• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2023年05月07日

愛媛県愛南町 「紫電改展示館」観覧

愛媛県愛南町 「紫電改展示館」観覧 5月3日(水)九軍神慰霊碑に参拝のあと、四国横断自動車道 宇和島道路~R56を乗り継ぎ宿毛市の手前、愛南町にある「紫電改展示館」を観覧しました。
この施設も一度は行ってみたかった場所で、関西から四国の南西の端ですのでいままで遠くて行けませんでした。



1026到着。自宅から563km。駐車場はバイクと車で満車状態でした。


小学校中学年くらいに夢中になって読んだ「紫電改のタカ」。
私のちっさい頃はこのような戦記漫画や軍歌のレコード全盛でした。
TVの歌謡番組「家族対抗歌合戦」などでも芸能人家族の父親は軍歌歌ってました。エエ時代でした。
戦中世代が居なくなった頃からメディアの反戦報道が目立ちはじめました。
嘆かわしいことです。


日本国内では唯一の紫電改の実機を展示しています。
(米国に実機3機、兵庫県加西市の鶉野飛行場資料館に精巧な実物大模型あり)
この紫電改は終戦の3週間程前の昭和20年(1945)7月24日に未帰還となった六機の内の1機。 


戦闘行動中に何らかの原因で落下し海面すれすれまで水平飛行を保ち、その時にプロペラが海面を叩き、曲がったことが分かります。模範的不時着水のため機体の原型を今に残しています。(当然補修、修繕をした跡は残っています。)

この機体は昭和53年(1978)11月愛媛県南宇和郡城辺町(現・愛南町)久良(ひさよし)湾長崎鼻の海底41メートルで地元城辺マリンクラブ会員によって確認されました。
 海底調査の結果、第三四三海軍航空隊所属の紫電改であること、7月24日米艦載機の呉軍港空襲で迎撃し豊後水道上空で交戦した中の1機であることも分かりました。すぐに当時の軍関係者、御遺族に伝えられました。

 機体引き揚げの賛否が渦巻くことになりましたが、御遺族の強い意向で引き揚げに決まりました。引き揚げは愛媛県が藤田海事工業(株)に委託し地元漁業関係者の協力を得て発見から八ヶ月後という短期間での引き揚げ作業に成功しました。
 これは御遺族の是非7月24日の命日までにという意向に寄り添ったものでもありました。



34年目の浮上。
引き揚げられた機体はそのずんぐりした姿から一目で紫電改と分かりました。
全身にびっしりと貝や海藻を付けていましたが、うっすらと日の丸塗装が認識され、風防先端には潜水作業をしたダイバーからの可憐な花が添えられていました。

この機体を操縦されていたであろうパイロットは下記の方々です。(合掌)
戦闘701飛行隊長 鴛淵(おしぶち)孝大尉
戦闘301飛行隊  武藤金義少尉
〃        初島二郎上等飛行兵曹
〃        米田伸也上等飛行兵曹
〃        今井真一一等飛行兵曹
〃        溝口憲心一等飛行兵曹
この中の誰かの乗機です。


姿をあらわした瞬間、「おーっ!」と、どよめきがあがり、それを見ていた米田、溝口兵曹のお母さん、武藤少尉の奥さんたちからいっせいにすすり泣きの声が漏れ、御遺族はそれぞれ手にした花束をもの言わぬ紫電改に船上から捧げ、長い間静かに合掌しておられました。

紫電改は大東亜戦争終盤に配備された傑作機。特に愛媛県の第三四三海軍航空隊(通称剣(つるぎ)部隊)に集中配備され日本本土防空の最精鋭部隊として米海軍航空隊にも恐れられました。
中島「誉」2000馬力エンジンを搭載し、20mm機銃4挺、自動空戦フラップ、零戦には無かった防弾装備は主翼や胴体内の燃料タンクは防弾タンク、翼内タンクは自動消火装置も装備、操縦席前方は防弾ガラスとなり重武装・防御力・速度・運動性能とトータルバランスが優れた『帝国海軍最強戦闘機』でありました。


