クルマをチェックしてほしいとの事で見てみた。
あまり深く考えずにチェックしてみると…思いの外だった💧
色々なものがタイラップで固定されており、使ってはいけない素材であちこちが取り回されている。
本来、クラッチがおかしいと言う事だった、見てみたらオペもマスターも変、だけどココはよ程の事が無い限りそんなにペダルに変な動きは出ない。
確認してみたらブラケットの破損、嫌な感じはしたが
部品は廃盤🥹
このままでは動かせないのでブラケットを修理することにして材料を頼んだ。
部品が届くまでに他のチェック、色々なものがタイラップで固定されており中には結構ヤバいものも。。
燃料系の部品までタイラップで固定され、燃料配管にも電気系などの配線が固定されている。
そもそも燃料ホース関係に電気の配線などを固定してはいけない。
何かの拍子で配線がトラブり火がつかない様にするのが普通。
ゴムホースも超微量だが燃料などを揮発しているのでコレは非常に大事な事。
クルマをいじると言うことは‘素材’を理解すると言うことも大事だと思う。
鉄、アルミ、ステンレス、チタンなど、ゴムやシリコン、テフロンなどの強度や特性、相性の良いものと悪いもの、組み合わせてはいけないモノから、エンジンが動く時にどれほどの振動が出てどこを支点にして動くのか?
こう言う細かい考察が非常に大事であり、なぜ純正はその素材なのか?どうしてココを通してあるのか?常に考える事が必要になる。
パイピングが当たるんです。
見てみたらインタークーラーコアが固定されていない、ステーは着いているのだけれどココはアンダーカバーと共締めのはずなのだが、アンダーカバーはフレームとステーの間に差し込んであるだけだった。
ネジ穴を修正してきちんと固定、コレで‘入口と中継点と出口’の位置が決まった、このクルマはエンジンマウントがノーマルっぽいのでエンジンの動く量を計算してパイピングの位置を組んで行く。
パイプの抜け止めの位置を確認してホースバンドを適切な位置に締め込む、この時エンジンが動くことを計算に入れてパイプの位置を微調整してOK
すると…元々ズレた位置でサクションを作ったのかクリーナーがパイピングとリザーブタンクに当たる、仕方ないので溶接して作り直した。
バキュームホースもあちこち当たっていたり歪な状態、ターボアクチュエーターのホースはエアコンのLO配管に当たっている。
アクチュエーター式のターボはバキューム配管に穴が空いたら‘無限ブースト状態’に陥る、単にパワーが出るだけなら良いのだが当然ブローの危険やドライバーの意図しないパワーで事故になる可能性もある。
エアコンのLO配管はすでに廃盤になっていて穴が開けばエアコンレスになってしまう。
コレを対策するのは…アクチュエーターをひっくり返せば良いだけ、なぜこんな簡単なことができていないのか?とても疑問に思う。
タービンもインジェクターも変わっている様なので当然燃料ポンプも交換されていると思う…なのにレギュレータ(燃料の圧力調整)はノーマル。
ポンプは大容量のものに交換すると、噴出量と噴出圧が上がる、当然燃圧は再調整してセッティングしながら圧を合わせるのが当たり前、だがこの車のセッティングがどうなっているのか?分からないためココは手が出せない…きちんとされているのを願うばかり。
ABSユニットの遮熱を考えてる時だった。
目に入ったバローバイホース…コレ普通のシリコンバキューム用ホースじゃ無いか?
エアーなどに使うシリコン系のホース、シリコンはオイルやガソリンの耐性が無くオイルが常に通る場所には使用不可(オイルは混じるものの少量であれば短期使用はできる)
外してみたら…黒く焦げバンド止める部分は避けていた。
オイルは可燃性が非常に高い、この部分はヘッドとクランクケースの間をオイルが常に流動している、もし裂けてしまえば‘車両火災’は目に見える。
近年、道路上で炎上する車両が増えた、コレは構造的なものもあれば人的な要因も多い。
以前知り合いの大阪府警の刑事さんから電話が来た、内容は‘◯◯さん、車両がいきなり燃える事はありますか?’だった。
鑑識に電話を代わってもらい車両情報を聞くと…あぁその類ならこの部分を確認してくださいと伝えた。
後で聞いたらドライバーが自分で作業した部分が穴がいて燃えたようとの結論を聞いた。
素材の理解は非常に大事、分からなければ聞いて調べて作業してください。
とりあえず‘耐油系シリコン’で引き直しておいた。
ガタガタになったクラッチブラケットは
何種類かのボルトを買ってきて強度と素材を確認
楕円になっていたブラケットには強度を考えて溶接修正、コレでペダルは組み立てられるのだが、ペダルの内部には‘オイルレス樹脂ベアリングが入っている。
ところがコレが専用のサイズのようなので少し大きめのオイルレスを入手してペダル側を加工してなんとかなる予定(ペダル内のオイルレスブッシュはそもそも単品補給がない)
まだタイロッドブーツ(コレも単品補給がない)の交換も必要だし意外に高温になるので内部グリスも変えて修復するしか無い。
部品が高騰&廃盤になってきているけれど、素材を考え修復する事は可能…しかしその前に作業する人は’人の命を預かっている‘と、もう一度肝に銘じて取り組んで欲しいものだ。
Posted at 2025/01/16 19:11:54 | |
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雑記