風越 龍のブログ一覧

訪問は2019年5月1日、冒険野郎さんと行動を共にしました。

大正時代に採鉱開始し、中断ののち再開しましたが…。
昭和の鉱業衰退の波に飲み込まれた鉱山の一つのようです。
鉄鉱、銅、マンガン、黄鉄鉱が主たる鉱物でした。




白樺林の中にある過去の夢の跡。
道路からのアクセスは良く、探索の条件としては非常に良いと思います。




重量物が置かれたと思われるのですが…。
映像資料を探しても出てこないので、想像するだけに留まります。




シックナー跡。




此方は落ちると泥に潜り…。
メンタルに大きなダメージを受けるかもしれません。
…という感じでした。

なぜ、直感的にそう感じたか。
ああ、コレのせいか…、と思うものがありました。
それは何か。
少し後ろに結論が載っていますので興味のある方は御覧ください。




穴が開いていたら、とりあえず手か頭を突っ込む。
通洞坑ではないか…と思います。

ズレたコンクリート壁の厚み。
力が掛かる場所ですから(厚みは)当然なのかもしれません。




何となく…ですが坑内列車の橋台跡のように感じます。




この先には橋脚らしきものもなく…。
中途半端な場所で遺構は途絶えます。

もしかしてチップラーがあったのか…。
選鉱所まではコンベアで上げていた？。
当時の姿を写真で見て検証してみたいものですが…。
資料映像を検索しても欲しい映像は出てきません。
中小鉱山では残留資料が少ないから、なのでしょう。




落差はあまりないようですが選鉱所跡と思われます。





排水設備と思われる場所に生える木。
この木の大きさを見て、人の手を離れた時の長さが分かります。




美人薄命の白樺。
森の切り込み隊として先陣を切り、その命が尽きる頃に他の木が茂る。
彼女らの活躍があってこそ森は賑やかになってゆく…。

人の営みの跡など植物の前ではあっという間に飲み込まれる。
そういう事を感じる場所です。
鉱山の跡は。




足元のコンクリート敷。
石っころがゴロンゴロンしていて目を引きます。




漏斗跡ですかね…。




ダイナミックに転がるコンクリート塊。




多分、クマの糞です。
先のシックナーに、とぷん(落水)…、したらコレから染み出した汁が付いたり、踏んづけるのでは？、と感じたからでしょう。
獣ってヌタ場が好きですから…。




人気がないようで近くに牧場が有ったり…。
有害な鉱水が出ていない事が閉山後は大きな遺産になるとは、操業時にはまったく考えもしないような事でしょう。
でも、その事が後々で有難い事になるとは…。
大鉱床が発見されなかった小規模鉱山だからこそ、の皮肉に思えてなりません。




機器を固定する為のボルト。
多分、ネジ山は切りなおせば使えると思う。

人の手を離れてもなお、生き続ける、人の手より生まれしものたち。
あるがままに時を経てゆく…。
そういう姿が好きです。
とても。

道中の1枚。
雲の切れ間から射し込む光に輝く海。




廃ではなく、ここは休山扱いのようです。

ただ、稼働していようがいまいが、坑道から湧き出す有害な水。
それを処理してからでなければ流すことは出来ません。
鉱山が残した負の遺産と思います。




少しずつだけど…。
零れ続ける沈殿処理済の水。




近づきたいけれども。
深い雪に阻まれる…。
ダメでした。




代わりに接近可能な建屋へ…。




建屋の中。
部品の単価一覧でした。

多分、ですけれど…。
部品単価を認識し無駄な注文をしない、させないためなのではないかと。

地味な事の積み重ね。
大切です。
そういう節約は…。




昭和25年～昭和60年までの初雪の記録。
なぜここで止まっているかって？。
それは翌年に操業を停止したからです。

輝く昭和の末期までよく持ち堪えた…。
とはいえ、この国の長い転落の入り口のちょっと手前の頃です。

でもね、ロスジェネとかそういう世代に近いので…。
まっとうな堅気の仕事があって羨ましい。
そう、思います。

私より優秀な人が就職浪人したり、高校生の募集枠に(大学)院卒が応募したり…。
当時、それはもう無茶苦茶でした。
それでも生業を見つけられたのは運だけはあるのでしょう…。
多分…。
きっと…。




