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イイね!
2025年03月11日

そのカーポート、大丈夫ですか?

そのカーポート、大丈夫ですか? みんカラには建築関係の方も多いと思いますので、釈迦に説法な方もいらっしゃることと思います。少し前のブログで書いた通り、今カーポートを建てようと構想しているのですが、いろいろと調べているとなんだか変な風潮だよなぁと思うことがあるのですよね。それをブログに書いてみようかと思います。

もしも、私の認識が誤っているようでしたら、どんどんご指摘ください。


まず、カーポートの前に、そもそも日本において建築物を建設するにあたっては、事前に「建築確認申請」が必要です。合わせて、申請通りの建築が行われているのかの確認も必須です。
もしも、野放図な建築を許してしまえば、
・いかにも地震で壊れそうな物を建てて危険に晒すかもしれませんし、
・建蔽率・容積率を無視して街並みが維持できなくなるかもしれませんし、
・燃えやすい建材の利用によって延焼の危険が増すかもしれませんし、
・排水をその辺に垂れ流すことを許してしまうかもしれません。
皆で住む街を維持するにあたっての当然の規制だと思います。

それが、ことカーポートのことになると、
 「カーポートを建てるにあたって、建築確認申請をする必要はない
 「カーポートくらいだったら、勝手に建てても構わない
と認識している人が少なくないように思うのです。むしろそれが普通の人の感覚になっている気すらします。ですが、少なくとも原則論としてはそんなことはないでしょう。カーポートはどう見ても「建築物」です。地面に固定された柱が立っていて、屋根が架かっているんですからね。

ただし、一定の基準を満たしたカーポートについては、「高い開放性を有すると認めて指定する構造」の建築物と見做されて、
 「周囲1mを建築面積から免除する」
というルールが適用されることになります。この周囲1m免除ルールに加えて、
 「10m2未満の建築物は建築確認申請をしなくてよい」
という別のルールがあるため、それらの合わせ技で建築確認申請をする必要がなくなる場合が「多い」というだけでしょう。

例えば、典型的な1台用の2.7m x 5.5mサイズのカーポートであれば、中心部の0.7m x 3.5m = 2.45m2だけが建築面積と見做されることになるため、建築確認申請をしなくてもよくなるというわけです。
(ただし、そのルールさえ守れば合法というわけでもないようです。地域によっては、道路境界から建物構造物を1m以上後退させなければならないところもあり、カーポートの柱が条例違反している可能性があります。)


それに対して、例えば2台用の5.5m x 5.5mサイズのカーポートの場合、周囲1mが免除されたとしても3.5m x 3.5m=12.25m2となりますから、10m2を超えることとなり建築確認申請が必要です。


もしも建蔽率ギリギリで家本体が建てられていたならば、建築面積を増やすことは無理で許可はおりません。でも、建蔽率に余裕がなさそうな敷地なのに、2台用カーポートがあることは珍しくない気がしますよね。
それは、「カーポートには建築確認がいらない」という誤った風潮があることを利用して、違法性を知りながら建築確認申請をすることなくカーポート建築を請け負う業者が少なくないためだろうと思っています。2台用の方がより儲かりますからね。さらには、依頼者側も違法性を知りながら便乗している場合もあるかもしれません。建築面積が増えると固定資産税が増えたりもしますからね。

また、カーポートに後からDIYで壁を付ける人もそこそこいると思います。車を風雨からガードしたい気持ちはたいへんよくわかりますが、壁を一面でも付けてしまえば、特例的に認められていた「高い開放性を有する」建物ではなくなります。建築面積が変わるし建築方法も変わりますから、改めて建築確認申請をする必要があるでしょう。でも実際には、多くの場合はダマでの違法行為となっているでしょうね。周囲1m免除ルールの適用がなくなると、建蔽率違反になることも十分に考えられます。
さらには、
・DIYで使いそうな防火性能の低い建材を使っていたりすれば、延焼の危険性を増しているかも知れませんし、
強度計算に入っていない壁が増えることで、強風時にカーポートの柱が折れてしまうかも知れませんし(メーカオプションのサイドパネルを付ける場合、補助柱を増やす必要があるカーポートが実際あります)、
・DIYで付けた壁が飛んでいって歩行者を傷つけることになるかもしれません。
家の中の棚を作るのとはわけが違います

