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埼玉55のブログ一覧

2021年11月29日 イイね!

塩基価の話し

先日、PAO系キューミックの紹介をした。埼玉55が買った2種類だ。塩基価とロングドレイン性について少しふれたのだが見て頂けたようなので、もう少し突っ込んだ話をする。

ほとんどの方が興味が無いのであろうが、これが解らないとなぜDPFが詰まるのかも解らない大事な話です。

■Grade-1 XXα SN/C3(12)5W-40
・密度:0.858g/㎤
・引火点:254℃★
・ 40℃動粘度:86.49㎟/s
・100℃動粘度:14.55㎟/s
・粘度指数:176
・塩基価:7.30mgKOH/g★

■Multi Diesel DL-1 0W-30
・密度:0.8470g/㎤
・引火点:230℃
・ 40℃動粘度:53.70㎟/s
・100℃動粘度:11.20㎟/s
・粘度指数:209★
・塩基価:4.50mgKOH/g
・硫酸灰分:0.45Mass%★(DL-1は0.6%以下)

ジュンツウネット21で「潤滑油の試験方法の概要と意義」2007/10というのが公開されており、理系の方は是非読みこんでおいてほしいのだが、埼玉55が塩基価が高い方がいいとしているのは、ロングドレイン性能があると、少々ずぼらこいてオイル交換を伸ばしてもエンジンが汚れにくいのである。

●原文ママ
A:塩基価は燃料油中の硫黄分から生成する硫酸に代表される酸化性生物を中和し,エンジン各部の酸による摩耗を抑制する能力の指標であり,塩基価が管理基準以下まで低下することは異常摩耗を誘発することになる。また,塩基価成分はすすや無機系の中和生成物などを油中に分散させエンジン内部を清浄にする能力を有するが,★この成分の減少(塩基価の低下)はエンジン周りの汚れを促進し,ピストンリング膠着など種々のトラブルの発生要因になる。

●では塩基価を上げたいところだが、DL-1にはできない事情がある。DL-1の規格は硫酸灰分が0.6%以下となっている。

塩基価を上げるにはCaスルホネートなど金属系の清浄剤をたっぷり入れるのであるが、そうするとそれは灰分となり硫酸灰分の0.6%以下がクリアできない。

よって、DL-1はこの塩基価と硫酸灰分のバランスを見てオイルを選ぶことになるのだが、適切にデータ公開がされておらず、面倒くさいのでDL-1はやめてC3にしていた。

C3は硫酸灰分が0.6~0.8%以下のものが多いようで、このオイルでは倍ほど差があると思われるのでDPFに悪いのでは?と思われがちだが恐れる事は無い。

●オイルミストの出にくいオイル(密度が高く、引火点の高い物で高粘度のオイル)を選び、オイルキャッチタンクでガッツリ捕集すると、オイルミスト系のDPF問題は発生しない。それでロングドレインかつエンジンがきれいだという事なのでWIN・WINという事かな?

●つまるところ、塩基価の高いC3を選ぶこと=硫酸灰分が多い ということなので、CaSO4でDPF詰まりを誘発しやすくなる。外車はいいのですが、スカD2.2はDPF容量がちっちゃいとか言われており、オイルキャッチタンクの設置をお勧めします。

負荷試験をしないと解らないが、それにしてもこのDL-1はバランスがよさげで、次回スカDの新車を買ったら、新車の内はこれだね。

粘度の設定を見るとW30としては粘度が高く、燃費の追求よりエンジン保護に振っていることから、企業としてのスタンスが伺える。
Posted at 2021/11/29 18:22:42 | コメント(3) | トラックバック(0) | エンジンオイル | 日記
2021年11月26日 イイね!

