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よしひこ@のブログ一覧

2015年01月12日 イイね!

過給圧をビンビン♂に!



リサーキュレーションバルブ。



知らない人からすれば、「?」となるこの部品。



ざっくり言ってしまえば、「日産純正のブローオフバルブ」のこと。



スロットルが開いてれば、ターボで過給した空気がそのままサージタンクに行って、開いたバルブから燃焼室に流れ込む。
でも、スロットルが閉じられて、過給された空気が行き場を無くすと、このバルブが開いて、タービンの前のインテークパイプ内に戻される。


だから「リサーキュレーション(再循環)」バルブ。

確かに「ブローオフ(吹き飛ばす/吹き払う)」ではない。
純正部品の名前って面白いね。

・・・閑話休題。


もしこれが無い場合、或いは俗に「殺された」と呼ばれる状態の場合、タービンにブレーキがかかるような感じになる。

いわゆる「バックタービン仕様」ってやつ。
バックタービン仕様の車が出す、あの「ひゅろろろろ~・・・」って音の原因がこれ。


圧縮した空気がタービンのほうに戻っていって、吸気管の中でごちゃごちゃ訳わかんないことになるからなる音・・・って自分では解釈してます。(つまり空気同士の干渉音かなって思ってる。)


「わい、ターボ車乗ってるで!」って感じが出てかっこいいな、と思うけど、タービンにブレーキがかかるということは、タービンの羽の回転が遅くなる、或いは止まるってこと。(たぶん)

当然、タービンの軸には負担が掛かる。
(ていっても、エンジンブレーキ状態なら排気ガスはほとんど出てないだろうから、そんなに高負荷じゃない・・・とは思う。ブースト圧がべらぼーに高ければ話は別だろうけど。2kとか2.5kとか。)


一回止まったものをまた排気ガスで回して過給をしないといけないから、レスポンスも悪くなる。(はず)


だから、このリサーキュレーションバルブは有った方がタービンにもやさしいし、ブーストの立ち上がりも良くなる。はず。


でも、「ある理由」から、リサーキュレーションバルブを殺した状態にしてたのです。

その「ある理由」ってのが、今回のお題。



日産のターボ車についてるリサーキュレーションバルブには、なぜか小さい穴が開いてる。


こんなかんじ。

ER34スカイラインのリサーキュレーションバルブにもこの穴はあるみたい。
スカイラインGT-RとかパルサーGTI-Rとか、AWDのターボは・・・分からない。たぶん開いてるかも。

この穴、少し過給圧を漏らすように開いてるんです。
スロットル直前とタービン前がちょーっと繋がってる。


図にするとこんな感じ。
青い線が空気の流れ。


当然ブースト圧の掛かりは悪くなる。
じゃなんであるの?ってなるけど、ブーストの立ち上がりを抑えることで、パワーのあるFRを乗りやすくするためらしい。


確かにパワーの出方は穏やかで乗りやすくなるかもしれない。
でもこれがあるせいで、アクセルを踏みなおしたときとか、ターボの掛かり切らない「NA領域(って勝手に呼んでる)」でのピックアップが悪くなる。

ぶっちゃけ、「NA領域」のピックアップはどうでもいい。
でもアクセルを踏みなおして一度過給圧が落ち込んだとき、少しでも素早く過給させて加速体制に移りたい。


そのためにはこの穴がジャマになる。
埋めてしまえば、すべて解決なんだけど、まず取り外すのが大変(ヒューズボックスの真下)だし、埋めるための材料も用意しないといけない。


だったらバルブ殺したほうが手っ取り早い。


だからこのリサーキュレーションバルブを殺してバックタービン仕様にして乗ってたという訳。
・・・バックタービン音が好きだったっていうのもあるけど。
バックタービン仕様のほうが、よっぽどフルブーストまでの時間短いし。


でも、うちのS15でも既に11年選手。タービンも勿論11年選手。
バックタービン仕様で乗るには、ちょっと忍びなくなってきた。


以前吸気をバラしたとき、タービンブレードを触れる機会があった。
そしたら、軸に少しガタがあるのを見つけた。
S15はタービン軸受けがボールベアリングだから、普通はガタが無いはず。


