
ずいぶん前の話になりますが、2月の11日に、話題のゴルフGT TSIに試乗してきました。ディーラーさんでの試乗なので、市街地での限られた距離での試乗となりましたが、感想を書かせていただきたいと思います。
まず、普通に乗り込み、エンジンをかけます。DSGですが、普通のATと同じように、シフトレバーをDレンジに入れブレーキを離すと、ごく自然にクリープして、進み始めました。駐車場から左折で出るときに、ワイパーとウインカーレバーを間違えたのは、ご愛嬌。相変わらず右ハンドルでも、ウインカーは左側なんですね。1つ目の信号まで50メートルぐらい、普通にじわっと発進しました。このところMT車ばっかり乗っていたので、エンストを恐れて、発進直後のごく低回転域は少し多めにアクセルを踏んでいたのですが、この車は1000回転ちょっとぐらいのごく低速域でもスーパーチャージャーの恩恵ですごくトルクがあり、思いボディをもろともせず、すっと加速しました。メーターパネル内に控えめなブーストメーターがついているのですが、ちょっとアクセルを踏んだだけで、真ん中ぐらいまで針は跳ね上がります。すぐに信号で停車しましがた、ブレーキフィールは現代の車ではこれぐらいが平均点なのかもしれないですが、よくとまります。
信号から先は、少しばかり加速を試せました。3割ぐらいアクセルを踏み込むと、すっと発進して、気がつくと心地よいターボのタービン音を発しながら、とても軽々と加速していきました。ワーゲンは、1.4lのエンジンで2.4l並みの性能を出したといっていましたが、僕はむしろ、小排気量ターボエンジンで、なぜか低速域のターボラグがないエンジンという印象を持ちました。大排気量エンジンはトルクはありますが、やはりエンジン内部部品の慣性マスが大きく、いろいろなパーツがすごくがんばって回っているという感じ(言い換えれば、濃密感)があり、マイルドな印象を持つことが多いですが、このエンジンは、回転の上がりやアクセルに対するツキのよさは小排気量エンジンのすばやいレスポンスをそのままに、パワーが足りない分はターボで補い、ターボがかからない部分はスーパーチャージャーで補っていると思います。2リットルのNAのGTに乗ったときは、かなりマイルドな感じでしたが、GT TSIはとてもきびきびした印象を持ちます。また、DSGは変速ショックが少ないのもすごいですが、それより、トルコン型ATだと、ガバッとアクセルを踏み込まれたときに、トルクが増幅されてぐっとおなかに来る加速感があり、車酔いの原因になったりもします。DSGはトルクを増幅しないので、まるで運転が上手な人のMTのように、すっと車が動きます。パドルシフトも、普通にDレンジで走っているときにいきなり操作して良いので、普通に走っていて、ちょっとシフトを落としたいときにちょいちょいと落とせて、非常に便利です。パドルシフトでシフトダウンした後は、自動で通常のシフトパターンに戻ってくれるので、気がつかないうちに普通のシフトに戻ります。途中、きつい坂道発進をする場所があったのですが、どうやら何らかのスタートアシストがついているようで、発進する瞬間ぐっと何かが車を支えていたので、上り坂でも車が下がることはなさそうです。カタログ燃費は14キロで、実用燃費でもリッター10キロ超えてきそうなので、これだけ走ってそれだけ小食なら、文句なしです。しかも、ロードスターより小排気量で、自動車税も1500以下で安いですし、ゴルフ1以上のユーティリティーと、ロードスター以上の低燃費を実現できそうなので、車の出来は、すごいなあと思います。
外見は、GTIはグリルが黒で、なかなかワイルドな印象で、「羊の皮をかぶった狼」的な感じはあまりしません。GT TSIはグリルもボディ同色で、さりげなくGTのバッジがついているだけなので、これなら、周りから「妙に速いフツーのゴルフだな。」という感じで見られて、僕ならちょっと良い気分になれそうです。
ちなみに、サーキットトライアルを戦う僕としては、パワーウェイトレシオが気になるところです。何も改造しなければ、別のクラスなのですが、パワーウェイトレシオは8キログラム/PS台なので、足回り手を入れられてサートラに参戦されると、かなりの強敵になると思います。
Posted at 2007/03/09 22:42:10 | |
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