誤操作 ⇔ 錯覚 ⇒ パニック

ペダルの誤操作でパニックになつたことはありますか。

　クルマに限らず 「誤操作したことすら一回もない」 と言える人は多くはないと思いますが、クルマのアクセルペダルとブレーキペダルを間違えてことに気付かず、自分はブレーキを踏んでいると錯覚し、ブレーキを床が抜ける位に強く踏んでいるのに、猛然と加速を続けるクルマに恐怖を覚えパニックに（コントロールできない精神状態）を経験した人は少ないと思います。　経験のない人から見れば、 「事故現場まで何故３００ｍもの距離があったのに、その間に気が付いて対処できなかったのか」 と指摘されると思いますが、フル加速であれば僅か１０秒程度の時間。　ブレーキを踏んでいるのにフル加速するクルマへの恐怖と、身を守るために障害物を避けなければならない恐怖、そして自分の死への恐怖が、パニックに陥らせます。　こうなってしまったら何らかの外的条件でクルマが止まらなければ、パニックは解消されない‥、 「運転者は暫く放心したような面持ちでクルマから降りてこれなかった」、 これがパニック後の本当の姿だと思います。

　クルマには異常がなかったこと、レコーダーにもブレーキを踏んでいたという履歴は無かったこと、クルマは正常だったと言う証拠が並んでも、 「私は間違いなくブレーキを踏んでいた」 と言い張る人間心理、醒めない錯覚の怖さを感じます。　 『誤操作⇔錯覚⇒パニック』 事故の多くは、クルマに乗り込んで直に、急いで発進させるという動作が発端になっているように思います。　クルマを動かす前に、一瞬の心理的な余裕を持つことが 『錯覚』 を防止する大切な自分流の事故防止策かなと思っています。