PAO系キューミックの手配

キューミックのEURO MULTI SP/C3 5W-40のストックが無くなった。同じものを使ってもいいが、真夏の激坂登りには高温耐性が不足しておりナロードで油性強化が必要と結論付けていた。キューミックには商売を抜きにしてかなりとがったスペックの商品もあり少し試してみたい。

●EURO MULTI SP/C3(16)5W-40
・密度:0.8499g/㎤
・引火点:228℃
・ 40℃動粘度:84.00㎟/s
・100℃動粘度:14.30㎟/s
・粘度指数:177
・塩基価:6.50mgKOH/g

基油はVHVIでAPIのSP規格をクリアしているC3で貴重。W-30を単純に増粘したものとみられ、引火点が低い。メーカーはFM剤は大したものを入れていないという割に当たりがいい。

●EURO MULTI SP/C3(16)5W-30
・密度:0.8511g/㎤
・引火点:240℃★
・ 40℃動粘度:68.20㎟/s
・100℃動粘度:11.80㎟/s
・粘度指数:169
・塩基価:6.50mgKOH/g

基油はVHVIでAPIのSP規格をクリアしているC3で貴重。引火点が240℃とVHVIの市販オイルではずば抜けて高い。ブレンドや増粘して楽しむベースオイルとしては最強。

■Grade-1 XXα SN/C3(12)5W-40
・密度:0.858g/㎤
・引火点:254℃★
・ 40℃動粘度:86.49㎟/s
・100℃動粘度:14.55㎟/s
・粘度指数:176
・塩基価:7.30mgKOH/g★

基油はPAOで引火点がずば抜けて高い。PAOだから粘度指数が高いとは言えないが、引火点温度からすると相当に熱耐性がたかいものと思われる。塩基価もそこそこでありロングドレインの要件は満たしている。

■Multi Diesel DL-1 0W-30
・密度:0.8470g/㎤
・引火点:230℃
・ 40℃動粘度:53.70㎟/s
・100℃動粘度:11.20㎟/s
・粘度指数:209★
・塩基価:4.50mgKOH/g
・硫酸灰分:0.45Mass%★(DL-1は0.6%以下)

基油はPAO+VHVIとしてネットで販売されているが、特にカタログへの記載はない。DL-1の中でも硫酸灰分が特筆するほど低く優秀であり、DPF閉塞対策には良。DPFにいい物はエンジン保護には悪い。この点は理解しておく必要があり、つまるところエンジン保護成分(耐摩耗性)は少ない。

5W-30との性状が全くことなり、同じシリーズのオイルとは思えない。粘度指数、あまりあてにはしていないが、209は見たことが無い。誤記ではないかと思うレベルであり、何の添加剤を入れてこうなっているのか不思議なオイルだ。早速メーカーに確認したが、PAO+VHVIであること粘度指数が209である事は間違いないとのことだ。

PAO+VHVIとしては値段が不自然に高いこともあり、負荷を掛けてみないと解らないが、粘度と摩耗対策をうまくやれば、最強のDL-1である可能性がある。

●Multi Diesel DL-1 5W-30
・密度:0.8532g/㎤
・引火点:230℃
・ 40℃動粘度:52.26㎟/s
・100℃動粘度:9.470㎟/s
・粘度指数:167
・塩基価:3.90mgKOH/g
・硫酸灰分:0.50Mass%(DL-1は0.6%以下)

0W-30との性状が全くことなり、同じシリーズのオイルとは思えない。塩基価が少なく、ブローバイの多い個体ではロングドレインには向かないと考える。

●チョイスしたのは■を付けた2点、楽天で手配
・Grade-1 XXα SN/C3(12)5W-40 25,289円
・Multi Diesel DL-1 0W-30 18,271円

かなり高額だったが、この2種のとんがり具合は特筆ものである。普通の人は絶対に買わないであろう。商売的にはエステルちょこっと入れて、VHVIベースにPAO+エステルで高級オイルが安く買えるというよさげなイメージを作るのが流行りだが、どうせ必要に応じて添加剤で弄り回すので、余計なものは入れなくてよろしい。

埼玉55にとってキューミックシリーズはそのような位置づけのオイルである。メーカー直取引も可能とのことなので、安ければ次回からそうしたい。

●今のところ組み立ては思いつかないが、Grade-1 XXαは冬場は素のままでIF-WS2で決まりであろう。夏場はナロードVI400で増粘&油性強化し、Comp-Rで整えてやるイメージ。このオイルはそこそこロングドレインと見えるので、5000キロまで引っ張って評価したい。7000キロ位余裕で行けそうな感じはしている。

