
さて、先日のメルセデス・ベンツGLBに続いてGLAにも試乗。
GLAとGLBとはプラットフォームやパワートレーンをともにしますが、GLBではFFメイン、GLAでは4WD(4MATIC)のみ、そしてGLBは3列シート、GLAは2列シートというパッケージング上の差異があります。※GLBにも「GLB250 4MATIC」というグレードがあるが、これは初回入荷分で終了と言われている
デザイン的なものだとGLBのほうが「長く、背が高く」スクエアでボクシー、GLAはなめらかなデザインを持ちスタイリッシュという印象。
つまりGLBはアウトドアテイスト、GLAはシティ派ということになりますが、なぜメルセデス・ベンツ日本はGLBのディーゼルモデルに4WDを設定しなかったのか、そしてGLAを4WDモデルだけとしたのかは「謎」。※逆であれば納得だった
今回試乗した新型メルセデス・ベンツGLAは2台目へと進化したフルモデルチェンジ版(グレードはGLA200d 4MATIC)。
初代GLAは「ワゴン」という印象が強いシルエットを持っていたものの、新型GLAはワゴンというよりはちょっと背の高い「SUV」という印象へとスイッチしており、GLCやGLEと共通した印象も。
なお、グリルやヘッドライトについてもメルセデス・ベンツのほかラインアップと共通する印象を持ち、ボディパネルも全体的に「段差やエッジを抑えた」、メルセデス・ベンツの採用する最新のデザイン言語”官能的な純粋さ”が貫かれています。
現在展開されているのはGLA200d 4MATICのシングルグレードで、搭載されるエンジンは2リッター直4ディーゼル(150馬力)のみ、トランスミッションは新開発の8速DCT、駆動方式は4WD(4MATIC)、価格は502万円から。※4WDなのに、同じエンジンを積むGLBのFFモデルより10万円安い
新型メルセデス・ベンツGLAは全長4415ミリ、全幅1835ミリ、全高1620ミリというボディサイズを持ち、これは先代GLAと比較して全長で-15ミリ、全幅+30ミリ、全高+115mmという数字ですが、最小回転半径は先代と同じ5.3メートルにとどまっています。
そこでさっそくGLAを運転してみることになりますが、GLB200dとGLA200dに積まれるエンジンは同じ2リッターディーゼルターボ(150PS)。
トランスミッションも同一で、サスペンション形式(フロント:マクファーソンストラット、リア:4リンク)、アダプティブダンパーを採用するところも両者で共通となっています。
ただし車体重量についてはGLB200dは1640kg、GLA 200d 4MATICは1710kgと相違があり、GLA200d 4MATICのほうがコンパクトであるにかかわらず4WD化によって車体重量が50kgプラスされることに。
よってGLAの試乗における直接の比較対象はGLBということになりますが、GLAで走り出しての第一印象は「(GLBに比較して)軽く鋭い」というもの。
車体重量が50kgも重いのになんで?と疑問に感じられ、これはやはり「4WD化によって、メインの前輪が車体を引っ張るのに加えて後輪が車体を前に押し出すから」だと考えられます。
メルセデス・ベンツの採用する4MATICは非常に優秀であり、GLAの場合は前後トルクを100:0〜50:50にまでフレキシブルに変化させることになりますが、実際に運転した印象だと、停止状態からの発進といった「トルクが要求される場面」では後輪への駆動力がやや多めに分配されるようです。
そして走り出すと燃費を稼ぐためにフロント寄りに、そしてカーブを曲がる際にはリアの外側にもトルクが振り分けられるようで(車体をカーブ内側に入れようとする)、GLBに比較するとかなり「鋭く」コンパクトに曲がるといった印象。
GLBの全長は4634ミリ、ホイールベースは2829ミリ、対するGLAの全長は4415ミリ、ホイールベースは2730ミリ(GLBよりも短い)という差はあるものの、この「切り込むような」鋭さはやはりトルクスプリット4WDのなせるワザなのかもしれません。
その意味でも「運転していて楽しい」のはやはりGLAのほうで、同じ車体にエンジン、足回りを持つのにかなり違う性格を持つ模様。
それを考えると、よりコンパクトでホイールベースの短いGLAを4WDのみとしたのは、悪路走破性というよりも「楽しさ」を強調し、そしてGLBをFFメインに設定したのは「運転する楽しさ」よりも「家族で移動する楽しさ」という別の楽しさを強調したかったからなのかもしれないな、と思った次第です。
そして、この楽しさをから推測するに、じき日本でも導入されることになるであろうAMGバージョンについては相当に刺激的なクルマなんだろう、と今から楽しみに思うほど。
なお、GLAに搭載されるディーゼルエンジン(タイプ654)は非常に優秀なパワーユニットで、騒音や振動が非常に小さく、フィーリングもガソリンエンジンに非常に近いもの。
車内からはほぼエンジンノイズを感じることはなく、しかし車外に出てもそれは同じなので、つまり「エンジンそのものの発するノイズが小さい」ということに(アイドリングストップからの復帰時にはちょっとした振動がある)。
坂道などのトルクを擁するシーン、加速するような場面においてもディーゼルエンジンにありがちな「カタカタ」という音がほぼ聞こえず、ガソリンエンジンのように非常にスムーズです。
反面、ちょっと気になったのは「足回り」。
ぼくは先代GLAを購入しようと考えていた時期があり、しかし足回りの固さからそれを断念した(ちょうど椎間板ヘルニアで苦しんでいた時期だったので)ことがあるのですが、しかし先日GLBを試乗した際には「しなやかな足回り」に驚かされ、よって同じ車体を持つGLAについても期待が持てると考えていたものの、実際にGLAに試乗してみると「ちょっと硬いな」と感じることに。
GLAとGLBとは共通の足回りを持っているはずですが、もしかするとGLAのほうが若干締め上げられているのかもしれません。
ただし、そのほかに気になるところはまったくなく、SUVにありがちな車線変更時の横揺れそして揺り戻し、横をトラックが通過した時に受けた風による「揺れ」もほとんど感じられず、かなり快適で安定しているクルマだと断言できます。
MBUXの機能も申し分なく、そのほかリアクロストラフィックアラート、アクティブレーンキーピングアシスト、アクティブブラインドスポットアシスト、360度カメラなどの運転支援装備・安全装備も申し分なく、「この価格でここまでの装備を誇るとは・・・」と唸ってしまう一台でもありますね。
今後購入検討を行う候補のうちの一台になりそうですが、懸念としては「ボディカラーがイマイチ地味」ということ、「すぐに新古車が出るだろう」ということ。
よって購入するのであれば新車ではなく(割安な)新古車を選ぶ可能性が大きく、もうちょっと様子を見てみようと思います。
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Posted at 2020/07/24 23:04:49 |
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ドイツ車 | 日記