もうすぐダメになるんだろうけど(或いはもうダメか・・・)、少しでもターボのライフを伸ばせるのなら、このバルブを使わない手は無い。

だから、ちょっと手間だけど、この穴を埋める事にした。



埋めるっていってもやることはとてもカンタン。


リサーキュレーションバルブを外して、バラして、穴を埋めて、組んで、戻すだけ。


でもこの外すのがめんどくさい。

だいったいこの手のホース類はカンタンに外れない。



寒空の中悪戦苦闘してやっと外れた。






30分くらい掛かった。



早速バラす。
プラスのネジで3箇所止まってるだけなので、カンタンに外れる。
でも固着してるから舐めないように注意が必要。


使いまわし。



で、穴を埋めるんだけど、自分は「イモネジ」で埋めることにした。




こんなの。


当然、リサーキュレーションバルブの穴にネジが切ってあるわけないから、自分でネジを切る。
どこのご家庭でもあるこれを使った。



タップダイスセット。DIY店で3500円くらい。

穴自体は5mmだけど、一応一回り大きい6mmでネジを切った。
でも5mmで充分かもしれない。


で、組み立てて、取り付け。

付けるのはあっさり終わった。


早速試走。


ブースト計の針の動きが俊敏になった。
ブースト圧がパキーン!と立ち上がるので、気分が良い。
今までシフトアップの度に、じわーっと背中を押される感覚だったのが、シフトアップしてアクセルを入れたとたんに背中を押される感覚に変わった。


一応効果出たみたい。よかったよかった。

外すのとかちょっと大変だけど、皆さんもぜひお試しあれ。
Posted at 2015/01/13 00:29:39 | コメント(1) | トラックバック(0) | 解説シリーズ | 日記
2014年12月30日 イイね!

Z33ブレーキマスターシリンダー流用!の問題点。

みなさんこんにちは、よしひこです。

さて、以前こんなブログを公開しましたが、覚えてらっしゃいますでしょうか。

そうです、Z33非ブレンボ車用ブレーキマスターシリンダー流用についてです。

これを見た一部の人はたぶんこう思ったはずです。




「おいおい、やっちまったなぁ・・・」




と。





今回はそんなお話です。





-------------------------



さて、事の経緯といえば、「BNR34用のブレーキマスターが高いから、安いZ33用を使っちゃおう」というお話だったわけですが、ここには大きな問題点がありました。



そして、それに気づけなかったのは、最近の車しか触っていなかった自分の経験不足、或いは無知が原因だったのです。



時に最近の車のブレーキというのは良く出来ています。
パッドやローター、キャリパーも然ることながら、特にブレーキの制御。
ただ踏むだけで、最適な制動を発揮できるよう、複雑な制御を行っていますね。


その最たるものが「ABS」「EBD」と呼ばれる装置です。


ABSは言わずもがな、皆さんご存知あの装置ですね。
タイヤの回転を監視し、ブレーキングによりロックした場合、ポンピングブレーキを自動で行ってくれる装置ですね。
これによってプロのドライバーで無くても、フルブレーキ+ステア操作が可能になったわけです。

そしてEBD。
これは装置というよりも「付加機能」ですが・・・
ABSを制御するアクチュエーターを利用し、「ブレーキの前後配分を自動的に適正化」する機能です。

英語では「Electronic Brake force Distribution」、日本語では「電子制御制動力配分システム」というそうです。

最近の車には、軒並み付いていますね。
これはスポーツタイプの車も例外ではなく、FD3Sの後期型(たしか6型だったような)やS2000、Z33やZ34、そして自分が前乗っていたZC31型スイフトにも装備されていますね。

これによって最適なブレーキバランスを保ち、フルブレーキング出来るようになったわけです。


では、制動力の前後配分が制御されるようになったのはEBDが装備されるようになってからなのか・・・というと、そうでは有りません。


それが「Pバルブ」という存在です。



「プロポーショニング・バルブ」と呼ばれるこれは自分のシルビアやスカイラインGT-Rといった、少し古い車に装備されているもので、ある一定の圧力がPバルブに掛かったとき、リアブレーキの油圧を少し弱くすることで、リアのブレーキロックを回避するバルブです。(詳しくはググってください。)



