
今日は代車のN-ONEで長距離を走ってきたので、そのレポートでも書こうかと。
私にとっては長距離というほどの距離ではないのですが、軽自動車での往復100キロは長距離だよね。
N-ONEと言えばF1エンジニアの開発したエンジンが一番気になる所。
私はF1エンジンと呼んでいますが、F1のエンジニアが設計したと聞けばワクワクしちゃうじゃないですか。
車両グレードはGのFF。NAエンジン。
走行距離は6千キロ程度。
今回は一般道を使用し、1割くらいは自動車専用道路(時速80キロ)を走行しています。
気温16度程度のほとんどドライ路面で4人乗車。
エアコンは常時オートモードですが、気温の関係でほとんど動きませんでした。
追い越しは一度もしていません。
というか軽乗用車のパワーで追い越しなんて出来ない。
残念ながら今回のN-ONEには安物のスタッドレスタイヤが装着されているので本来の性能は発揮できていないのでしょうが、安物タイヤに文句を言うよりもディーラーのリスク管理能力の高さを評価しましょう。
雪が降っても「まだサマータイヤで大丈夫」と謎の主張をする人間の多い新潟では、目を見張るレベルのリスク管理能力の高さです。
…そろそろ走りのレポートを。
走り出しはCVTのおかげでスムーズ。
スルスルと時速60キロへ到達します。
当然絶対的なパワーは無いので俊敏な加速とは無縁で、一度スピードが落ちれば復帰に時間がかかります。
でも今まで乗った軽自動車と大差無いので、比較して非力という印象は受けません。
坂道でもCVTのお陰で減速は最小限で、力強くはないものの非力さを感じる場面はほとんどありませんでした。
やっぱりパワーのないクルマにはギヤ式ATよりもCVTが適していると感じますね。
ギヤ式AT特有の、ギヤチェンジ時に発生する空走感が無いというのは非常に大きいです。
エンジンノイズは軽自動車なりといった所で、フラットな路面では非常に静かですが上り坂などでは多少うなります。
ホンダエンジンなので不快なノイズではないと言うかむしろ聞きたい種類のノイズで、山道などを走っていると「MT欲しいな」と思うほど良いエンジンですね。
流石、F1エンジン。
乗り心地は非常にフラット。
サスペンションがきちんと仕事をしている感じで、軽乗用車にありがちな「ドン!」とか「ダン!」という強いショックを感じることは一度もありませんでした。
直進安定性も良好で、ビシッと真っ直ぐ走る程ではないですがハンドル修正は少ない。
自動車専用道路で80Km/hで走っていても変わらずまっすぐ走り、乗り心地もよく、そこには軽乗用車だからという言い訳は全く感じられません。
もしかして高速道路の長距離走行も大丈夫なのではなかろうか。
ハンドリングは初期レスポンスが悪いのですが切ったとおりに動き、とても素直なステアリング特性。
カーブを曲がるときの微調整なども、中々イイ感触。
しかしトールワゴンの宿命か安物タイヤの悪影響か、コーナリングは苦手。
ロールが大きく、タイヤのグリップもないのでズルズルと外に膨らんでいきます。
同乗者を不快にしないように走るにはずいぶんと減速しなければ曲がれないので、攻めて走ろうと考えずにスムーズな走りに徹しなければいけません。
そもそもコーナリングを期待するクルマではないのだけれど、恐らく15インチタイヤを装着したグレードなら不満は少ないのかもしれない。
15インチホイールでは加速に不満が出そうですが。
乗っていて一番気になったのは、ブレーキの効きです。
最近の軽乗用車は回生充電によってブレーキアシストをしていますが、それが無いN-ONEは非常にブレーキが効かない。
その上ブレーキコントロールも悪い。
エンジンブレーキを使おうにもN-ONEには前進ギヤポジション(CVTの場合は何と言うんだ?)はDレンジとLレンジしか無いので、エンジンブレーキがギクシャクして非常に使いにくいのです。
フリードにはDレンジとLレンジの間にSレンジがあるおかげでエンジンブレーキが使いやすいので、N-ONEにもSレンジを搭載して欲しい。
これだけでずいぶんとブレーキの印象が変わります。
欲を言えば14インチとかのホイールいっぱいの強力なブレーキを搭載して欲しい。
停車時は完全停車してから少し時間が経ってからアイドルストップするのですが、その間Dレンジの押し出しに踏ん張らなければいけない。
結局アイドルストップよりもNレンジが楽なので、アイドルストップはほとんど使いませんでした。
停車前アイドルストップ搭載車を運転した事がありますが、アレは燃費だけじゃなくてドライバビリティにも貢献していたのですね。
またアイドルストップ復帰には完全にブレーキペダルを離さなければいけないので、俊敏にゼロ発進したい場合などはD→N→Dという操作をしてエンジンを事前に始動しなくてはいけない。
オートマなのに人間が積極的に操作しなければいけないってどうなのよ?
スバルのように、ブレーキペダルを少し戻すとエンジン再始動という操作なら非常に使いやすいのですが。
気になる燃費ですが、エコ走行だとか一切気にせずガンガン踏んで走って97.0Km/3.75L = 25.86Km/L。
ちゃんと行きと帰りで同じエネオススタンドで給油してます。
「何かの冗談だろ」と思いましたが、カタログ燃費が28.4Km/Lなのでありえない数字じゃないんですね…。
燃費には軽量化が効くという事か。
規格外の低粘度オイル「ウルトラネクスト」も、一役買っていることは間違い無いでしょう。
ちなみに出発前の給油は15.8Km/L。
日常使用ではこのくらい走るのでしょう。
また軽乗用車で4人乗車、常時オートエアコンで110キロも走ればさぞかし疲れると思いましたが、全然疲れていません。
N-ONEに乗っていてスペックの低さは感じるものの、ドライバビリティの不満はブレーキ以外にはほとんどありませんでした。
クルマを運転しての疲労は、いかにクルマがハイスペックかではなく、いかにクルマがドライバーの思い通りに動くかによって左右されるという事なのでしょうね。
そういう意味では、N-ONEもハイスペックなクルマと言えそうです。
何より、ボディが小さいので今まで3ナンバーの巨体を持つインプレッサでは行く事を躊躇していた道にも遠慮なく入って行けますし、スレ違いも気を使わなくてイイ。
ちょっと出ようと思っても気軽に乗れるし、やっぱり軽乗用車は楽しくて楽ですね。