
BEVのZE1リーフを通勤で運用し始めて約1年経過しました。
冬を乗り切ってみた実感として、思っていたほど冬場の電費悪化(=航続距離低下)は大きくないなと感じました。
そこで、ここ数年で通勤車として乗ってきた3車種(NA6ロードスター、GP5フィットハイブリッド、ZE1リーフ)のデータを引っ張り出し、月別の燃費・電費の変動を指数化して検証してみることにしました。
ガソリンと電気の変動幅を比較するため、年間平均値を100%とした各月の対年間平均値(%)の変動幅(最良月と最悪月の差)を比較すると…。
・GP5フィット:約25%
・ZE1リーフ:約10%
・NA6ロードスター:約10%
となり、BEVリーフよりむしろHEVのフィットの方が変動幅が大きいという結果になりました。
それぞれの車を通勤に使っていた時期なので、走行の80%以上は通勤です。
冷暖房はかなりケチった状態で冬はリーフは18℃のオート+シートヒーター、フィットも20℃くらいのオート設定+電熱ベスト着用です。ロードスターは温度調整を最高温度にして風量1+電熱ベスト着用で走っていました。室内は寒いのでジャケットを着たまま運転しています。
クーラーは26~28℃くらいでオート設定、ロードスターは一番低温の温度調整で風量1での運転です。田舎道の朝一か夜間なので暑さはこれでも全然大丈夫です。
また、3車種ともスタッドレスタイヤのひどい消耗を押さえるため、冬タイヤの通勤時は夏タイヤの時よりもコーナリング速度を落とし、減速および旋回Gの発生を緩やかに運転しています。
また、比較データは2023年から直近までの間に得られたデータで、同時に走らせたわけではないため厳密な同一環境下(気温や天候)での比較ではありません。
走行の80%以上は同じ通勤経路が占めていますが、通勤以外にも車を使用しており、バラつきがあることはご容赦ください。
また通勤ペースも車両の動力性能に依存し、リーフ≒ロードスターよりフィットの方が遅いです。
とは言え、検証全体で100データ程度は使用しており、大きなな傾向を捉えるための比較データとしては機能すると考えています。
グラフを見る限り、ハイブリッドのGP5フィットが燃費の季節変動が最も大きく最良月と最悪月の差は約25%に達しています。ZE1リーフとNA6ロードスターは約10%と変動幅は半分未満に収まっています。よくBEVのリーフは冬場の電費悪化が大きいと言われますが、私の条件ではむしろHEVのフィットハイブリッドの方が落ち込みが大きい結果となりました。
フィットハイブリッドは暖房をかけるとアイドリングストップの頻度が大きく下がり、燃費ボーナスとなるEV走行比率が大きく低下するため、燃費への影響が大きいのだと思います。また、内燃機関エンジンの都合上、夏でも冬でも水温を80℃くらいまで上げる必要があり、夏場は元々の水温が30℃くらいから80℃に上げるだけで済みますが、冬場はほぼ0℃の氷水を80℃まで上げる必要があり、毎日朝晩2回、お湯を沸かして捨てなければいけない分のエネルギーもかなりのロスだと思われます。電動コンプレッサーで電力消費が大きくなる夏場のフィットの落ち込みが冬より相当小さいのは、この冷却損失が楽になる分で相殺している部分もあると思います。
リーフの電費の落ち込みが冬場に小さかった理由は、おそらく上記の内燃機関特有の冷却損失がBEVには無いことが効いていると思われます。しかしながら暖房の温度設定を25℃などの一般的な温度に上げていた場合、致命的に電気を食うPTCヒーター(何と出力5kW!。計算上は満充電状態から12時間程度で駆動用バッテリーを使い切るレベルの消費電力汗)の作動が大幅に増え、世間でよく言われるように大幅な電費の悪化が起こったものと思われます。リーフの暖房時の電費節約では、いかにPTCヒーターの作動時間を短くしてヒートポンプエアコンに早く切り替えさせるかに相当大きく依存する気がします。
事実、日産のテレマティクスサービス(Nissan Connect)の電費ランキングにおいて、私のリーフは冬場だけ「プラチナ(上位)」など非常に高い順位になりますが、それ以外の季節は「シルバー(標準値)」に留まります。この結果が物語るように、世の中の一般的なリーフオーナーはもっと暖房をしっかり使っており、それゆえに市場全体では「BEVは冬に電費が落ちる」という通説が形成されているのだろうと考えられます。
リーフの夏場の電費低下の小ささの裏には、ZE1リーフの空冷式バッテリーの温度が夏場は上がって内部抵抗が小さくなり、活性化されることで相殺される部分も貢献していると思います。過去最高電費を目指してアタックする際、明らかにバッテリー温度が高い時の方が有利な傾向がありました。リチウムイオン電池は温度が上がるほど内部抵抗が小さくなりますが、45℃くらいで深刻なダメージがあるという厄介な特性がありますね。日産ではZE1は最後の空冷バッテリーで、アリア、サクラなどは水冷式バッテリー温調システムを備えるため、季節変動はより抑制される方向だと思います。
意外にも季節変動が少なかったNA6ロードスターですが、こちらはそもそも現代の車に比べて燃焼・機械効率が低く、直接の熱及び摩擦熱として捨てている分がもともと多く相対的に空調に消費されるエネルギーの割合が小さい為、春秋の燃費が良くなるはずの季節の燃費があまり良くならないことで年間変動が小さくなっていると思われます。夏より冬の方が落ち込みが大きいのは、フィット同様内燃機関の冷却損失の影響でしょう。
GP5フィットハイブリッドは変動幅が大きいとはいえ、悪い時期でも800km近い航続距離があるのに対し、リーフは良い条件でも380km程度しかなく充電に時間がかかるため、ユーザーが電費に敏感になることは理解できます。ハイブリッドで強く暖房をかけたとしてもおそらく500km程度の航続距離は確保できるでしょうし、絶対値が大きい分航続距離低下はハイブリッドの方が気になりにくいのでしょう。行先で必ず充電できるような環境になるまでは、EVはできれば途中で充電しなくても済むような距離+自宅充電など充電による待ち時間が発生しない運用方法が適しているように思います。
BEVリーフの冬場の電費低下は乗り方次第ではかなり緩和できることが分かりました。ただし今回の結果は、私が暖房をかなり控えめに使用した条件で得られたものです。暖房を積極的に使用する場合は、リーフの季節変動はもっと大きくなる可能性が高いですね。
Posted at 2026/06/27 22:23:38 | |
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