前から気になっていた“HAL”
スプリングマニアのあたしとしては、バネ特性を変えられるのは非常に頼もしい。
サスペンションセッティングが難しいのは様々物が組み合わされて
縦横無尽に動く事による部分が大きいのだが“いかにタイヤを使えるか?”がカギ。
つまりは“二つのバネ(スプリングとスタビ)”がカギを握る。
とりわけスタビはほぼ触らず、最終的に合わなければ変更するのが無難だが、
スプリングは多種多様なものが存在しレートや長さなども自由に選べ動きを変えられる。
バネは短くなれば動きが速くなり、長くなれば緩やかになる。
だが今の自分の車が速いのか遅いのかは分かりにくいのでセッティングは悩む。
うちのシルビアさんは初期レートがほぼ決まっている。
フロント8kgf/mm、リア10kgf/mmで初期レートは決定。
スプリングレートはスピードレンジに合わせるのが普通なので、
国際コースやハイスピードコースを今は走らないのでこのレートに落ち着いた。
今まではハイパコベースでセッティングしてきたが、
「特性を変えたいなぁ」と思う事も多く悩んでいた時に見つけたHAL。
決してハイパコがダメなのではなく自分の乗り方や今回の車には合わないと判断した。
そんなスプリング、自由に動かさないと中々本心を見せないので、今回も“独立稼働”を使う。
ピロアッパーマウントは斜頸しながら動くダンパー本体の動き損なわないよう必ず使用。
更にピロアッパーにバネ直置きのダンパーは動きの途中で抵抗が出るので基本使わない。
ピロアッパーの中心を支点にしてダンパーは斜めに動く(縮む)、
そうなればロワシートはダンパーと一緒に動くがアッパーマウント部でバネのトップは斜めになる。
こうなるとタダでさえ屈曲し回転しながら縮むバネはより屈曲して本来の動きにならない。
安い車高調などはこの方式のため硬さが出て、必然的にスプリングレートが落ちる。
特にスプリングはコーナリングフォースの要であるため、
荷重を掛けている途中でレート変化が出るとセッティングが出ないばかりか
低レート化したスプリングではタイヤをうまく路面に押し付けられず、
付け焼刃で減衰ダイヤルに手を伸ばす人は多い。
よくコーナリング中の姿勢変化をコントロールするため減衰を弄る人がいるが、
減衰というのは基本的に加減速の領域でしかほぼ効かない。
コーナリング中にタイヤを押し付ける力はスプリングの役目であるため、
コーナリングの為に減衰をいじると余計にわからなくなる。
減衰力はバネの伸び縮みを制御するものであって硬さを制御するものではない、
アクセルオフの瞬間、荷重を後ろから前に移すスピードを変えるものだったり、
アクセルオンでフロントからリアに荷重を移すスピードを変えるもの。
なのでスプリングがちゃんと決まらないとダンパー製作などできない。
今回試すHALは低反発でオープンエンドのスプリング。
リアにはアシストが組まれリバウンドストロークを確保してあるのだが、
アシスト稼働量はハイパコを使っていた時と同じ。
その稼働量でエンドオープンはクローズになる位のプリロードをかけ、
1Gの状態でトップオープンがクローズになるくらいのプリロード設定にした。
これでオープン独特のダルさは消せると踏んだため。
スプリングアッパーシートにはピロボールが入っているため、スプリングの回転も邪魔しにくく、
スプリングが屈曲しようとしてもアッパーシート自体が傾くので動きの妨げが最小限で済む。
走らせてみると・・・・まったくダルさはない、それどころかかなりしなやか。
これは新しいリアカートリッジの完成が待ち遠しい。
次のリア足は・・・さらに細かくセッティングできるよう対策したから。
新しい“ZEALファンクション えあED+HAL”非常に楽しみになってきた♪