
友人と寿司屋で想い出話を楽しんだ後、寝る前に色々な想い出がよみがえってきた。
当時直属上司であった事業部長とのことだ。ある日出社して机に着くと「おはよう」と私の机の上にゴルフのスコアカードを置いた。昨日の客との接待プレーで良い記録でも出たのだろうとスコアを見た。
そこにはINの合計が【36】と記されていた。「えっ、パープレイ?」と驚いてホール毎のスコアを確認したら ⑩△ ⑪□ ⑫ー ⑬△ だった。
「合計だけ書き直しても騙されませんよ!」とスコアカードを突き返すと、「よく見ろ!」とまた机に置いた。
呆れながら確認すると ⑭ー ⑮〇 ⑯〇 ⑰〇 ⑱〇 と上がり4ホール連続バーディだ。確かに事業部長のパターは絶品だ。何度も一緒に廻ったが、キャディさんに「この人と勝負しても貴方に勝ち目は無いよ。この人、パターはプロより上手いよ」と言われたこともある。でもその時に興味があったのは、テクニックの事ではなくメンタルの事だった。
素人ではほとんど経験できない4連続バーディと、ハーフとは言えパープレイの掛かった最終ホールのバーディパットを、懇意とは言え接待中の客の前で打つ時は一体どんなプレッシャーを感じるのだろうか?私なら手が震えて入れることは絶対に無理だろう。
聞いてみると返答は、「別に…普通だったぞ」だった。なんて人だ、この人には絶対勝てないと確信したものだ。その後、その人は社長になり、会長になってから引退された。幸いなことに会社に居られる間、ずっと仲良くしてもらえたが、トップになる人は頭だけではなく心臓も作りが違うと思ったものだ。
凡人の私は何度かあったイーグルチャンスのパットも手が震えて一度も入らなかったことを思い出した。一人蒲団の中で懐かしんだ。
Posted at 2022/09/06 21:18:13 | |
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