常磐炭田　磐城炭磺小野田坑　軽便鉄道素掘りトンネル

磐城炭磺小野田坑から小名浜まで石炭と人員を運んだ軽便鉄道。
ヤマの残り香を求めて調査訪問です。
廃止後、70年以上経過しますが人の手が入っている事もあり鉄道は往時の姿を留めやすいように思います。
この路線は1905年～1944年まで、今の常磐興産が運営していました。
戦局の悪化に伴い鉄の供出で廃止の目に・・・・。




レールで閉塞した坑口も、レールそのものが腐食していてすでに侵入者が多数、居ます。




さあ、素掘りトンネル一人静かに突入です。




当時の資材なのか良く分かりませんが・・・・。




反対側の坑口は民間人の家で封鎖されています。
大人しく静かに戻りましょう・・・・・・。




軽便鉄道のガソリンカーがゴトゴト走って居た事を思うと、随分余裕のある大きさです。
単線だったとの事でもしかして、改軌（狭軌）するつもりで大きく掘ったのでしょうか。
資料がなくなんとも・・・・です。




意味深に落ちてました。
が、枕木という事はないでしょう。
70年以上、これだけ湿度のある所でこんな状態で残る筈がありません。
当時モノとしたら奇跡です。





ここ、落盤が多いようです。
気をつけないと自分がお陀仏になります。




ここも落盤しています。
落盤はヤマでも恐ろしい事です。

某巨大鉱山の坑道も支保工など腐っていて、運が悪ければ私も一生行方不明者でした。
あの時の見たい欲求と落盤したら・・・の恐怖。
今なら落盤の恐怖が勝ち、入らなかったかもしれません・・・・・・。




素堀にしてはとても綺麗です。
コンディションが良過ぎる、と思えるほどでした。




落盤する原因は、これ。
手で簡単に剥がれました・・・・・・。
岩盤が風化し簡単に崩落します。




突入した坑口まで戻ってきました。
ああ・・・・なんて穏やかで暖かい場所なのだろう・・・・。




モノクロで。
こちらの写りもまた綺麗です。
光が回り込み、闇と調和して・・・。

やはり自分の生きる場所はこういう所なのだ、と強く感じます。




綺麗な景色を見せてくれた軽便鉄道のトンネル。
有難うございます。




時に蝕まれたレール。
その時の長さがあまりにも長い事を教えてくれました。




切り通しを抜けて、次なる炭磺の残り香を求めて・・・・・・・。