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2024年08月29日

情報収集補足

情報収集補足 昨日の情報収集の補足です。
備忘録として自分向けに書き残しておくことを兼ねて、ソレノイドバルブの逆動作について、もう少し書いておきます。

355用のソレノイドバルブ(部番: 159177)はこれです。


車に取り付けてある姿勢になるように写真を回転させ、接続先を追記するとこういう感じになります。

出口と書いたニップルの先に排気バイパスバルブが取り付けられ、入口のニップルの先にエンジン吸気負圧と繋がる負圧タンクが取り付けられます。
ソレノイドが通電されていないときには、出口は大気解放となるので、排気バイパスバルブは平常時の閉じた状態となります。
ECUがバイパス経路を開ける必要があると判断したとき(あるいは、手動スイッチで操作したとき)、ソレノイドが通電されて出口が負圧となり、排気バイパスバルブが動く仕掛けです。

このフェラーリ純正のソレノイドバルブに似た形の他社用のソレノイドバルブにはこんなようなものがあります。


左が日産用で、右がトヨタ用です。

355用のものに似た形のものを選んでみましたが、入口となる下側のニップルがL字に曲がっていなくて真っ直ぐのものや、上側の大気解放部が出っ張っていなくて筐体の中に隠れているものなどがあります。

日産用のもので内部構造の模式図を描くと、こういう感じです。


(この絵の中のソレノイド単体は、Moddoreのロック棒の出し入れで使ったものと同じようなものでしょう。)

・通電なしの初期状態では、赤色で示したバルブが下側の入口と出口の間にあって、出口が大気解放部と繋がっている状態(水色)となります。
・通電すると、赤いバルブがソレノイドに引き込まれて入口の上にいき、入口と出口が繋がった状態(黄色)になります。

車用のこのタイプのソレノイドバルブは、どのメーカーのものも同じような構造だと思います。

さて、昨日のブログで書いた通り、カプリスト製Eurospares保証の排気バイパスバルブは、純正とは異なり平常時が開きのタイプです。この2社ともに、ソレノイドバルブもセットになっているのですが、下側の入口と上側の大気解放のエアの接続を入れ替えたいためにそうしているのだと思います。

先のトヨタ用のソレノイドバルブを例にとると、このソレノイドバルブには、実は上側にもニップルが付いています。


この入口2のニップルに、大気解放用の小さいフィルターが付けてあるのです。
それに対して、フェラーリ純正のソレノイドバルブには大気解放側にニップルはなく、筐体上部の穴に直接フィルターが被せてある構造だと思われます。したがって、上側にゴムホースを繋ぐことができず、上下を入れ替えることができません。これが、別のソレノイドバルブを付属している理由でしょう。

カプリストのソレノイドバルブを、こびさんの整備手帳で拝見すると、こういう感じになっています。


上側が負圧タンク、下側が大気解放になっています。こうすれば、ソレノイドの電気的ON/OFFと負圧/大気解放の関係を入れ替えることができます。排気バイパスバルブの開閉逆の辻褄を合わせることができるというわけです。

Eurosparesのものも、商品写真の解像度が低くてわかりにくいのですが、同じようになっています。


さて、正常に機能している間は、この構成でまったく問題ないと思いますが、壊れたときのフェイルセーフ設計としてはちょっとイマイチな感じがします。
そもそも、平常時が開きの排気バイパスバルブを使うのは、負圧系に問題がおきたときに排気バイパスを開けておきたいからだと思います。それに対し、上記のソレノイド動作にしてしまうと、ソレノイドが電気的に壊れたときには排気バイパスを閉めてしまうことになります。フェイル時の挙動が2つの構成物の間でちぐはぐなのですよね。

やはり、ソレノイドのON/OFFと負圧/大気解放の関係は、通常のまま(355純正と同じ)にしておいて、ソレノイドへの通電の仕方の方を入れ替える方がいいと思います。そうすれば、ソレノイドが壊れたときにもバルブ開きにできます。

じゃあ、それはどうすれば良いか?

まず、純正状態でソレノイドバルブの電気的接続は、こうなっているようです。自分で確認していないのですけどね。


ECUはV1をアースに落とすか否かで、ソレノイドの通電を制御します。私の車もそうですが、多くの車はこれに手動スイッチを追加していることと思います。それはこういう感じですね。


ECUがアースに落とす経路に並列にスイッチを付けて、手動でもソレノイドを通電できるようにしたものです。
ただしこれをやると、スイッチを入れた瞬間に、「CHECK ENGINE 5-8」というエラーランプが一瞬光るようになります。私の車もそうです。ソレノイドがあるはずの経路がアースに落ちることから、ECUが異常として検知するのでしょう。でも、エラーは一瞬で消えるので大勢に影響はないものなのでしょう。私は爆音スイッチを入れたのか切ったのかを判別するランプとして、むしろ便利に使っています。本当はエラーが出ないようにした方がいい[*]のでしょうけどね。

また、ECUによる制御を完全になくして、マニュアルスイッチだけにする配線にしている場合もあるそうです。これは、ソレノイドからECUに入る線を切ってしまって、爆音スイッチを取り付ける方法なのでしょう。(これではECUがエラーを吐くようなら、切ってしまったところにダミー抵抗を介して+12Vに接続しておく必要があるかも。)


