散らない枯葉のブログ一覧

G７広島サミットで変わった流れ。

　昨年までは、脱炭素に向けて日本はトヨタはＥＶ推進に後向き、速くガソリン車全廃を宣言すべきだとさんざん言われ続けていました。　でも最近そんな世界の論調が少し変わってきているように感じています。　ひとつ目の理由として、今年の５月に日本で行われたサミット（気候・環境関係）での日本政府の脱炭素に向けた取り組み状況や、今後の成果をデータ的に各国が管理し合うと言う方向性を打ち出せたことにあるように思っています。　タイトル画像は国内のＣＯ２排出割合を示していますが、運輸の排出割合は１８.６%であること、別の資料では自家用乗用車分は８.４%程度と読み取れます。　ＥＶ推進は必要だが、効果を上げるには全方位の低減策がより必要と世界に理解させたのは大きかったと思います。


　サミットでのもう一つの成果は、各国が上の図のような脱炭素の取組み進捗度をパリ協定時（２０１３年）に遡って毎年提示し、データ的に各国の達成状況を確認し合うと申し合わせた事だと思います。　現時点で２０５０年のカーボンニュートラルに向けて着実に進めれているのは、世界で日本だけと言う現実を示したことで、日本は脱炭素の取組みが遅れているとか、その手段であるクルマの脱炭素化が遅れていると非難する声はこれを機に随分と弱くなったように思います。

円高傾向と値上げに売行き低下。

　２０２３年度上半期の自動車各社の業績は大変良かった。　輸出産業型の自動車メーカーは対米市場の持ち直しと円安効果で好決算が出ていると言われているが、円安による原材料の値上げ分を、車両価格の値上げで補うことができたのが大きな要因になっていると思います。　トヨタ（含レクサス）以外のブランドは平均的に見れば、車両価格を５%程上げたと思われるが、それが無ければこれほどの営業利益率を計上する事は出来なかったと思われます。　半導体不足等で "作ったら売れる" と言う、ここ数年の新車不足の時代背景が、安易な車両価格値上げに走らせたのではないかと思います。


　トヨタも既存車種の明らかに値上げと言う策は取ってないように見えますが、新型車投入やフルモデルチェンジ時には商品力を向上させ、お客さんが納得できる方法で実質値上げをしていると思います。　新車不足と言われる中でも、新型車投入やフルモデルチェンジを通常ベースで進めてきたトヨタ（含レクサス）と、"作ったら売れる" と言う時代背景に合わせてしまってチャレンジをしなくなった、他ブランドとの差は増々大きくなるような気がします。　今後円高が一気に進み、商品力と価格勝負が当たり前となったら、２０２３年度通期決算では大幅に業績悪化に陥るブランドがでてくるかも知れませんね＜汗＞。

中国製の事には触れていません＜汗＞。

　ホンダのニュースリリースでは、さも現在の販売車種の改良モデルを発売と言う扱いですが、２０２１年１２月のホンダ狭山工場の閉鎖に伴い日本での生産を終えて販売も終了された。　２年の空白期間を経て基本のモデルは２０１３年のままで、中国生産車を日本仕様にリメークした "「オデッセイ（タイトル画像）」を一部改良と称して発売" と言う筋立てとなっています。　中国では２０１４年から生産されているので特に製品品質が中国製だから劣ると言うことは無いと思いますが、大手のホンダがそれを隠すような発表の仕方をしているのは、ちょつと頂けなく思います＜汗＞。


　ホンダとしては販売車種減を何とか喰い止めて、乗用車フルラインナップ体制を維持したいと言う思いを感じますが、ライバル車であっただろうマツダ「ＣＸ-８」は同じ１２月に生産・販売終了が告知されたのは何か、ＳＵＶ全盛の世の中の時代の流れを感じます＜汗＞。　低床型ミニバンとして独自のカテゴリーを築き上げていた「オデッセイ」ですが、来年早々に発売開始される新ジャンヌＳＵＶのトヨタ「クラウンエステート」などが、これからの強力なライバルとなって来るのではないかと思います。　・・そんな思いで上の比較表を作って見ました。

７年振りのフルモデルチェンジ。

　スズキは、７年振りのフルモデルチェンジとなる新型「スイフト」を２３年12月１３日より、発売開始すると発表しました。　デザインは何となくキープコンセブトと思える馴染みやすさを感じます。　ここ数年は年間２万５千台程をコンスタントに売るスズキの乗用車部門の代表的なクルマです、時代性に合わせ新型３気筒エンジンの開発や、マイルドハイブリッド（ＭＨＶ）主体の車種構成となっています、ＭＨＶとの組み合わせで５Ｍ/Ｔ車を設定しているのもスズキのＭ/Ｔ車を大切にしている意気込みを感じます。


　上に競合車と思われる国産コンパクトとの比較表を作って見ました。　スズキの特徴でもある軽い車両重量は、走りや燃費に貢献している物と思われます。　この中で開発年度が近いトヨタ「ヤリス」が、フルモデルチェンジとしては理想的とも言える性能で発表され、車両価格の値上げも無く好評に発売されているので、「スイフト」のライバルを見ながらのフルモデルチェンジは性能・価格設定にかなり苦労したのではないかと思います＜汗＞。　年間販売目標台数は旧モデル並みの３万台としているのは、ライバルとの直接対決よりも、現ユーザーを大切にする堅実な戦略なのかも知れませんね。

日産は受注残を解消、短納期で対応可！。

　自動車メーカーは半導体不足やコロナ禍の影響で新車受注に対して生産が追い付かず大幅な受注残を抱えており、お客さんの希望納期に応えられないと言う、ある意味メーカー側が強気に出れる "売り手市場" になっていたと思われます。 まだまだその状況があまり変わっていないと思っていましたが、日産のウエブカタログに記載されている「各車両の工場出荷時期の目処について」を見てびっくり、日産のメーンの売れ筋とも言えるクルマのお客様えの納期時期は "１～２ヵ月" と、ほぼ受注残ゼロをも示す販売サイドにとっては厳しい表記が並んでいます。


　販売店での受注状況を集計して、翌月の生産計画を立案するのが業界の慣例だと思いますので納期時期は "１～２ヵ月" と言うのは、お客さんにとってはほとんど待たずにクルマが買えると言う状況だと思います。　値引きをしてでも１台でも多く受注を取りたいと言う、昔の販売店の姿に戻り始めているのかも知れません＜汗＞。　受注残に守られた中で安易に行ったメーカーの車両価格アップの影響が、これから販売サイドに重荷として影響が出てくるのは間違いないと思います。　マツダも受注残ほぼ解消済み、ホンダの受注残は後3ヶ月分程度、トヨタは増産しているが表向きは全然受注残が減らない状況が継続、こんな市況からも、今後もトヨタ１強が増々進みそうですね＜汗＞。