
先日アップした
ガレージと居室の境界あたりの断熱が不連続となっていた部分について、対策が完了した様子を見に行ってきました。
(と言っても、実際に見に行ってきたのは一昨日のことで、355で参加したツーリングの帰りにその足で見に行ってきたものです。ブログが今日にずれ込んだのは、書くことが重なってしまったからです。)
断熱が不連続となっていた代表的なところでいうと、ガレージとリビングの境界のところです。柱の角と断熱材の角が当たる状態になっていて、外扱いのガレージとリビングの間に熱の通り道があった問題です。
すでに改修が終わっていて、こういう感じの見た目になっていました。
上述の図に書いた対策案のように修正されれば断熱は繋がるので十分なのですが、実際には、板と板の切れ目と固定方法の都合やツライチに仕上げる都合などがあって、盛大に断熱材が使われることになりました。壁の中の柱の部屋から見て外側にも追加の断熱材を入れたうえでこうなっています。
絵で描くとこういう感じ。

左図のように図面上で柱のちょっと上まで断熱材を少しだけ伸ばすというのが仕上げにくいということで、右図のようにガレージ内壁全部に貼られることになったということです。
ガレージ反対側も同様です。
結果、ガレージの壁が内側にも外側にも高性能な断熱材が貼られることになり、そこだけを見ると無用に過剰なことになりました。居室からみて外を包みたかっただけなのですが、まあいいでしょう。「壁の中すらも部屋の中扱いにした」状態に近い施工となりましたが、目的は達せられているのでよしとします。
ところで、木造住宅で一般的に行われる「壁の中で柱と柱の間の空間に断熱材を入れて断熱する方法」であれば、そもそもこういうややこしさは生まれませんね。外張り工法だと、壁がT字になっているところで、何も考えないと今回みたいに壁の厚みで不連続になってしまうことになるので、ちゃんと考えないといけません(詳細設計をした設計者さんには最初から気付いてよって気もしますが、間に合ったのでよしとします)。
そもそも外張り断熱工法は、
・柱などの構造木質部も外から包めるため、高性能な断熱材に比較して熱伝導率がやや高い木材部の断熱もできる、
・実効的な断熱性能が出ない原因である「隙間」をなくすことがやりやすい(本来はです。今回はNGでしたが)、
・家の構造部材も部屋の中と同じ環境に置かれることとなるため、構造部材が湿気や気温差の影響をほぼ受けない、
・梁と柱を繋ぐ金物がヒートブリッジになるようなこともそもそもない、
・剛性の高い材なので経年劣化で断熱材が下がってくるようなこともない、
という基本的な機能・性能メリットがあるうえに、実は、部屋を実質的に広く使うことができるメリットもあります。
というのは、外張りにすると家が外にちょっと太ることになりますが、「建蔽率・容積率は柱芯で計算する」ので、それによって中の部屋を狭くしなければいけないわけではないからです。むしろ、壁の中には断熱材がないので、家の外側の壁なのにニッチ収納を壁の中に作ることができます。建蔽率や容積率キワキワで設計しているような場合には、部屋が実質的に広く使えるようになるということです。
外張り断熱はちょっと高いというのがデメリットですが、メリットが大変に大きいと思います。
家の正面外側はこういう感じのイメージになる予定(最終的な色はこれとは異なります)なのですが、
断熱材は外装全体にくまなく貼り終えていました。
着実に進んできました。
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Posted at
2023/04/04 20:13:02