もっと言えば、単管パイプとホームセンターで入手できる波板なんかを使って、ゼロからカーポートを建てているような人も結構いますよね。


防火性も強度も相当怪しいですが、仮に満たせていたとしても、「高い開放性を有する」建物にはなりませんから(単管パイプで、壁や筋交なしで柱間隔2m以上の構造物は作れないでしょう)、カーポートの大きさの場合には確実に10m2を超えることになるはずで、建築確認申請は必須でしょう。でもおそらくはダマで建てているに違いない気がします。本当に安全性が担保されていますか?という疑問も浮かびます。

それから、カーポートの高い開放性ルールと同様に、1m以上ある立派な軒は、1m分を除き建築面積に含める必要があるというルールもあります。1m未満の軒は建築面積から除外するルールの裏返しですね。


もしも、既存の建物に接続してカーポートを建てようとしたならば、それは家に軒を増築する行為に他なりません。したがって、独立して建てれば建築確認申請が不要であった1台用カーポートを用いたとしても、建築確認申請が必要となると思います。(後日追記:どういう場合が増築となるのかについて後日別ブログに書きました)
先の単管パイプでの自作においては、既存の家の壁に桁を取り付けて、それに屋根を架けるようなことをしている人もいますね。完全に単なる違法増築だと思います。

関連して、安全性には十分配慮して建築するとしても、固定資産税を増やしたくないがために、建築確認申請なしで増築したがる風潮もあリますよね。増築しても「見つからなければいい」と思っている人が多いように思うということです。私は資産価値を上げる行為をするのであれば、固定資産税が増えるのは当たり前のことだと思います。バレなきゃいいという発想は、確定申告分とは別に所得隠しをする脱税行為と似たようなものだと感じます。税金には思うことがいろいろありますが、脱税は脱税、違法は違法です。

近所の人の通報等によって未申請の建築物が役所の知れるところとなり、後から追加の資産判定をやり直すようなことになる場合が少なくないようですが、そのときに見つかったことを悔しがるような発想となるのもちょっと変ですよね。でもなぜか、それが普通の感覚になっている気もします。ちゃんと申請している人との公平性の観点からも、私は許されないと思いますけどね。
また、依頼した業者に任せていただけで、法律違反になるとは知らなかったという場合もあると思いますが、知らないことは免罪符にはならないでしょう。

あっと、ここまで書いてきて、もしかするとご自身のカーポートが該当するかも知れないと思った方がいらっしゃるかも知れません。そういう場合は、私が何を思おうがブログに何を書こうが何の影響力もありませんので、そっと胸にしまわれるのが吉かと思います。


あ、そうそう。3年ほど前に有名になったので、知っている人も多いと思いますが、こんな階段が付けられたシャネルの店舗があるそうですね。


よく見ると、階段の下に車輪が付いています。そうこの階段は、建築物ではなく、移動できる車であるという方便なのです。たまたま建物のそばにこの階段台車が停めてあるだけというロジックなのです。

元々は、外階段がない建物だったようなのですが、2階を独立した店にしたかったんでしょうね。おそらくは、建蔽率か容積率の問題で階段を増築することができず、苦肉の策として階段台車を作ったと言われています。


まあでもこれで違法ではなくなるかもしれませんが、法律の網を搔い潜った脱法行為だとは思いますね。せめて建築物として作る場合と同等の基準でものができていて欲しいと思います。


で、これでふと思いました。ガレージやカーポートを建てたいんだけど、建蔽率が厳しいような場合には、こんな感じで移動できるようにしてはいかがでしょ?



