
ブローバイガスから気液分離を行い、インマニ内部を乾いた状態にすることで吸気シャッターバルブ裏面へのPM堆積を抑制したい。
・先のブログ(オイルキャッチタンクの温度差の調整 2022.11.17)で概略理論は説明しましたが、イマイチ解りにくいので補足説明します。
・気液分離はブローバイガス温度を少し下げる事により空気中の水蒸気量が過飽和状態となり、露点温度以下の物体に触れる事により結露して捕集されます。原理は理科のHPなどで調べてください。
・露点温度とは飽和状態のブローバイガスの温度より低い物質(ホース・たわし・タンクの内壁)を触れさせれば露になる温度を言います。つまり、★触れるものの存在とその温度が大切で、たわしを入れない選択はありません。
・よって、飽和状態・過飽和状態に限らず、ガス温度よりタンクの筒やたわしを露点温度以下になるように、タンクを空気の通り道に配し、タンクやたわしから移動した熱が放熱できる仕掛けを施すことにより十分な結露を促し、捕集効果を高める事が出来ます。
・油(高温)と水(低温)の露点温度の違いを利用して温度の階段を作れば、第一タンクに油、第二タンクに水のように分離して捕集する事が可能となります。
★空気中の水蒸気量
35℃:40.0g/m3
30℃:30.0g/m3
25℃:22.5g/m3
20℃:17.5g/m3
10℃:10.0g/m3
ほんの5℃の差で水蒸気量は大きく減らせますので、1℃にこだわる事に大きな意味があります。
●設置環境
CX-5はエンジンの熱を受けにくく容易に設置できるところはエアクリ~バッテリーしかなく、ラジエター付近は熱条件が厳しい。よってエアクリ~バッテリーラインでセッティングを煮詰めてどこまで冷やせるのかという試みとなります。
・タンクの筒外周や底面に銅箔など貼ると、アルミより熱移動が大きく露点温度を作りやすくなります。遮熱板を入れないと銅箔が逆にタンクに熱を伝える役割になってしまう事があります。第一タンクが触れないほど熱くなっているが、レベルゲージから出てくるガスはそれほど熱くないのはアルミタンクが吸熱している事になり、これでは露点を造り出せません。底面はヒートシンクも面白そうです。

・遮熱板:ラジエターの熱がエアクリ~バッテリーラインに来ないようにアルミの遮熱板(100均のガスコンロのついたて)を設置
●ログ
11/22 外気温11℃ 第一タンク21℃ 第二タンク19℃ インタークーラー出口14℃
11/25 外気温13℃ 第一タンク24℃ 第二タンク21℃ インタークーラー出口17℃

11/28 外気温 9℃ 第一タンク21℃ 第二タンク16℃ インタークーラー出口13℃
●走行シーン
朝、娘を駅まで送って行きついでに9キロのコースをクルッと一回りして、自宅でチェックします。街中なのでストップ&ゴーの繰り返しになり油温は80~85℃くらいで完全暖気には至りません。
・高負荷走行後、オイルフィラーを開けて油煙がモクモク状態でタンク温度がどうなるか?まだまだデーター取りが必要です。
●遮熱板
遮熱板はいい仕事をします。一気に温度環境が改善しますので、色々試してしっかりセパレートできるようにしたいとおもいます。
・常用回転域でのブローバイガスはそれほど熱いもの(4000rpmくらい回すとさすがに熱い)ではありません。タンクやホースはエンジン内の熱を受けて熱くなります。アルミ材は熱移動の多い材なので、中身が熱いと放熱に良いのですが、外が熱いと熱を吸収してタンクが熱くなります。
・それゆえ、エアクリ~バッテリーラインを遮熱板で囲って、エンジンの熱が伝わらない工夫をするのがいいかと考えております。
●まとめ
・常用速度域においてブローバイガスはそれほど熱々ではない
・遮熱板を適切に配し、エンジンの熱をタンクやホースに伝えない
・タンクやホースに熱移動量の多い素材を貼り付け放熱させ露点温度以下の状況を作る
・タンクは本来熱移動の大きいアルミの薄板が良いが中華製の削りだしは総じて分厚い
・空気の通り道を考える
・複数タンクを設置する場合は温度の階段を作らなければならない
色々工夫してみてください。うまくできると真夏でも捕集できます。
Posted at 2022/11/28 12:25:27 | |
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