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2020年07月24日

「SUVなのに4WDじゃないクルマって何なの?」論争はもはや無意味?滑らずに走って曲がれって止まれるFFは”仮想4WD”

「SUVなのに4WDじゃないクルマって何なの?」論争はもはや無意味?滑らずに走って曲がれって止まれるFFは”仮想4WD” さて、巷でよく言われるのが「SUVなのになんで4WDじゃないの?」。

SUVとは悪路走破製を高めたクルマであって、そのクルマが4WDじゃないのはおかしい、ということですね。

たしかにそれも一理あって、ぼくも最近まではそう考えていたわけです。そう、最近までは。

ただ、ここ最近、様々なメーカーのいろいろなSUVを、FFそして4WDと比較して試乗する機会があり、そこでぼくは「必ずしもSUVに4WDはいらないんじゃないか」と翻意することになっており、その理由について述べてみたいと思います。


たとえばプジョーは2008、3008、5008といったSUVを発売しており、しかしこれらの駆動方式はFFのみ。※一部モデルはハイブリッド4=4WDが本国でラインアップされている

ただし4WDを採用していないかわりに「アドバンストグリップ・コントロール」なる機能を搭載しています(グレードによる)。

いったいどういった機能なのかというと、空転しそうになる車輪に(4輪独立して)ブレーキをかけてトルクをコントロールするというモノで、駆動輪であるフロントはもちろん、リアタイヤに対しても作動します。

よって、雪道であっても「いずれのタイヤが滑ることなく」前に進むことになり、ここでぼくは思ったわけですね。

4輪のいずれも滑ることなく走るのであれば、これは4WDと一緒なんじゃないか?と。

実際にプジョーはこの機能の有用性を示すためにFFモデルで道無き道を走破するというチャレンジを行っており、その効果は実証済み。

それでもぼくはこういった「滑らずに走るFF」半信半疑で、しかしつい先日、(氷上と同じくらいのミューを再現した)スキッドパッドにて同じモデルのFFと4WDとを試す機会があり、その結果、「優れた車体制御技術があれば、4WDと変わらない」操縦性を持つことを確認することになったのですが、たしかに(上述の通り)「どのタイヤも滑らずに走ったり曲がったり止まったりできるのであれば4WDであろうとFFであろうと同じ」。

リヤタイヤが滑らない制御を行い、そしてフロントタイヤが空転せずに確実に路面にトルクを伝えることができるのであれば、これはもう「バーチャル4WD」と言ってもいいかもしれません。

そして低ミュー路において「滑らない」「ちゃんと走れる」ということが4WDを定義する一つの要件であるとすれば、「滑らないFF」はもう4WDと同義なのかもしれません。

ちなみに、ちょっと前までニュルブルクリンクの市販車最速モデルというと「4WDばかり」であったものの、最近ではポルシェ911GT2RSなど4WD以外の姿も目立つように。

加えてフェラーリ488ピスタ、マクラーレン720SといったMRも(オフィシャルではないものの)優れたラップタイムを記録しており、オンロードにおいても「4WD神話が崩れつつある」傾向があるようです。

ぼく自身、これまでは「悪天候時は4WDでないと」「サーキットを速く走るならミドシップ4WD」という認識を持っていたのですが、最近のクルマ(2WD)の「これまでのセオリーをテクノロジーでひっくり返してしまう」という状況は認めざるを得ない、と考えています。

なお、こういった「テクノロジーによって常識を覆した」例だと過去に日産GT-Rがあり、R32GT-Rだと、それまで長らく王座にあったフォード・シエラRSコスワースを一瞬で退役に追い込み、R35 GT-Rに至っては、より軽くより高い出力を持ち、さらにトラクションに有利なリアエンジンレイアウトを持つポルシェ911ターボよりも速い(ニュルブルクリンクでの)タイムを記録して「テクノロジーがパッケージングのメリットを凌駕した」と言われたほど(当時は相当な議論が巻き起こり、GT-Rの走行動画は再生速度を早送りしているとまで言われた)。

つまり現在のトルクベクタリングは「駆動方式やパッケージングの常識や限界を超えた」トラクション性能を持つに至っていて、「SUVは4WDでないと」とか、「スーパースポーツは4WDでないとタイムが出ない」という常識をひっくり返すだけの走破性もしくは走行性能を持っている、とぼくは考えています。※GT-Rは4WDなので、ちょっと意味合いは異なるものの、優れたトルクベクタリングは常識を超えるという意味で

よって、今は「駆動方式」よりも、「いかに車両を安定させ、駆動輪にトルクを適切に送るか」が重要になっていて、もはや駆動方式のみでクルマを語るのは大きな意味を持たないのかも。

そして、いずれは4WDに頼っている自動車メーカーはが「時代遅れ」となる時が来るのかもしれません。

ただ、FFには技術的な限界も(現時点で)存在し、FFが優れるのは「一定の領域まで」というのもまた事実。

たとえばニュルブルクリンクのラップタイムを見てもわかるとおり、いかに「FF最速」と言えどもホンダ・シビックタイプRのタイムは100位くらいにとどまっておりFRやMR、4WDの敵ではない状態です。

悪路においても、「いかに滑らない」といえど「いずれかのタイヤが浮くような状況」になればFFはもう手も足も出ず、フロントタイヤが駆動力を発揮できない状態になれば「前に進まない」ということに。

さらにはジャンプしながら悪路を走り抜けるのもFFでは無理ですし、滑った時の速度と慣性がスタビリティコントロールの範囲を越えればこれも制御不能。

よって、「一定のところまでは」コストが安く、車体を軽量に、そして室内を広く作れるFFが優れ、しかしエクストリームな状況で走らせるのであれば、それぞれの環境に適した駆動方式やパッケージングに加え、優れたトルクベクタリングをあわせ持つクルマを選ぶしかないと考えると良いのかもしれません(もはやパッケージングだけでは勝てない領域にまで来ている)。

反面、通常走行の範囲だと「FFで十分」ということにもなりますが、最近のトヨタは同一グレードで「FFと4WD」両方を選べるようにしていて、これについては顧客の要望に答えたものだと思われます(やはり4WDの要望はかなり強いという)。

つまり顧客の多くが「FFでは不十分」「4WDは安全」だと認識しているということになりそうで、裏を返せば「トヨタのFFは制御がイマイチ」だと認識しているのかもしれません(もしくは、制御がしっかりしているものの、キャンペーン不足にて消費者がそれを理解できていないのか)。


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