受電盤が残っていました。

採鉱(と思われる)や選鉱、坑外といった文字を見て…。
よくぞここまで綺麗に残ったものだと思います。




ここが施設として生きていたら…。
怖すぎて近寄れません。
その理由は6600V受電施設だから。

電気は目に見えないから事故が怖いのですよ…。
プロでも命を落とすことがありますから…。




鉱山といえば発破。
可燃物以外の鉱山では有効な手段です。
人が手で掘るなんて手間暇が掛かり過ぎて採算がとれませんので…。




荒らされていない事に嬉しさを覚えます。
ですので物は移動せず、そっと立ち去るように心がけます。
もっとも法には触れているのですが…。




新鉱床探査の補助金があったようですね…。
その試験体に括りつける荷札の見本らしき遺留品。




昭和～令和までよく耐えたものです。
本当に…。
お疲れ様です。




焙焼炉を望む。
雪が凄すぎて近寄れない…。
※要は精錬施設です。鉱石をその溶融点以下で加熱し酸化物の生成や気化させて除去、後工程で処理を楽にする為など色々な目的のために使われます。

雄々しいですね。
鉱山は…。
その姿には自身にない力強さを感じ、憧れます。

車検で借りた代車。
NAはオーナーとして乗ったことが無いので少し遠出して海を見にお出かけ。




波が引き、淡い空色が浜辺に映ります。




いつものお気に入りの場所で。

NAはパンチが無いけど、トルクバンドに乗せて走ればモッサリ感は出ない。
SC付とは別の乗り方がある事を、車と話しながら教えてもらう。
富士重工の車って、いいなぁ…(私のツボにはまる、という点で)。
代車に乗って改めて思う。

日高本線本桐駅跡。
2015年の高波以降、気車が来る事はなく…。

どうやったら再び輝けるのか。
当然、自治体の覚悟も必要だろうし…。
お役人体質でやると間違いなくコケるから民間の優秀な人材に金を払って招くのが一番良いと思う。
とにかく、もう一度鉄道が輝く世にしたいね…。




ここに居るのは私と友人だった人だけ。
民家も近くにあるのだが…。
限りなく無音に近い。
静かだ…。




レールも、あの高波の日からそのまま残される。
いつ、気車が来てもおかしくない位に綺麗なのだが…。
バス転換されてしまったので、もう二度と気車は来ない…。




人間の生きる上でのポイントってたくさんあるよね…。
その分岐点と重ねてしまう…。
選択を間違えたのか否か。
それは死ぬ日まで結果は分からない。

ポイントは分かれと出会い。
それを象徴するようで好きだ…。




踏切だった場所に車が近づく…。




何もかも、あの日のまま…。
※2015年の1月7日～1/8の猛烈な低気圧の被害を受けた日




街灯の光が差し込む。。
哀し気な光に見えるのだが…。
私のメンタルが、そう感じさせたのか…。




本桐駅駅舎。
もうここに気車は来ないので学生さんも、鉄道利用者も誰も来ない…。

廃止ではない。
けど…。
鉄路が断たれるというのは、寂しいものです。

ある鉱山集落で…。
サイレンの羽生蛇村に迷い込んだかのような、妙な錯覚に陥ります。

リアルだし、襲われる事はほぼ無い。
でも、時の止まった感じといい、置き去りのかごといい…。
羽生蛇村だ…。

サイレンは難しすぎて最後がクリアできなかったけど…。
この湿度が高く、ねっとりとした空気感。
日本の墓地のような空気とでもいうのかな。
しがらみというか、重苦しい感じもまた、逆にここの魅力なのかもしれません。