燃料タンク。
ゴムで防弾処理が施され、翼内タンクは自動消火装置もついていました。




20mm機銃弾


実機から取り外された部品の多くが展示されています。


館内は多くの観覧者がおられました。小さい子供から若いカップルなどの方が熱心に写真と説明書きを注目されているのを見ると日本も捨てたものでは無いなと思います。 写真は左が飛行服と落下傘バンド、カポック、飛行帽、飛行靴、手袋に身を包んだ脇を締めた海軍式敬礼で写真に納まる展示館の永元館長。
聞く方に寄り添った説明をされますので、安心してなんでも質問されてください。私もたくさん質問し、貴重な情報をお聞きしました。

慰霊碑と千羽鶴。

皆さまも一度立寄られてください。

心が洗われます。

飛行場などでバラバラにされた寄せ集めの実機では無く

六名の方のどなたかが乗られたことが証明されている実機に感動しました。

日本の本土を必死になって守っていただいた御英霊に会えた気持ちがします。

又このような傑作機を必至の思いで製作したメーカー各位へも感謝します。


最後に紫電改の性能を示すエピソードを。
①昭和20年(1945)10月米軍に引き渡す空輸の際、米軍のハイオクタンガソリンを入れた紫電改3機(志賀少佐、田中上飛曹、小野上飛曹)が示し合わせて全速飛行を実施。監視役のF4Uコルセアが付いて行けず置き去りにした。

②米技術雑誌「ポピュラーメカニクス」は100オクタン燃料を使って空軍で試験した結果、速力はどの米戦闘機に劣らず、機銃威力は一番強いと紹介。

③川西航空機設計課長菊原静夫は昭和26年(1951)来日した米空軍将校団に紫電改をテストした中佐がおり「ライトフィールドで紫電改に乗って、米空軍の戦闘機と空戦演習をやってみた。どの米戦闘機も紫電改に勝てなかった。ともかくこの飛行機は、戦場ではうるさい存在であった」と評した。
(①~③はWikipediaより転載)
ブログ一覧 | 海軍(陸軍)・海自関係 | 日記
Posted at 2023/05/07 17:26:38

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

関連記事

鹿児島県沖の海底で紫電改戦闘機が発 ...
ntkd29さん

昭和18年当時、日本に戦闘機用高性 ...
ntkd29さん

局地戦闘機 紫電改
とら猫 (=^・^=)さん

2024/10/22 もう少し早く ...
ntkd29さん

横濱護謨製造株式会社のタイヤに想う
flex hr30さん

エンジンのパワーアップで零戦の寿命 ...
ntkd29さん

この記事へのコメント

2023年5月7日 17:39
いいですね、紫電改、見に行きたいです。紫電から意外と多くの変更をなされて素晴らしい機体に仕上がったと理解してます。鹿児島にも一時駐留してた事もあり最近343.剣部隊についてもちょいと調べてみたところでした。^_^
コメントへの返答
2023年5月7日 17:56
こんにちは。
是非行ってみてください。
永元館長は343空の元パイロットと仲良しでしたのでたくさんの「おもろい」話をお持ちです。

しかし、こんな施設が無料は驚きです。愛媛県も中々やりますわ。😊👍
2023年5月7日 20:53
こんばんは、初めまして。

紫電改展示館 良いなあ😊
私のブログを見られたのでお分かりと思いますが、数十分の差で見学することが出来ませんでした😢

次にあの辺りに行く機会があれば、絶対に見学したい施設です。
コメントへの返答
2023年5月7日 21:08
こんばんは。
はじめましてIJNと申します。
今度は是非見学して下さい。
バイクも気合い入ってますね〜。😀
今後とも宜しくお願いします。👍
2023年5月8日 17:37
こんにちは、初めましていつも記事を拝見しております。

