
さて、香港へとロレックスを買いに行くことに。
ことの発端は「現在、香港はデモにて客足が遠のいており、ロレックスの在庫が比較的豊富にある」「在庫を売りさばかなくてはならないため、値下げ交渉に応じてくれる」という話を聞いたため。
結論から言うと、これはある意味では「イエス」でもあり、またある意味では「ノー」。
ここでその成り行きを述べてみたいと思います。
まず、関空免税店ではロレックススポーツモデルの在庫「ナシ」。
ちょっと前まではエクスプローラーII、ヨットマスターIIあたりだと在庫があったものですが、ここ最近はまったくスポーツモデルの在庫がなく、置いてあるのはドレス系ばかりという状況です。
ただ、関空は当然ながら香港のデモとは無関係なので、在庫がないのは当然と言えば当然。
そのまま機上の人となり、一路香港へと向かいます。
そして香港は昔から「腕時計天国」。
香港で開催される腕時計見本市の規模はもはやバーゼルを超えたとも言われ、道を歩けばロレックス、オーデマピゲ、パネライ、バシュロン・コンスタンタン、IWC、ウブロといったメジャー腕時計メゾンの路面店が並びます。
正直、「香港だけで腕時計の在庫総額はどれだけあるんだろうな・・・」と思わせられますが、現実的には「ロレックスの在庫本数だと、日本が世界一」という話も。
ロレックスに関してはOriental Watch Group、HongKong SAR、CTS Watch、Emperor Watch、YES AND RIGHT、Chow Sang Jewelleyほか多数の会社が正規代理権を持っており、店舗としては銅羅湾、中環、チムサアチョイ、ジョーダンあたりに集中しています。
よってそこらを中心にまずは訪問してみることに。
まず店頭を訪問して気づくのは、「置いてあるのが宝飾系ロレックスばかり」。
日本では見たことがないような「宝石が多数埋め込まれた」デイトジャスト系がやたら多いということですが、香港では腕時計ショップと同じくらい貴金属/宝石店が多く、よってゴールド系、そして宝飾系ロレックスが好まれる模様(文字盤全面ダイヤはザラ)。※店のランクを高く見せるために高価な製品を全面に出す傾向はあると思う
しかしながらスポーツモデルに関しては在庫がまったく無く、これは数件回っても同じ状況です。
そこでいくつかの正規店に「スポーツモデルの在庫はないのか」と聞いてみると一部では「在庫はないが予約はできる」とのこと。
ただし予約しても入荷は確約できず、入荷の連絡後、一定期間内に取りに来なければ「他に流れる」とのことなので、現実的に予約にて購入するのはちょっと難しそう(予約を受けないというロレックス正規販売店もあった。この辺りは経営元の方針に依存すると思われる)。
なお、デイトジャストを購入すればスポーツモデルの在庫を回すという「抱き合わせ販売」を暗に提案してくるショップもいくつか存在(バイヤーや大口客を優先しているようで、個人の単品買いを排除したい)。
そんな中、唯一見つかったのが「サブマリーナデイト」。
これは偶然「入荷直後」に居合わせたということになりますが、すでに保有しているために重複して購入する気になれず、そして転売するつもりもないので結局は買わず終い。
要は「正規店では、ほぼロレックスのスポーツモデルの在庫は無い」ということになりますが、香港にも多数いるブローカーが世界中にロレックスを流していますし、日本の有名ロレックス専門店も現地に法人を持っているという状況。
よって「いかなる事情であろうとも香港でだけ在庫が余っている」状況にはなりえず、どれだけ爆買い中国人が減ったといえど、ロレックスのスポーツモデルが余るということはなさそうです。
そして軸足を移したのがロレックスの正規ではなく「並行」で腕時計を扱ったり中古を扱うショップ。
こういったショップは主にジョーダン(九龍)に集中していますが、思ったよりも在庫が少ない状態。
以前はもっとロレックスのスポーツモデルの在庫を(プレミア価格で)販売していたように記憶していますが、店員に事情を聞いてみると、「腕時計全体の在庫がダブついていて、現金が必要なため、真っ先に”換金できる”ロレックスを(ちょっと)値下げして売りさばいている」とのこと。
それでもGMTマスターII、ヨットマスターIIといった「ちょっと出遅れた」モデルの在庫はまだまだ残っていて、これらの価格は店頭にて掲示していないものの、価格を聞いてみると「日本よりは1割くらい(消費税分くらい)安い」、といったところです。※ただし為替によって大きく変わる
これら「正規販売店ではない」ショップについては何軒か回ればデイトナ、GMTマスターII、エクスプローラー、エクスプローラーII、サブマリーナ等を入手することが可能。
ただしプレミア価格となってはいるものの、日本に比較するとまだ安いといったイメージです。
そしてその「差額」で十分旅費が出るくらいなので、買う意思がまとまれば、香港まで飛んでみるのもいいかもしれません。
ちなみに香港国際空港内にはロレックスの巨大な免税店がありますが、ここには日本人客が多数(香港はもともと免税なので、免税店でも街なかのロレックス正規店でも価格は同じ)。
店内では皆が口を揃えて「デイトナ、サブマリーナ、エクスプローラー、GMTマスター」と店員に尋ねている声が聞こえてきますが、その都度「在庫なし」と回答されていて、やはり在庫薄なのは日本と同じ状況なのかもしれません。
ちなみに空港の免税店では、スポーツモデルについてステンレスは全滅、そしてコンビ、ゴールドモデルでも在庫があったのは「ヨットマスターIIのゴールドのみ」。
こういった状況を見るに、今後はゴールドモデル、コンビモデルも手に入らない状況が拡大しそうです(もうロレックスであればなんでもプレミア価格になりそう)。
なお、パテックフィリップではアクアノート、ノーチラスの在庫は皆無。
オーデマピゲもロイヤルオークのオフショアクロノグラフ系、エクストラシンについては在庫なし。
オーデマピゲに限らずですが、希望のモデルが無い場合、「これはどうだ」「こんなのもあるぞ」といった具合にガンガン攻めてくるので、その場合は「うーん」ではなく「いや、希望のモデル以外は興味ないんで」とバッサリ行くしかなさそう。
なお、欲しい腕時計は「リスト化」しておき、それを見せる方が早そうです(そういった対応にお店の方が慣れている、という印象を受けた)。
なお、デモの影響にて香港の訪問客は確実に減っていて、ここ数ヶ月は目に見えて減っている状態(ぼくは年に4〜5回は香港に来ていますが、その変遷が肌感覚でわかるほど)。
ちなみに香港でも日本同様に中国人が「爆買い」をしている(していた)わけですが、その中国人観光客が現在はピーク時の80%程度にまで減っているとされ、たしかに「買いまくったものを入れた巨大スーツケースを引っ張る中国人」「ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチ、エルメスの前にできた長い中国人の入店待ち行列」もほぼ皆無となっています。
加えて、中国国内では対香港感情が悪化しているため、「危険だから香港に行かない」というよりは「香港で金を落として香港を儲けさせたくない」という心情から香港への渡航を控えているようで、こうなるとしばらく中国人が少ない状態が続きそう。
そして、上述のようなブランドは大きな打撃を受けているのは間違いなく、これまでは中国人でごった返していた店内は閑散とし、今までは「中国人への接客に忙しく、とうていこちらの相手をしてくれなかった」店員も手持ち無沙汰で、そして落ちた売り上げをカバーするため来店客にべったり付いて回るという状況となっています。
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