ヘッドが旅立っていった。
ダメなところや気になることを全て伝え業者も頑張ってくれる事になった。
このエンジンがひょっとしたら‘自分用’の最後になるかも分からない。
日々に追われ好きな様にやれる時間はかなり減った。
だから妥協はしたくなかった…本来なら
燃焼室も手削りで合わせる予定だったが、VEのデータが全く無い(FF用なら持ってる)のでココは試しに機械加工にした。
その為ポートは容積や形状を見ながら時間をかけ
インテークは昔ながらの‘鏡面’…コレは2輪レーシング時代の技術を駆使。
エキゾーストは鏡面ではなく研磨(粒子細かめ)で処理した
時間も莫大にかかりとてもコストが合わない為に最近は機械加工が主だが、各社‘鏡面加工に近いCNC’とうたっている加工にシフトして来た。
それが…
加工に出したあと、彫りの深さがバラバラになり…一気に組む気が無くなった。
‘ぶった切って捨てたろか’と思ったくらいw
ターボならともかくNAでこのレベルは間違いなく‘無い’
製作時間は10日以上掛かったポート、仕事ならとてもコストに合わない
それが今回…機械加工に変更になる、こうなるともう‘アタシのエンジン’では無くなる。
苦渋の決断だった、新たなエンジン買うにも高額すぎて無理、こんなことなら安い間に買っとくんだった💧
そんな凹みながら仕事してると電話…加工屋さんだった。
今回の問題はバルブシート。
伝達がうまく伝わらずどうやってもシムが合わない。
高回転を狙う以上シムが薄すぎればカムの動きに引っ掛かりが出るだけでなくリテーナを齧る、厚過ぎれば‘ジャンピング’や‘サージング’でシムが外れる可能性がある…バルブは常に同じ動きをする訳では無い、高回転になればジャンピングやサージング、叩きも出る可能性がある…ハイブーストターボを作るより高回転NAの方がはるかに難題でありその為マイナーな玄人好みの世界。
問題を減らすためバルブセット長を合わせ、バルブ周りのトップであるリテーナを限りなく軽くし、バルブスプリングのセット荷重を合わせギリギリまでバラツキを排除する。
やろうと思えばエンジンは誰でも組める、だが精度を上げたものを作るには細かいデータに基づいた加工や部品選定が必要になる。
だからこそ‘自分色’を残し加工屋さんにも精度を求めた、だが帰って来たヘッドをみたら愕然とした。
電話の内容は…
‘シートリングは新たなベリリウムに入れ替え全バルブのシムをアタシの指定した厚さあたりで揃う様にする。
ポートの座グリは会社で協議した結果…CNCではかすりもしない可能性がありバラついて掘った部分は別工場のレーシング関係の部署が手加工し同じ様な鏡面&研磨を手作業で仕上げる’
え…て事は苦心して削ったポートは残る❓
‘うちのCNCはそれほど大きく加工しないんです、このポートは結構追い込まれているのでうちのデータでは削る際にはが刃がポート内壁に当たらない可能性がある、無理して機械加工ではなく手作業で処理させてもらいます’
スッキリした…と同時にやる気が出て来た😅
時間は仕方ない。
ヘッドが戻ったら速攻組んで載せられる様に車体側の製作を進める。
右往左往あったが‘加工屋さん’には本当にありがとうと言いたい。
電話やネットでやりとりする以上なかなかキチンと伝わらないのがネックだけれどヘッドが帰って来るのが楽しみになった週末だった😊
Posted at 2022/12/09 20:53:15 | |
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