いや冗談ですよ。むしろ危険そうなので、やめた方がいいでしょう。


さて、私が実際に建てようとしているカーポートについては、また別途書きます。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2025/03/11 20:57:26

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この記事へのコメント

2025年3月11日 21:44
SNJ_Uさん、こんばんは、
いつもお世話になっております🤗
カーポート、屋根付けると建蔽率に引っかかる為に、「家と見なされる為」税金がかかる為に、皆様、新築ならば家の許可が降りて、1年経ち、バレないだろうと、屋根付きカーポート建てるのが多いですね、
「隣りの住民がお隣さん、屋根付きカーポート建ててると役所に告げ口し、バレると、カーポート屋根を付けたので、敷地建物と見なされ建蔽率違反、または、税金が加算されます」😰

因みに、家の下のガレージを建てても建蔽率になり税金は莫大に高くなります、
また、敷地が160坪あっても、建蔽率、建物を建てて良い坪数も有り、土地が広くても建物は、たった60坪前後、区、市に寄っても建蔽率のお陰で建物を広く建てられ無い、
許可が出来ない区、市も有ります、名古屋は建蔽率が有り住みづらいです、
土地、家を建てた時、なんじゃそれって、
勉強になり、凹みました😰❤️
コメントへの返答
2025年3月12日 4:54
おはようございます。

建蔽率40%の地域にお住まいでしょうか。他にも、道路斜線制限や高さ制限、防火区域や景観区域の規制、敷地の形や傾斜地等々の理由で、建築が制限されることがあるので、土地ごとに個別によく確認する必要がありますね。家なんて滅多に建てないから、不慣れでなかなか気が回りませんけどね。

ハウスメーカーさんは、良かれと思って建築できるギリギリに近いプランを作ってくることが多いと思います。なので、後でガレージやカーポート(建築確認申請不要なものを除く)を建てたいと考えている場合には、それも込みで事前に考えておく必要がありますね。
2025年3月11日 21:51
私の近所に、外構工事全般を扱う会社からガレージ設営の事業だけを切り出して営んでいる会社があります。
その社長さんによると、お客様から、建築確認申請をしてほしいと要請があった場合、断る業者が多い、おそらく半数程度あるだろうとのことでした。
建築確認申請は煩雑なので、請け負うとしたら、それなりの代行費用を請求することになるのでしょうか、面倒過ぎて割に合わないと捉えるのだろうとのことでした。ゆえに、費用を払う側はもちろん、請け負う側からも、建築確認申請ナシという流れになるようです。

かくいう、私の場合、2台用カーポートの設置経験が3回ありますが、いずれも建築確認申請はしていません。

ただし、前述の社長さんに出会い・・・
コメントへの返答
2025年3月12日 5:06
あっと、その話もYoutube(のコメント欄)で見ました。建築確認申請が苦手なカーポート施工業者ってダメでしょそんなん!? って思いましたが、やはり現実に業界の人がそう言うのだからそうなのでしょうね。いつもは建築確認申請不要のペーパーワーク不要の商売をしていたら、そうなっちゃうのかも知れませんけど。
挙げ句の果てには、カーポートの建築確認は全部なくせ!とうそぶく業者関係者まで現れる始末で、法律の趣旨を理解していない業者もいるんだなぁと思いました。素人を守るためには、行政に指導していただきたいなぁと思います。
2025年3月12日 1:47
素人なので、建蔽率はかなり建築前に勉強しました。こちらは40%と厳しい地区でした。しかし、周りの接道や公園に面してることなどで、例外が認められて50%になりました。これはいろんなハウスメーカーや工務店も盲点で知らず、そのまま任せてたら40%で建ててました。田舎で敷地面積が広いので10%は大きいです。軒の出やカーポートなども解決でき、建築確認とその後の固定資産税調査も無事受けることができました。世の中、知る知らないで大きな違いが出ることが多いですね😅
コメントへの返答
2025年3月12日 7:18
その建蔽率50%のお話は、以前にブログで拝見しました。当該土地そのもの以外を見ていないのか、未経験だからなのかわかりませんが、プロとしてお粗末だなぁと感じてしまいます。でも、土地の広いおおらかな地域だとそんなもんなのかも知れませんね。土地が狭く高い地域では、公園の側の利点(建蔽率の他にも道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限緩和の可能性)は、めっちゃ気にすると思います。

