今年のシルバー・ウィークは
台風に翻弄され外出もまま
なりませんね。
先週より半引きこもりで
csTVの録画を観まくるあり様で
ございます。
先月から日本映画専門チャンネルで特集されていた
五社
英雄監没後30年企画でワタクシの日本映画に対す
る見方が
覚醒されたようです。
五社監督をメジャーにしたのは、
なめたらあかんぜよ!の映画鬼龍院花子の生涯かと
思います。あのセリフは当時は
流行語にもなりましたから。
↓五社監督をメジャーに押し上げた作品。鬼龍院花子の生涯。
失礼ながら80年代当時、邦画については監督まで興味がいかず。
宣伝が大きい映画をもっぱら映画館まで出向く程度のファンでした。
五社映画に対してもそんなに思い入れもありませんでした。
今回、この特集がきっかけで今更ながらに五社監督作品を観直し、
その
完成度に驚くばかりです。
【 80年代の主な五社英雄作品と出演者 】
1982年公開: 鬼龍院花子の生涯 出演: 仲代達也、夏目雅子、岩下志麻、夏木マリ
1983年公開: 陽暉楼 出演: 緒形拳、池上季実子、倍賞千恵子、浅野温子
1984年公開: 北の螢 出演: 仲代達矢、岩下志麻、夏木マリ、早乙女愛
1985年公開: 櫂 出演: 緒形拳、十朱幸代、真行寺君枝、名取裕子
: 薄化粧 出演: 緒形拳、川谷拓三、浅利香津代、浅野温子
1986年公開: 極道の妻たち 出演: 岩下志麻、かたせ梨乃、世良公則、成田三樹夫
1987年公開: 吉原炎上 出演: 名取裕子、二宮さよ子、藤真利子、仁支川峰子
1988年公開: 肉体の門 出演: かたせ梨乃、渡瀬恒彦、加納みゆき、山咲千里
なんやエロい映画ばかりじゃないか!?
そう申される御仁も少なからず!
鬼龍院でブレークするまで、五社監督は有名女優達からは
「何をされるか分からないから嫌だ!」「必ず脱がされるから嫌だ!」
と氏が監督する映画への出演を避けられ嫌われていたそうだ。
これには笑ってしまった。
確かに五社映画には、ほぼ必ず
濃厚な濡れ場があります。
そればかりか、
女同士の強烈な喧嘩シーンもほぼ入っております。
これじゃあ
有名女優達に避けられますわ!(笑)
↓ワタクシの中では五社映画の最高傑作である陽暉楼です。
csTVでは今回、宮尾登美子原作の
高知三部作として、
鬼龍院花子の生涯、
陽暉楼、櫂を放映しました。
時代背景は、いずれも大正から昭和初期でワタクシの一番好きな時代の映画です。
高知の土佐が舞台で、そりゃもう、日本一荒い方言と言われる
土佐弁ばかりの映画です。
三作ともに、侠客、女衒、芸妓・娼妓とその家族の苦悩や
生き様をテーマとする壮絶この上ない泥臭い映画
であります。
有名女優も駆け出し女優も、濡れ場に乱闘シーンにと迫真の演技であります。
これには誠に恐れ入りました。
こと、強烈な喧嘩シーンについては
ここまでやらせるか?と言うマジもん!
で、話はバイオレンスからエロに変わります。
五社映画の撮影に於いての面白い
エピソードが一つ。
大抵の映画監督は、
濡れ場の撮影になると俳優、女優にお任せで「カメラ回しますので適当に
やってみて!」と指示するそうですが、五社監督については細部に至るまで細かい指示やオーダー
があったそうだ。
そう、いちいち説明するにはキリが無いので
五社監督と助監督が自ら
裸になって皆の前で実演して見せてたそうだ。
接吻のやり方、身体の触り方から手、足の取り回しまで細かい部分を
実演してお手本を見せていたそうです。
皆さん、仕事とは言え、男同士で裸になり濃厚なカラミの実演を俳優、スタッフ陣の前でできます?
