『Vor 20 Jahren: Die McRae-Sensation im Skoda』
2005年シーズン最終戦オーストラリアでは、いつもの面々が主役を演じることはなく、地元の野生動物がシーズンフィナーレを決定づけ、驚くべき結果となったのだ
そして、コリン・マクレーとシュコダのメカニックたちの存在も忘れてはならない
プジョーのWRC(世界ラリー選手権)最終戦でのリタイアは、悲惨な結末へとつながった
まず、ダニエル・カールソンは307をシェイクダウン中にクラッシュさせ、続く最初のスペシャルステージでは、崖から転落し、マシンを炎上させてしまい、午前中に2度のパンクに見舞われながらも3位をキープしていたマーカス・グロンホルムは、SS7でサスペンションを損傷させ、自力での修理を試みたが失敗し、ホイールはホイールウェル内で大きく曲がったまま、リエゾンセクションのアスファルトで粉々に砕け散るほどだったため、警察により止められた
一方、ペター・ソルベルグは状況をしっかりと掌握しており、ノルウェー人ドライバーのライバル2人がトラブルに見舞われた後、少なくともラリーは幕を閉じた
SS1の朝、ラリーの主役は地元オーストラリア、ニューサウスウェールズ州出身の26歳のヒーローであるクリス・アトキンソンだった
アトキンソンは2つのステージで最速タイムを記録し、かろうじて首位に立ったが、フロントサスペンションのタイロッドが曲がってしまうと言うトラブルに見舞われた
「SS6の5kmを過ぎた頃、ステアリングホイールが突然180度回転したんだ。何もすることが出来なかった」と、13位に後退したアトキンソンは不満を漏らした
ソルベルグは首位に返り咲いたものの、最終ループでタイヤ選択を誤り、硬すぎるタイヤを選択したため、追い上げていたセバスチャン・ローブはチャンスを察知し、SS8を制し、首位に立った
「彼はおそらく、僕のタイヤが間違っていることを知っていたので、僕との差を少しでも広げようとしたのだろう」と、ソルベルグは推測した
この作戦は、ローブが木に正面衝突してリタイアしたため失敗に終わりました
「長い6速セクションを抜けたところで、左コーナーで急ブレーキをかけなければなりませんでした。ブレーキをかけるのがほんの少し遅すぎました」と、世界チャンピオンは嘆きました
この事故でソルベルグは余裕でトップに立ち、その後ろでは、コリン・マクレーがシュコダでの2戦目ながらセンセーションを巻き起こし、フランソワ・デュバルと2位を争う激しいバトルを繰り広げていたのです
マクレーは「初日を終えて5位か6位くらいは予想していましたが、まさか2位争いになるとは自分でも驚きました」と、驚きの表情を見せました
アーミン・シュワルツの最後のWRCラリー
彼はチームメイトのアーミン・シュワルツを明らかに凌駕しました
フランケン地方出身の42歳は、前回の世界選手権大会で13位以上を獲得することが出来なかったため「遠回しに言わずに言おう。最後のラリーでは、コリンのようなドライバーに追いつこうと必死になって、決して無理にドライブするつもりはない」と、シュワルツは認めた
ローブがオーストラリアの動植物に出会ったことは、2日目の素晴らしい展開の序章に過ぎなかった
金曜日の夜、パースにいた誰もが予想だにしなかった事だが、土曜日は動物たちが主役となり、最初のステージで、カンガルーが4位のハリ・ロヴァンペラのドアに激突してきたのだ
「馬ほどの大きさだったよ。衝撃で鍵が壊れて、ドアが勢いよく開いたんだ」と、フィンランド人ドライバーは驚嘆した
ロヴァンペラは動物のアクシデントにもめげず、ドアを閉めておくために、時折片手で運転しなければならなかったが走り続け、野生動物たちのさらなる介入のおかげで、この戦いは2位争いへと発展する
と言うのも、次のレースでは、リーダーのソルベルグがカンガルーを狙っていたからだ
「幸いにも、少なくともコース上にしゃがんでいた。もしジャンプ中に空中にいたら・・・考えたくもない。すべてが完璧に進んでいた。スピードもあった。ところが、全く予想外のことが起こった。誰もこんな目に遭うべきではなかった」と、ソルベルグは身震いした
衝突でラジエーターが破裂し、すぐに水が漏れたため、エンジンは破壊された