今回の記事で紫電改展示室のお話が出ていましたので懐かしく思い自分のブログを見返してみると、なんと初回のブログが紫電改展示室の事を書いていました。もう11年前のお話です。
今はまた色々と展示も変わってるのかなぁ~と思って拝見しておりました。また、私も紫電改のタカを読み込んだ人間のひとりです。
紫電改の中でも最優秀な黒い紫電改・地上での空戦練習に使用した無茶苦茶なレールのトロッコや最後は特攻に出たのか?など今でも思い出せることがあります。

また、あの頃は仰るようにTV番組でも戦争関連の番組が多かったと記憶しております。私が興味を持つきっかけが金曜ロードショーだったかな?映画トラ・トラ・トラの空母からの発艦シーン 暁の出撃シーンに感動して以来、戦跡や史跡などを廻るのが趣味となりました。
明日も仕事ですが兵庫県加西市の鶉野飛行場の近くまで行く事になっております。鶉野飛行場跡も数年前に訪れた時には滑走路跡の端っこに建物があり、その中に紫電改の模型がある程度でしかも月に二回程度の日曜日にしか公開しないとなっていましたが、先々月に行った時にはショップも出来ており、グッズ販売もしておりました。
しかも、平日でも内部に入る事が出来、間近で見る事が出来るようなっておりました、そんな環境でも中学生?のクラス単位でしょうか校外学習なのか見学に来ていましたが、まぁ皆興味のなさげな事!スマホを見てるだけで写真の一枚も撮ろうとはしていませんでした。引率の教師もまるで課題をこなしてるだけ!って感じがしました。もっと彼らのような世代が興味を持ってくれるような事をしないと英霊に申し訳ない気持ちでいっぱいになり切ない気持ちのまま帰路につきました。非常に残念です。
今後も色々な記事を楽しみにさせて頂きます。
コメントへの返答
2023年5月8日 22:23
こんばんは。

こいちG様昔のブログを拝見しました。今の永元館長が15年目と仰っていましたのでこいちG様が訪問された時も永元館長だったでしょうね。

金曜ロードショーの話!
私も同じです。
私がまだ小学校の11,2歳の頃(昭和51,2年頃)にたまたま同級生の家にお泊りさせてもらい、その日の夜のTVでトラ・トラ・トラを見たのが衝撃的だったんです。攻撃隊総隊長淵田美津雄中佐役の田村髙廣が関西弁を喋ってるのを「海軍士官も関西弁しゃべるんか~」と思いました。
今見てもよく出来た映画だと思います。
トラ・トラ・トラの3枚組DVD持ってますよ。

鶉野飛行場は一度行ってみたいと思っています。
中学生の校外学習のくだりは先生ですね、嘆かわしいのは。
日教組に毒された教員は一掃されるべきと思います。
戦後教育が完璧すぎて全て日本が悪いことをしたと思い込んでいると思われてなりません。

2023年5月9日 10:25
連投失礼いたします。
まずはご返答ありがとうございます。

トラ・トラ・トラのDVDは私も持っております。
大人になって自分で購入できるようになり迷わず購入しました。
淵田中佐は奈良県出身で戦後はキリスト教の伝道師をされていたとか
私は映画の中の南雲中将役の東野英治郎さんがはまり役だと思っております、体格的にも雰囲気もピッタリだと思ってます。
以後の映画やTV番組でも南雲中将は「何か違う!」と思われる方ばかりでした。

戦争を賛美する訳でもありませんが、先の大戦を含め亡くなられた英霊たちに対する敬意を持ってありのままの事実を教えることの出来る教師が居ないんでしょうね。私が中学の時には特攻帰りの教師が居ました。就職し、ある理由から転職した先には満州で捕虜経験のある元陸軍軍曹が経理を担当していたり、その会社の会長は戦車隊に入隊のはずが、両親が金を積んで通信隊に編入してもらったなどと色々と逸話を聞いたものです。今となっては戦争体験者が少なくなって語り部も居なくなり、隣国からの偽情報を信じるしかなくなったのでしょうかね?嘆かわしいことです。
コメントへの返答
2023年5月9日 22:27
こんばんは。