配線的には、ECUと並列にスイッチを入れる方がむしろ簡単だと思うのですが、ECUをわざわざ殺すのはどうしてなのでしょうかね? 先のエラー点灯を避けたいから???
逆に言えば、私のように中古で355を買った人にとっては、爆音スイッチを押した瞬間にだけ「CHECK ENGINE 5-8」が点灯するようだったら、ECUの配線は生きていると判別できるという見方もできるかも知れません。

さて、本題に戻って、ソレノイドのエア配管を入れ替えるのではなく、電気的制御を入れ替えるにはどうすればいいかですが、こういう感じの回路を既存の配線に間にはさみ込めばいいと思います。


トランジスタを1つ使って、信号のON/OFFを反転させる仕掛けです。Moddoreでいっぱい使っているやつです。ソレノイドにはそれなりに電流が流れるので、パワートランジスタを使う必要があるでしょう。
ただし、カプラの雄雌の間に回路をはさみ込むだけで済ますことはできず、追加回路には電源系としてアース線を1本追加する必要があります。ケーブルが1本伸びたちょっと不格好なものにはなってしまいます。

ここで、抵抗RはECUから見たときにソレノイドを模擬するダミーの抵抗です。できれば無駄に熱を出したくないので大きい方がいいのですが、大きすぎるとECUがエラーを吐くかもしれません。ソレノイドに合わせるならば50Ω程度となると思われますが、1kΩとかにしたいところです。なんとなく大丈夫な気がします。

さてさて、能書きがさらに増えてしまいました。
能書きは良いから早く現物をチェックすれば?と聞こえてきそうです(^^;。

薄々思っているのですが(先のブログにコメントをいただいたりもしたのですが)、排気バイパスバルブの軸の潤滑を良くするだけで直るんじゃないか説もあるので、おいおいチェックします。


[*] おまけ

こびさんは、このエラー対策をされていますね。上述の回路図に合わせて描くならば、こびさんの回路はこうなります。


確かにこうすれば、ECUによる制御は生かしたまま、マニュアルスイッチの影響を分離できます。この場合もダミー抵抗のRの値をどうするのかがありますね。かなり大きくしても問題ない気がします。
そして、このエラー回避回路と信号反転回路とを併用することも問題なくできるでしょう(ダミー抵抗の値は見直すことになります)。
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Posted at 2024/08/29 21:06:29

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この記事へのコメント

2024年8月30日 12:30
お久しぶりです。ネタに使って頂いて嬉しいです。
不具合の原因探しは疲れますが、解決できた時の気持ちよさを求めて頑張れるんですよね。
車の下で一人作業で確認する時は、ソレノイド二次側配線を適当な配線で近くにアース落としで電気的な確認をしていました。
針の様な細いテストリードがあると便利です。
また、エンジンを掛けずにバキュームの作動を見るのはバイク用品屋さんで売っているちょっと大きめ?の注射器(シリンジ)💉をホースで繋いで引っ張ることで動きを見ていました。参考になれば幸いです。
頑張ってくださいね👍
あと、純正作動はアクチュエーターの動きがもったりしているので、ECU制御時は開き始めてから全開までに時間が掛かるのに対して逆作動は瞬間で全開になるため1速ベタ踏みの様な場面では早く音が変わるメリットがあると思っていました。
コメントへの返答
2024年8月30日 13:22
こんにちは。

もはや伝説のこびさんご本人からコメントいただき大変嬉しいです。
私はこびさんのようにはいろいろ自分ではできませんが、このくらいの問題ならば、なんとか自分でできないかと思っているところです。工夫を入れる修理は業者さんにはお願いしにくいですしね。

助言ありがとうございます。はい、テスト用にと思って、シリンジとホースをアリエクで発注中です。(^o^

なるほど逆動作の方が速いのですね。
ソレノイドの動作方向としては同じ(排気バイパスを開けるときにソレノイドを引き込む)と思いますが、
・ソレノイドの反応自体が純正より速い、
・平常時閉めの排気バイパスバルブの場合、配管内とダイヤフラムケース内の負圧が高まるまでの時間遅れがあるのに対して、平常時開きの排気バイパスバルブの場合、バルブ内バネで一瞬で戻る(わずかでもソレノイドバルブが開いた瞬間に大気解放されてすぐ)、
ということですね、きっと。

あと、こびさんの整備手帳のこの絵(https://minkara.carview.co.jp/image.aspx?src=https%3a%2f%2fcdn.snsimg.carview.co.jp%2fminkara%2fnote%2f000%2f001%2f788%2f458%2f1788458%2fp1.jpg%3fct%3d2a02e9e7bcb6)は、ゴムホースの接続を変えてソレノイドバルブをバイパスし、負圧を直接排気バイパスバルブに繋いでいる状態ですね。
あまりそういう解説がなかったので、絵を見てなんか違うぞ??と最初わからず、よく見たらそういうことだなと思いました。ソレノイドの影響を排除して排気バイパスバルブを直接チェックするとか、ソレノイドに負圧負荷がない場合の動きに差がないかとか。これも参考になります。

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「@プリマヴェーラさん、 あ゛あぁぁ、遅れたのが災いしてもうすでにダメかも」
何シテル?   08/08 13:25
2021年にF355を購入したことを契機にみんカラを始めました。案外向いているようで、今のところ続いています。 スーパーカーブームの頃、一番好きな車はミウ...
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