誠に頭の下がる思い、正しく映画馬鹿であります。
五社映画では毎回、そうして濡れ場シーンを俳優、女優に演技指導していたそうだ。
はすかし~~
こうして自らが先頭に立ち恥ずかしいことも平気でやり映画作りに取り組むことで、女優達と信頼
関係が築けたのだ!と業界雑誌や週刊誌が氏の没後に書いている。
↓東映岡田社長の押しもさることながら、日下部プロデューサとの脚本家の高田氏との最強チームが成した技ですね。
↓ほぼノンフィクションであることが凄い北の螢。
正に監督馬鹿、映画極道!
あっぱれでございます。
↓櫂。これも女衒もの。緒形拳の演技が素晴らしい。
凝り性のワタクシは特集の三部作以外を
動画配信サイトから全て観ました。
観直した作品については、昔と今では受け取り方、感じ方が大きく異なるのに驚きます。
きっと、歳喰った証拠なのでしょう。(泣)
キャストが重複して同じ顔ぶれが多いのは、恐らく日下部プロデューサと監督の意向。
イメージに合う俳優、女優が少なかったからでしょう。
当時は今ほど俳優層が厚くなかったのでしょうね。
↓薄化粧。マイNo.2はこれになりそう。実話を再現したものです。凄い!
愛と憎悪、色と金、意地と野心、生と死などなど、、
大正、昭和初期の貧しい時代背景、
貧富の差、成功者と貧乏人の
格差が痛いほど描写され
ております。
つくづく今の時代に生まれて良かったと思います。
少し特異な分野の映画です。
時代背景が理解できる方にお勧めです。
↓若い世代もご存じの極妻。あんたら覚悟しぃや!(笑;)
では、最後に
助平なみんトモさんにオマケです!
以下、ワタクシがこの度、度肝を抜かれたシーンの数々でございます。エロも有り!お楽しみに!
↓名取裕子がかたせ梨乃に喰われている感じしますわ。(汗;)
☆ 鬼龍院花子の生涯については今更申し上げる事はありませんが、歌手である夏木マリがヤクザ
の女房役で映画デビューしています。これが良くハマっております。
その後も北の蛍で女郎屋の女将を演じてますがハマり役ですわ。(笑)
☆ 陽暉楼では、若干二十歳の浅野温子が体当たり演技してます。今の彼女からは全く予想がつか
ない迫真の演技で驚きました。主演クラスの池上季実子を喰ってますよ。この二人の喧嘩シーン
もド迫力。
女衒役の緒形拳もハマり役で次の櫂でも女衒を演じます。全く違和感が無いのが不思議。
☆ 北の螢では、岩下志麻と仲代達也の絡みあり。
鬼龍院でも少しありましたが、こっちはかなり濃厚
な部類です。貴重なシーン?また、昔懐かしい、早乙女愛ちゃんも脱ぎます。(笑)
☆ 櫂では十朱幸代が少し病んだ役です。女義太夫役の真行寺君枝が緒形拳と濃厚、圧巻の絡み
をやります。これは見もの。
☆ 薄化粧においては、酷い極悪事件をここまでの作品にしたスタッフの力に脱帽です。陽暉楼で生
きのいい脱ぎっぷりの浅野温子が緒形拳とのドロドロ濡れ場にチャレンジします。
危ない刑事の浅野温子などは屁でもありません。
☆ 何と言っても吉原炎上での仁支川峰子の演技。あの発狂シーンに恐怖をみました。
五社映画の神髄を見た気がします。コエ~~!
☆ 最後に、陽暉楼での料亭の女将役の倍賞千恵子、櫂での娼妓宿の女将、草笛光子の貫禄の
演技に声もでなかった。そのまんまですがなっ!!
などなど、
昭和映画のスピリッツを観た気がしました。
↓このかたせ梨乃には惚れてしまいます。(笑;)
なんのかんのと言ってもエロい映画には違いありませんが、脚本から時代背景と
非常に完成度の高い昭和を代表する凄い映画ばかりです。
NHKの朝ドラ、ちむどんどん作った人達に教えてあげたい!!