
イタリアはボローニャにある、ランボルギーニの工場を訪問。
工場訪問は(日本の)ランボルギーニのホームページから予約でき、予め休館日が掲示されているほか、空き時間も予約時に表示されています。
なお入場料は2017年から値上がりしていて、大人一人75ユーロ。
ランボルギーニ本社のロケーションとしてはボローニャ市内から25キロ、フェラーリ本社のあるモデナからは17キロ。
フェラーリとかなり近いということで、フェラーリ博物館(ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ)、エンツォ・フェラーリ博物館(ムゼオ・エンツォ・フェラーリ)とあわせて訪れる人が多いようですね。
ここへ訪れるにはボローニャ市内からタクシー(料金的な感覚は日本と同じか、ちょっと安いくらい。もちろん為替にもよりますが)、もしくはバス、個人ツアーなど。
個人ツアーは日本からもツアー会社(日本や現地のもの)を通して手配できますし、現地在住の日本人の方が開催しているツアーもあります。
実際のランボルギーニ本社はこんな感じで、エントランスを入って右手にある受付で名前を告げてお金を支払うと「何時にどこで待ってて」と伝えてくれるので、その指示に従います。
その後集合場所に集まり、だいたい8人ぐらいのグループにて、45分くらいかけて工場内を見学。
1グループに一人、ランボルギーニの人がついてくれて工場内を案内してくれますが、ぼくらの担当は女優のように美しいクリスティーナさん。
工場内でもクリスティーナさんの説明を聞き取りやすいよう、トランシーバーを渡され、それを耳に装着してスイッチオン。
写真撮影はNGのため、備え付けられたロッカーにカメラ含めて荷物を預けていざ出発です。
さて、ランボルギーニの工場の様子ですが、撮影はNGなので、オフィシャルフォトをもとに感想など述べてみたいと思います。
まず工場内に入ると、いきなりアヴェンタドールやウラカンの完成車がずらりと並んでおり、そこで既に圧倒されてしまう雰囲気。
加えて偽装用のフィルムを貼った車両も走ったりしていて、「こんなものを一般人に見せていいのか」と思ったり。
見学ラインはまずヴェンタドールから。
ぼくらが訪問した時は運良くチェンテナリオを製造していて、ボディカラーは深みのあるメタリックレッド(ウルスみたいな)。
アヴェンタドールと同じラインで製造されている、とのこと。
アヴェンタドールは「アヴェンタドールS」「アヴェンタドールSV」を中心に製造しており、日本向けと記されたゴールドのアヴェンタドールSVがちょうどライン上にて製造中。
次いで内装ライン。
まさにこの画像の通りで、レザーのサンプル、実際に製造に使用するレザーが並べられています。
検品もここで行っており、レザーに傷や汚れがあればその部分はカットし、製品として使用することはない、とのこと。
ここでヘッドレストへのランボルギーニ・クレスト型押し、アド・ペルソナムの刺繍も行っていて、レザーの縫製については「女性のみ」が担当。
一方、縫製を行う反対側ではダッシュボードやドア内張りにレザーを貼る作業を行っていますが、こちらは男性の姿も見られます。
訪問時には日本向けアヴェンタドールSVのシート(ホワイトとブラックのコンビ)が製造中。
アド・ペルソナムのサンプルは様々なものがあり、金色の糸なども用意されています。
働いているのは地元ボローニャの人が多く、南イタリアから来ている人も。
労働時間は9時から5時までで、残業は全く無し、とのこと。
なお結婚したらお祝いでランボルギーニを1日貸与してくれるサービスもあるそうで、基本的に給与は高く労働環境も優れるということです。
確かにランボルギーニは何年か連続で「ホワイト企業」に選出されていますね。
それにしても案内を担当してくれたクリスティーナさんの知識やランボルギーニ愛は相当なもので、ファクトリーツアー担当としては当然かもしれませんが、車に関する知識は完全にぼくより上。
ツアー中は自由に質問などすることができますが、どんな質問にも答えてくれます。
面白かったのは、「ランボルギーニ社設立の経緯」。
よく知られるのは「創業者であるフェルッチョ・ランボルギーニがフェラーリを購入したらよく壊れ、しかし自分はエンジニア出身だったので改善案を持って行ったらエンツォ・フェラーリに”トラクター男は帰れ”と言われ、フェラーリに対抗するために最高のGTカーを作ろうとした」というもの。
これについては諸説あり、フェルッチョ・ランボルギーニに近いものは「有名なフェラーリをうまく利用してランボルギーニのプロモーションに使用した、フェルッチョの戦略」としてこの逸話を語る人もおり、またフェルッチョの妻は「実際にはエンツォに会いに行っていない」とも。
ただし今回のファクトリーツアーにおいては、世間で言われる通りの「自動車メーカーの中で最も明確な設立理由」が語れれていて、オフィシャルでこう言った話が出る、ということはやはり通説が「正しい」のかもしれませんね。
以上、ランボルギーニの知られざる一面に触れたり、車や工場などの裏話も聞くことができ、楽しいファクトリーツアーでした。