
BMWを所有したくなったのは TOYOTA SOARER 2.5L(JZZ30) を所有したのがきっかけだったと思う。SOARER を購入した経緯を想い出として記してみたい。
10歳になる直前に車好きだった父が、雑誌に載ったランボルギーニ350GTV の新車発表の写真を見せてくれた。その会社設立にまつわる話と新型車の姿に心をときめかせたことを覚えている。それから数年して、あの名車と誉れの高い TOYOTA 2000GT が発売された。そして丁度免許を取る年齢の頃に NISSAN FAIRLADY Z が発売された。その3台が私にポーツカー=ロングノーズ車のイメージを植え付けた。
自営業だった父は大型CEDANだった NISSAN CEDRIC の大ファンだった。買ってくる車はいつも CEDRIC だ。CEDRIC ばかりを何台も何台も乗り継いでいた。2000GTを買おうと頼んだが、5人も乗れる CEDRIC より2人しか乗れない2000GTの方が高価なのは納得できないと相手にしてもらえなかった。
私は会社員として働き始めたが、付き合い酒と麻雀と言う博打と若い頃は大好きだったバイクに金を注ぎ込んで、とてもスポーツカーには手が届かなかった。
やがて結婚して、子供が出来て、家族を乗せるためのワンボックスワゴンにも乗った。子供が中学に進んで部活に熱中し、親と同行しなくなってスポーツカーが欲しくなった。その時所有していたTOYOTA MARK Ⅱ GRANDE からNISSAN FAIRLADY Z(Z32)の中古に乗り換える決意をして、休日には中古店を廻り、平日はネットで情報を集め始めた。
友人の一人がそれを聞きつけたようだ。SOARER(JZZ30) に乗る彼が可笑しなことを言い出した。

彼は北海道出身だ。姉さんが札幌で中古車業を営む人に嫁いでいるので、いつも姉婿から車を買うそうだ。帰省した時に姉婿の店にあった SOARER 4.0 GT LIMITED(UZZ30) が欲しいのだが、70万円強足りないという。私は今の JZZ を売ればそれ以上出るだろうと言うが、安いかもわからないので不安だ。Z32は止めてJZZを買って欲しいと言いだしたのだ。
彼のJZZ は程度も良く、5MT 車でスポーティな車だ。その上に提示金額は激安だ。形には少々抵抗もあるが、一応ロングノーズショートデッキのスポーツカーだ。価格に惹かれて、彼を助けることにした。
自分の車になり、毎日通勤で往復80kmを走り始めると、徐々にこの車に惚れこんでいった。
スポーツカーと他の車の車として本質的な違いが段々分かってきた。
人を快適に運ぶために広い場所を確保してから、余った場所にエンジンや他の部品を配置したシャシーで作った乗用車と、最高の動的バランスを得るために重いエンジンを中央に近く配置してから、余った場所に最小限のシートスペースを確保したシャシーで作ったスポーツカーとは根本的に別の物だと思った。
その素晴らしいシャシーにアクセルを踏めば仰け反るほどのパワーと滑らかな回転バランスを持った直6エンジンを積んだこの車こそが趣味の車と言えるものだと思った。
滑らかでパワフルなエンジンが前後の動きを賄い、中央に重量が集中して各タイヤにほぼ均等に分配されたバランスが生み出す素晴らしい回頭性!
もう CEDAN になど乗れないと思った。
もし今でも新車が入手できるなら、もう一度 SOARER 2.5 GT-T を所有したいと思う。今度は G-Package の本革内装の車を…
Posted at 2022/09/12 23:07:01 | |
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