で、このPバルブ。
どこについているかといえば、実は「ブレーキマスターシリンダー」に内蔵されているんです。



前車ZC31Sで、特段ブレーキに気を配ることも無かった私。

もちろんパッドやローターの選択には注意を払いましたが、ブレーキの制御系についてはまったく関心を持つことすらありませんでした。

必要にならなければ学ばない私のクセがここでモロに発揮されるわけですね。
そんなPバルブの存在など露知らず、現在まで過ごしてきたのです。
(え?知らなかったの?って思われる方が大半ですかね。お恥ずかしい限りです。。。)


・・・つまり。

確かにBNR34用とZ33用のブレーキマスターシリンダーは同じピストンサイズのものでした。
しかし、そこには大きな違いがあったのです。

前述の通り、Z33はEBD装備車。
EBDが有るということは、単純に考えてPバルブは不要です。
なので付いてません。

BNR34用は、やはり前述のとおりEBDなんて機能は付加されていません。
つまりPバルブが必要です。
なので付いています。


・・・そういうことです。
自分のS15シルビア、「意図せずPバルブを撤去してしまった」んです。


さてここで気になるのが「このままでいいのかどうなのか」という点。

とりあえず、リアのキャリパーがS15純正のため、フロント寄りのバランスであると仮定し、そのままにしてみますが、もし前後GT-Rブレンボ流用するようであれば、ここはBNR34用などに交換しなければならない箇所となりますね。

或いは、外付けでPバルブをつける・・・という手もあったりするみたいです。
この場合調整式になるので、好きなバランスに変えられるというおまけ付ですね。


Z33用ブレーキマスターシリンダー、うまく活用できる道はあるのか。
それがあれば、流用の道は開けそうな気がしますが・・・
果たしてどうなるのでしょうか・・・。
Posted at 2014/12/30 22:09:19 | コメント(2) | トラックバック(0) | 解説シリーズ | 日記
2014年02月23日 イイね!

走り続けること

走ることとは何か。
果たしてこの疑問に対し、幾人が答えを持つだろうか。

走る為に時間を使い、走る為に金を使い。
得たものとは。失ったものとは。

実は―或いは案の定―某漫画の受け売りであるが、時たまそんなことを考えることがある。

・・・走ると云っても、ドライブや街乗りといった類のそれではなく。

アクセルを踏み抜き、限界―主に自分の中の―までブレーキを遅らせ、減速。
コーナーをターンし、再度加速体制に入る。
といった意味の「走り」だ。

「走る」時、猛烈に怖くなる時がある。
いつもは難なくクリアするコーナーで、突然タイヤがバーストし、制御不能。
車は全損、自分は打ち所が悪く・・・

無論、これだけでも相当に怖いものなのだが、これに他者が絡む場合に至っては考えるのをやめたくなるほどの重責が科せられる。

世間一般から見れば、「何を無駄なことを」と思われる行為。

しかしそれでも―
走り続けた者は何を見てきたのだろうか。
走り続けることを選んだ者たちは何を得られたのだろうか。

―多分、意味などないのだ。
―多分、何も得られないのだ。
―多分、失うだけなのだ。

それでも走る。

速く走りたい。
限界が見たい。

そして何より―

誰よりも勝りたいという、原始的な欲求がそこにあるからなのだ。
Posted at 2014/02/23 02:06:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 解説シリーズ | 日記
2014年02月04日 イイね!

Z33ブレーキマスターシリンダー流用!

こんにちはよしひこ@です。

というわけで、題名どおり、Z33のブレーキマスターシリンダーを流用しましたので、まとめてみます。


・・・みんカラを見る限り、シルビアでZ33用を流用している人は皆無!な様なので、ちょっと嬉しかったりしますwww

さて、今回流用するのは、Z33ブレンボ非装着車用ブレーキマスターシリンダーです。
ブレンボ装着車のものは取り付けできません。これは前々回のブログにも書きましたね。




さて、早速取り付けですが・・・

まぁね!これはポン付けでさくっと終了ですよ!!













・・・って最初は思ってたんですが・・・










ここが干渉して付きませんorz




 
いきなり大問題です。




じゃあどうするか。




・・・Z33は右ハンドル車と左ハンドル車があります。
そのせいなのか何なのか、Z33用のブレーキマスターシリンダーは上から見たときに左右対称になるよう設計されています。
そして、ブレーキラインはそのでっぱりを切削加工して開通させるように作られているようなのです。
シリンダー内部ににこんな窪み作ったらマスターシリンダーの役割は果たしにくいいですよね?

