
写真は、嫁さんが結婚前から持っていたバターナイフです。話を聞くに、大学入学で上京するときに、実家にあったものを持ってきたものとか。ウン十年前のものですね。
うちには何本かバターナイフがあるのですが、このバターナイフの使い心地がとてもいいのです。
カーブの仕方と刃の薄さが絶妙で、

加えて柄がしっかりあるからだと思いますが、バターやマーガリンの表面の削り心地が良くて、パンにも塗りやすいのです。
よくあるマーガリンの蓋の端っこの切り欠きのところに挟み込んでおくのには向きませんけどね。
ALLEXの刻印があるので調べてみると、

刃物の街、関市にある林刃物株式会社(http://www.allex-japan.com/)というところの製品のようです。
ここは、一般的な鋏も作っているようですが、医療用刃物、食物加工器具用の特殊な刃などを製造しているメーカのようです。どおりでちゃんとしているわけだ。
ペーパーナイフは今も作られているようですが、今はバターナイフは製品ラインナップになさそうです。もしかすると、ALLEXのバターナイフを使っているというのは、珍しいことなのかも知れません。
まだ問題なく使えるといえば使えるのですが、木の柄の劣化が進んでいて、留め金のところで割れてきています。

ガタ付きが生じたりはまではしていませんが、このまま放っておくと柄が外れてしまうでしょう。
また、もともとは表面に保護剤が塗ってあったと思いますが、長年の使用で木地そのままのかさかさになっています。
そこで、割れを補修してニスを塗り直すことにしました。Moddoreが完成し、休みの日に時間を持て余していることも修繕の後押しになりました。
割れ補修には、エポキシ+タルクを使うことにしました。
エポキシ接着剤を少し出して、

タルク(ベビーパウダー)をまぜて、

様子を見ながら馴染ませるように練りこんでいきます。
マスキングテープを刃のところに二重に巻き、

留め金から刃の方に掛けての割れているところにそれをヘラで充填していきます。
マスキングテープを一重だけはがすことで、はみ出た部分を除去して硬化待ち。
普通の木工用パテでも割れた隙間を埋めることはできますが、強度はまったくありません。そのため、再度の割れや割れの進行を防ぐことはできないでしょう。これならば、ベースがエポキシ接着剤なので強度に期待でき、補修後に同じ場所が割れることはまずないと思います。
十分に硬化した後に、

220番で大まかに平らにして、

600番、1000番で整えました。
1000番はいらないかもしれませんが、真鍮の留め金の表面の傷消しが主な目的です。
そこから元の色に似た色の水性ニス(アクリル)を塗っていきます。

これ↑は塗り1回目。
ちょっとニスは薄めにして、ガーゼで擦り込むように薄く4回塗りました。
タルク入りエポキシで埋めたところは、ニスが浸透しないので白い線が残りますが、それもまた直した味になって良いかなと思います。
強度のことしか考えていなかったので、刃側の割れ中心に補修したのですが、もっと全体に溝を埋める補修をしても良かったかもしれませんね。
まあ、これでいいことにします。
これでしばらくはこのバターナイフを使い続けられるかな。
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2024/05/27 20:19:12