●Multi Diesel DL-1は特に必要性があってポチッたわけでは無いが、一度素のまま入れて、ピュンピュン号が低粘度オイル時にどの程度オイル希釈があるのか測っておきたい。これも2月以降にナロードで増粘バージョンも試したい。

2月にはナロードのDL-1も1缶来るので、手持ちが60Lとほぼ1年分を手配した。オイル量に対して添加剤が少なすぎるので、次回の特売に少し買い足しておきたい。

・キューミック Grade-1 XXα SN/C3(12)5W-40 20L
・キューミック Multi Diesel DL-1 0W-30 20L
・ナロード DLAG030-R DL-1 20L
・ナロード VI400 MPA 500ml
・ナロード Comp-R 1000ml

◼️寄道話し
メーカー直の価格連絡が来た。全てコミコミで1割安い。次回から直接取引にしよう。

オイルの卸値は3ケ月に一度改定しており、1月から新価格になります。原油高の影響があり、値上げ予定とのこと。ペール缶買う人は12月中がいいかもデス。
Posted at 2021/11/26 17:46:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | エンジンオイル | 日記
2021年08月25日 イイね!

Cumic(キューミック)5W-40(高負荷試走編)

以前のブログでご紹介したオイルを高負荷長距離実走試験をしました。

●Cumic(キューミック)5W-40 SP/CF C3 VHVI 1.4万円帯
100℃時動粘度44.74

◇EGR制限プレートは無し

◇タクミのFPBで粘度を3プラス47.74とした。

◇バーダルの遅効性エンジンクリーナーを入れており、オイルとしては汚れやすく油膜保持には厳しい。

◇雨が多く外気温は30℃以下と夏のオイルの耐久試験としては条件が満たせていない。

◇新油馴染み後の評価

◇車体はCX-5 175PS版KFのFFで8.4万キロ走行車。事前にリヴァネスRMC-3Eで丹念にカーボン退治を行っている。

◇エンジンヘッドカバーは付けたまま、オイルフィルターの所のアンダーカバーは通風排熱のため外している。

●4500キロ実走
4500キロ中、2500キロ以上は山道という超ハードな設定をした。

●結果考察と評価

・高負荷時の耐久性(距離):キューミックは4500キロで劣化は小。日中温度の高い時間帯や上り調子の負荷が高いところではメカノイズが増えるが、平地や夜間の気温の低いときは実に静かで滑らかに回っている。オイル交換時に指にとって揉んだが、粘度がまだまだ高く艶もありあと1000キロは普通に走れる。

・4500rpm時のエンジンの保護性能:山岳路で4500rpmまで連続して安心して踏み込めるか?2000~3000rpm強までは少々ガサツキが出ているが、そこから上は爽快なフィールできれいに回る。赤城山の裏(県道251)で3000~4500rpmまで回して登ったが何ら問題は無かった。エンジンマウントが劣化しており中回転域の振動やガサツキに繋がっているとも考えられる。

・1750prmからのアクセルの付き:燃焼室の密閉性能がもたらす独特の感覚だが、街乗りのしやすさにもつながる。トルクで乗る人はここを重視すべし。粘度50と比べると明らかに劣るが、スカDオイルとは比べ物にならないほどアクセルの付きは良好。

アクセルの付きをもう少しと求めるなら、必要以上にオイル粘度を上げるのではなくセタンブースターでセタン価を55程度に調整する方が一発で効果が出てコストも安く賢明である。粘度を上げすぎるとかなり高価なFM剤を入れないと燃費が悪化します。

・全体の滑らかさ:キューミックはFM剤(有機モリブデン)が入っていないので不利ではあるが、油温が高くない時は実に滑らかなフィーリングである。良質なFM剤を入れるのが楽しみになる基油である。

