、ようやく手で回せて外せたと思ったら…
フィルターのジョイント(パッキンと中心のネジ)がエンジン側に残ってる!!
外れたのはフィルター本体の黒い部分だけ!
またもや想定外の事態が発生。(焦って写真に残すのを忘れてしまいました)
ちなみにコレが外れたフィルター本体です↓
見事に頭がレンチのせいで変形しています…汗
おまけに抜けたオイルがエンジン内部の汚れ具合いを物語っている。
この時点で時刻は17:30。
辺りは夕暮れのため少し薄暗くなっています。
完全に待ったなしの状況。
本来ならば少し冷静になって作業を中断し、翌日に持ち越せば良かったのですが、どうにも自分の精神衛生上よろしくない。
そこで一息つきつつ、今の状況を整理。
フィルターの中心にあるネジは新品のフィルターへ交換してしまえば不要になる部分。
ならばネジの頭の部分をペンチとかで掴んで、外せば良いだけの話。
但し金属粉が出るような事は何があっても避けたい。
ってなわけで、プライヤーで思い切り掴んで、回すと思いのほか簡単に取れました。
後にネットで調べてみると、どうやらエレメント自体がフィルター本体とパッキンの部分が二重ネジの構造になっているため、ゴルフGTIとかVWや、アウディなどの2L系のエンジンでは、パッキンの部分が残ってしまう事は稀にあるらしいです。
廃油を少しだけ新品のエレメントのパッキン部分に塗布してから装着。
フィルターレンチを使って締めると締め込み過ぎてしまうので、手で回して止まったら、少しだけ力を込めて締め込む程度で十分。
交換した新しいエレメント↑漏れもなく完璧に取り付け完了
手前のやたらと目立つ青いホースはブースト計センサーに繋がってるシリコンホースです。
後は新しいオイルを入れるだけ。
既に4L以上抜けているので、躊躇なく4L缶が空っぽになるまで投入。
残りの1L缶はゲージでオイルの量をチェックしながら、ちょっと多め(MAXの目盛りのすぐ下くらいまで)に入れました。
途中で軽くアイドリングさせて新しいオイルをエンジン全体に行き渡らせ、ゲージでオイルの量を最終チェック。
新しいエレメント周辺からのオイル漏れが無いかどうかをしっかりとチェックして、自宅周辺を軽く試走。
自宅へ戻って、再度オイル漏れの有無を確認して、この日の作業は終了。
もうすでに周囲はとっぷりと日が暮れて真っ暗でした。
とは言え無事に終了して良かった。
恐らく過去に自分で行ったオイル交換作業時間の中では最長記録達成。
今までこんなに苦労を強いられた事はありませんでした。
試走の感想はというと、ほぼ1年放置したオイルから新品になったため、エンジンの回りが軽い!軽い!
まるで食用のサラダ油(色もかなり似ている)を投入して、エンジンを回しているような軽い感覚です(苦笑)
でも、この感覚がやっぱりカストロールは自分の好みじゃない…。
以前エルグランドでもマグナテックを使った事がありますが、その時も同じような軽いフィーリングがイマイチ自分好みのじゃなかった。
次はやっぱりMobilあたりにしようかと思っています…。
<今回のオマケ画像> 今年のお花見