トラ・トラ・トラですね。
私は同じ関西圏で奈良出身の淵田美津雄大佐(終戦時)に親近感が沸きます。
出身中学の畝傍(うねび)中学(今は高校)の前を通るたびに淵田大佐を思い出します。

私が小学、中学を過ごした大阪北東部では昭和50年代、漫画はだしのゲンが道徳の時間に教材として奨励され、日教組の活動のはげしい地域でした。学校のフェンスに「主任制反対!」の赤色横断幕を上げて活動してましたね。

日本人の特性といいますか、島国ですので他国からの侵略を受けずムラ社会で和を重んじひとつの方向になびくんですね。右から左に、左から右にと。

なんでも中庸がいいとは思いますがどうも何か大きなインパクトがありますとカっー!となってそちらへ向かいます。
今回の武漢ウィルスの対応と同じです。

戦前の竹やり、愛国婦人会のおばさんが戦後コロッと左に変わり反戦平和と。
今の状態のままでは中庸には戻らないでしょうね。
又広島長崎みたいに大きなインパクトがなければ左から右には変わらない気がします。先島諸島など石垣島が攻撃されてもピンとこないでしょうね。沖縄本島を取られて初めて気づくのではないでしょうか。
でもその時には遅いんですね。もう支那の領土になったあとではね。

まぁ少しでも軍事アレルギーを取り除こうと帝国海軍はこんなに頑張ったんだということを、発信しています。👍

2023年5月9日 21:56
昨年秋、343空跡、紫電改博物館、鶉野飛行場を連続で訪れました。
我が家からはいずれも遠方にあるので、大変貴重な経験をしたものだと、改めて思い起こしました。
ありがとうございました。
コメントへの返答
2023年5月9日 22:53
こんばんは。

そうでしたね、昨秋のブログやフォトアルバムを拝見しました。
本当にこちらの施設は貴重な施設ですね。
維持費も相当なものでしょう。
入館料取ったらいいのになとも思いつつ、入館料代わりにTシャツを購入させてもらいました。
👍

プロフィール

「[整備] #ZX-9RB型 ZX-9R Fフォークフルメンテナンス&インナーパイプ再メッキ完了 https://minkara.carview.co.jp/userid/3282555/car/2981826/8207743/note.aspx
何シテル?   04/29 06:59
小さい頃から乗り物が好きでした。社宅の敷地内で父親に運転を教わり小学生の頃から高校生までいろんな車に乗りました。 運転免許所持前(私有地内) 車歴 昭和43...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
456789 10
11121314151617
18192021222324
25262728293031

リンク・クリップ

掃海艇うくしま  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/11/13 21:29:44
お盆休み、のんびりと過ごす。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/09/09 21:48:15
テンション↑↑の最後に待っていたのは・・・・・・・反省 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/07/18 12:43:47

愛車一覧

スバル レガシィ アウトバック スバル レガシィ アウトバック
BS-B型からF型に乗り換えて今年で7年目。アイサイト3はいろいろ不満もあるけど、何より ...
カワサキ ZX-9R B型 カワサキ ZX-9R B型
 1993年にヤングマシン誌にイラストで載った、新型車両ZX-9Rに大きな衝撃を受け予約 ...
スバル レガシィ アウトバック スバル レガシィ アウトバック
平成28年(2015)12月、レガシィB4から初めてのツーリングワゴンタイプの、アウトバ ...
スバル レガシィB4 スバル レガシィB4
前車アルファロメオ155V6からの買換え。 平成15年2003年12月20日納車。 平成 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation