
さて、フェラーリはポルトフィーノの改良版、「ポルトフィーノM」を発表していますが、今回はそのプロモーション動画を公開。
この内容が「これまでのフェラーリらしくない」もので、今後に向けての方向転換を図りつつあることを示唆するかのような仕上がりに。
具体的には「家族四人でドライブを楽しむ」というものですが、フェラーリがこういった「ファミリー」を強調することは非常に珍しく(”カップル”を登場させる例はこれまでにもあった)、フェラーリが多様化することを示しているのかもしれません。
フェラーリはやや特殊な企業であり、通常の自動車メーカーであれば「販売台数を増やすこと」に重きをおいているものの、フェラーリの場合は「販売台数が増えると希少性が下がり、価値が希薄化する」ために台数を大きく増やすことができないという特殊な事情があります。
よって台数は微増に留めつつ、しかし利益を大きく獲得せねばならないという状況にあるわけですが、そのひとつがワンオフモデル、つまり”フォーリ・セリエ”であったりスペチアーレであったりするのかもしれません。
ただ、それらだけでは利益の増加に限界があり、よって今後発売が予定されるSUV「プロサングエ」といったこれまでにない方向への拡大も。
そしてSUVの投入に加え、ローマやポルトフィーノといった「GT系」の性格をよりマイルドにすることで幅広い客層にアピールするのでは、とぼくは考えているわけですね。
たとえば、これまではポルトフィーノ、そしてGTC4ルッソにおいても「スーパースポーツ」的な性格が強く反映されていたものの、そういった性格を薄めることにより、これまでフェラーリを購入しなかった層にアピールするのでは、ということ。
実際にカリフォルニアやポルトフィーノを購入する顧客の70%程度は「フェラーリを初めて購入する人」だと言われていますが、ローマも巻き込み、その傾向をさらに加速させるのではないかと考えています。
一方でV8ミドシップ、V12スーパースポーツについてはこれまで以上にスポーツ性を高め、つまりは「二極分化するんじゃないか」という可能性で、これまでは「モータースポーツを核としたブランディング」であったものを、一方では「よりモータースポーツに直結」した方向へと強化し、そしてもう一方では「モータースポーツ色をあまり感じさせない、よりライフスタイル寄りのラインアップ」を増やすことで販売の安定的増加、そしてリスクヘッジを図るのだろうと推測しています。
この背景には様々な思惑があるのだと思われ、いずれは人気を失ってしまうかもしれないF1、社会的に「悪」と見なされるようにようになるかもしれないスポーツカーに対しての危惧があるのかもしれません。
なお、この方向によく似た動きを見せているのはポルシェで、当初は911を核としたブランドイメージを形成していたものの、成長のためにボクスターを投入し、そしてカイエンといったSUV、さらにはパナメーラやマカンを投入した上、直近ではEVであるタイカンを発売。
一方で911GT2RSのようなハードコアモデルは「さらにスパルタンに」進化しており、ポルシェはブランドイメージを希薄化させることなく(ゼロではないと思うけれど)拡大を遂げたのかもしれません。
ただ、そのポルシェですら「将来、自動車ビジネスでは食えなくなる」という不安をあらわにしていますが、「自動車ビジネス以外」の利益だとフェラーリの方が(フェラーリワールド他、ライセンスビジネスにて)一歩先んじているようにも思います。
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Posted at 2020/11/01 23:03:33 |
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フェラーリ関連 | 日記