・ブローバイの量:2000キロを超えたあたりで4000rpmでの限界負荷では排気ガスからブローバイ臭さが出ているので吹き抜け量がやや増えていると感じる。加速力は十分なので最大負荷を掛ける人はFPBで若干粘度UP調整が有効と思われる。どの様なエンジン車もブローバイはあり、それが悪ではない。量が多すぎると問題につながる。

・オイルミストの量:粘度50のPAO+エステルと比して、キャッチタンク内の汚れ方は大きかった。オイルフィラーを開けてもすぐに油煙がおさまるので、C3の特性の高温時油膜の粘度が維持できており、蒸発損失率はかなり低いオイルと思われる。

・オイルキャッチ物の量:キューミックは黒茶の粘度が高めのオイル状が少量。捕集物に変な混ざり物が出ていないので、不純物が少なく、質の悪い添加物は入っていないと感じた。

・オイル希釈:希釈は無し。

・新油となじみ後の差:新油となじみ後の差がほぼ無く使いやすくて良い。恐らく蒸発損失率は5%前後ではないかと思われる。DL-1は15%程度、良質な物でも9%程度と聞く。

・燃費:適正粘度設定の追い込みが出来ていないがフィーリングがすこぶるいいのでセッティングが決まったら、燃費チャレンジをしてみます。燃費は発進の仕方と減速時の滑空に大きく左右されます。寄道話しに当たり前だけどというレベルですが発進のコツをまとめました。

・DPF再生間隔:チェックできていませんが、これだけの負荷を掛けたのにオイルミストが極端に少なかったことより相当に良好と思われる。ピュンピュン号がこっそりやっているのだろうが、最近DPF再生しているのを見かけない。

●まとめ
このオイルに関しては経験値の積み上げが無いので、今回の実走経験よりハードな走行を行う場合、35度を超える真夏は少なくともなにがしかの対策(エンジンヘッドカバー外しやオイルフィルターヒートシンクなどの熱対策)が必要であると感じた。街乗りでは不要。粘度の割に軽やかに吹け上がるのでスカDを回して山道を走るタイプと特に相性が良い。

オイル替えるより先にリヴァネスRMC-3Eでしっかりカーボン落としておくと激静かになります。

このオイルのミソは燃費が良く、連続高負荷にもすんなり耐え、ロングライフで、DPFにやさしい。

VHVIでモリブデン無添加のオイルとしては、性能・コストともに群を抜いているというより、今のところ比較する同グレードの相手はいない。特にこの4月よりSNグレードからSPグレードへグレードアップしており、オイルとしての性能が格段に進歩しているのにこの価格は他には無い。しばらくはこのオイルをベースにオイル管理を組み立てることとした。

■寄道話し
停車からの発進について。スカDのATは1~2へ自動シフトアップするときにロックアップせず抜けてしまう回転数がある。あまりの減速比のちがいからシフトショックを起こさないために抜いている物と想像しますが、ここで一気に燃費が悪化するので一般的なAT車の対策を記します。

対策は発進時、必ずクリープさせることである。少しクリープさせてアクセルを少しだけ付けてやると、タイヤの転がりが各段にスムーズになり、車速に応じでアクセルを踏み増すと抜けが防げる。そのまま何事も無かったかのようにどんどんシフトアップして行く。ここらはテイクさんが上手そうだわ。

そうやって1~2速はタイヤの転がりをしっかり作っておいて、加速は3速から4速で60キロ強まで。あとは流れに合わせて定速走行へ入る。燃費は確実にいい数字になりますのでお勧めです。

これは誰かがATを長持ちさせるコツとして車動画ネタでやっていたものです。
Posted at 2021/08/25 18:37:06 | コメント(2) | トラックバック(0) | エンジンオイル | 日記

プロフィール

「ディーゼルエンジンは初めての場合濃度濃いめが良いかもです
500ml位とか」
何シテル?   06/13 18:29
埼玉55です。よろしくお願いします。とにかく長距離ドライブするのが好きです。あとCX-5で未踏破の県は沖縄県のみ。 CX-5をKEからKFと乗り継いでいま...
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