建蔽率40%の地域だと、空が広くて家並みがのびのびゆったりしていて良いでしょうね。うちの周りは60%のごく一般的な水準なので、ありがちにごみごみしています。私のうちは約50%でややゆったりめ(増築余地がある側面もあるわけです)なのですけど、周りはほとんどすべてギリギリで建っていると思います。土地の狭い日本ではこんなものだと思いますが、ゆったりしている地域は閑静でいいなぁと思ったりします。
2025年3月12日 7:52
おはようございます、名古屋に引っ越して来て、びっくりしました、以前は藤沢市片瀬に住んでたんですけど、今は別宅になってますが😰、名古屋名東区、介護で、こちらに住んでますけど、土地が無くて、名東区は高級住宅地、建蔽率ってあって、平坦な場所と周りにマンションなど無い場所考えると駐車場の敷地購入したんですけど、いやはや参りました、家寄りも土地の方が高くて、片瀬の方が住み易いし土地安いし、土地巡りして勉強になり、楽しかった頃思い出しました、
懐かしいですね🤗❤️
コメントへの返答
2025年3月12日 13:17
名古屋市名東区の中でも、第一種低層住居専用地域(≒高級住宅街)にお住まいなのでしょう。
建蔽率が高い地域を基準にしてしまうと、ものがあまり建てられない不満は出るかも知れませんね。一方で、建蔽率が抑えられている地域は、家並みがゆったりしていてごちゃごちゃしておらず、閑静でいいなぁと羨ましかったりもします。いっぱい建てるには、広い土地が必要ですね。
2025年3月12日 13:31
SNJ_Uさん、160坪で建てらるのは50坪前後って、名古屋名東区、あきまへん😰
建築寄りも庭が広いって、、建てられないのに広々って、、最悪です😰
コメントへの返答
2025年3月12日 14:06
ということは、きっと一般的に適用される中では最も厳しい基準となる建蔽率30%の地域なのでしょうね。少し調べると名東区も一般的な60%の地域が多いようですので、お住いのエリアが特別に厳しい地域なのだと思いますよ。
https://cityzone.mapexpert.net/ZoneMap?L=23115&N=%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E5%B8%82%E5%90%8D%E6%9D%B1%E5%8C%BA
クリックすれば建蔽率がわかります。

湘南エリアにはゆとりのある広い土地がないので、藤沢だと最も厳しい建蔽率でも50%が下限のようですね。
ちなみに、宇都宮の第一種低層住宅専用地域の建蔽率は40%が下限です。30%のところはないようです。私の家のある地域は60%なので、田舎のくせにごちゃごちゃしています。
2025年3月12日 14:38
SNJ_Uさん、ありがとうございました、
名東区一社よもぎ台なんです、建蔽率が調べられるって、有り難いです、
駐車場が大きい為、管理してるのは不動産に任せてあるのですが、処分したい土地も有り
、地域の建蔽率など分かれば土地の価値なども分かりそうです、SNJ_Uさん、色々、丁寧に調べて貰い有り難う御座います、
色んな事、これからも教えてくださいませ、
宜しくお願いします🙇❤️
コメントへの返答
2025年3月12日 18:20
いえいえ、お役に立てたならば嬉しい限りです。

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「@プリマヴェーラさん、 あ゛あぁぁ、遅れたのが災いしてもうすでにダメかも」
何シテル?   08/08 13:25
2021年にF355を購入したことを契機にみんカラを始めました。案外向いているようで、今のところ続いています。 スーパーカーブームの頃、一番好きな車はミウ...
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