こうしてデュバルは最速タイムを記録せずにトップに立つと、すぐにマクレーのシュコダをバックミラーから消し去った
世界選手権で一度も優勝したことがなく、シトロエンでのキャリアもほぼ破綻寸前だったベルギー人ドライバーが、突如としてトップに立ったので「これは本当に驚きだ」と、モータースポーツディレクターのフレクランは認めた
すべてがうまくいかなかった
最終ステージで、コリン・マクレーのセンセーションは突然幕を閉じた
スコットランド人ドライバーは最終日の2つ目のSSでロヴァンペラに2位を奪われた。クラッチの滑りが大きすぎると感じていたのだ
エンジニアたちは、残り3ステージを耐えられないと懸念し、ファビアの場合、通常20分ほどかかるが、唯一のサービスストップ中に交換を計画したが、メカニックたちはマクレーの仕事を台無しにしてしまった
「交換中に何かひどい問題が発生した。結局、何が起こったのか、正確には知りたくもなかった」と、マクレーは不満げに語った
スコットランド出身のマクレーは、時計が刻々と進むのをただ見守るしかなく、制限時間超過で失格となった
マクレーは近くのバーに行き、ビールを注文し、ラリーの残りの参加者たちがジャーナリストやファンと笑いながらおしゃべりしながら、イベントを観戦すると言う独特の方法で、このフラストレーションを解消した
マクレーの恥ずべきリタイア後、デュバルの勝利はついに確定した
ロヴァンペラは2位をキープし、その後ろではマンフレッド・ストールと、巻き返したアトキンソンが3位を争っていたが、33歳のオーストリア人ドライバーであるストールは3位を守り抜いた
「コーナーをミスしたせいで、2回コースアウトしてしまいました。アトキンソンとのバトルには全力を尽くさなければなりませんでした。それ以外はすべて順調でした」とストールは語った
シュワルツはWRC最終戦を8位で終えた。今シーズン最高の成績だ
18. Telstra Rally Australia 2005 Final results
1. #2 Duval François - Smeets Sven Citroën Xsara WRC 3:19:55.0
2. #9 Rovanperä Harri - Pietiläinen Risto Mitsubishi Lancer WRC 05 3:20:47.9 +52.9
3. #16 Stohl Manfred - Minor Ilka Citroën Xsara WRC 3:21:28.0 +1:33.0
4. #6 Atkinson Chris - Macneall Glenn Subaru Impreza S11 WRC '05 3:21:34.0 +1:39.0
5. #10 Galli Gianluigi - D'Amore Guido Mitsubishi Lancer WRC 05 3:22:59.4 +3:04.4
6. #4 Kresta Roman - Tománek Jan Ford Focus RS WRC '06 3:23:04.0 +3:09.0
7. #14 Solà Dani - Amigò Colón Xavier Ford Focus RS WRC '04 3:26:12.4 +6:17.4
8. #11 Schwarz Armin - Wicha Klaus Škoda Fabia WRC 3:27:59.3 +8:04.3
9. #31 Arai Toshihiro - Sircombe Tony Subaru Impreza STi N11 3:35:38.2 +15:43.2
10. #37 Higgins Mark - Barritt Daniel Subaru Impreza STi N11 3:37:24.8 +17:29.8
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今はもう、競技を退いているフランソワ・デュバルの、生涯唯一の世界選手権での勝利が、この2005年最終戦 テルストラ・ラリー・オーストラリア
この最終戦には、こんな物語があったんですねぇ
木に激突する、動物に激突される・・・まさに自然を相手にするラリーならではですよね