・・・つまり、ここは不要ということです。

なので、




こうしました。
 
出っ張りの頭の部分を3mmほど金鋸で切ったんですね。
これで干渉しなくなります。





 
 
さて、無事に(?)据付できて、あとはブレーキラインを取り付けるだけなのですが、ここにもちょっと問題が・・・






 
 

まずはこちらをご覧頂きたいのですが・・・

こちらが取り外したS15用です。


お疲れ様でした・・・
 

こちらが取り付けたZ33用です。



よろしくね!

何か気付きませんか?



 







 

 

・・・そうです、ブレーキラインを取り付ける穴の間隔がZ33用の方が広いんです!!
・・・だからさっきちょっと加工する必要に迫られたんですね。


しかしまぁ・・・これも些細な問題です。

配管をちょーっとずらして・・・





 ちょーっと曲げて・・・
ネジ部に無理が掛からないように・・・
取り付けです。




取り付けが出来たら、あとはひたすら












エア抜きです。
踏むべし!踏むべし!



このエア抜き、結構時間が掛かります。


なぜなら、シリンダー内部にブレーキオイルがないからです。

つまり・・・
エアが入ってしまうんです。

なので・・・

このエアがぜーんぶ抜けるまでやり続けます。


結局この日はすべての作業を終了できず・・・
(作業場所から駐車場までの約5mほど、車を動かしましたが、ブレーキのタッチ死ぬほど最悪でした・・・)
次の日に持ち越し・・・













ひたすらエア抜き!



 
踏むべし!踏むべし!!!




合計で2時間半はやってたと思います。


そして・・・

無事完成!





結構斜めってますけどね。






 


・・・ホント疲れました。足筋肉痛だろこれ(弱




さて、気になるブレーキのフィーリングですが・・・



とても良いです。狙い通り。
効き始めるまでのストロークは減り、ペダルタッチはカチッと変化。
欲を言えばもうちょっとカッチリ感が欲しいですが、これ以上大きいマスターシリンダーがないので、これでとりあえず・・・といった感じです。



後日談。
Posted at 2014/02/04 00:00:01 | コメント(4) | トラックバック(0) | 解説シリーズ | 日記
2014年02月03日 イイね!

サスペンションセッティングを解説してみた。

どうも、こんにちは。よしひこ@です。

今回は、前回のブログで挙げた車のセッティング方針について、若干解説を加えたいと思います。
・・・超長文なので覚悟してくださいね?(謎
また、文章の構成上、読み飛ばすと訳わかんなくなるかもしれません^^;
・・・ごめんなさい


最初にお断りしますが、これは車関係の仕事に付いていない、ただの素人が本やネット(Wikipedia)を見て組み立てた理屈(理論ではありません、理屈です。)と、その解釈についてまとめるものです。(ある所、セッティングメモに近いでしょうか。)



充分車のセッティングに反映できる・・・と、自分では思っていますが、明らかな間違い、プロの目から見たときに稚拙さなどが有ると思いますので、ご了承ください。。。
(ついでにその部分について教えてください(^^;)


・・・


さて、前回のブログではこんなことを書きました。

1.ジオメトリー変化の大きいところに車高を持ってきてしまったせいで対地キャンバーが綺麗に変化せず

2.尚且つサスペンションの伸び側をプリロードを掛けたことによって規制してしまい、うまくIN側のタイヤが使えず

3.さらに追い討ちを掛けるように、プリロードを過剰に掛けた結果、トレッド面へ一気に荷重を掛けてしまい、タイヤがたわむ前にすっぽ抜けるようなカンジになり、結果グリップが抜ける



今回は、何故こう考えたのかを解説していきたいと思います。



すべてはタイヤのためなのです。


と、その前に・・・自分の「理屈」の中で核になっている部分を紹介します。

・・・

みなさん、摩擦には2種類あるのをご存知でしょうか?(ゆとり世代の自分でも中学校の理科でやってる内容ですのでご安心を!)

動摩擦 と 静摩擦です。

それぞれはそれぞれ文字通り、動いているモノの摩擦と、止まっているモノの摩擦です。
ちょっとそれっぽい言い回しにすると、「運動している物体の摩擦」と「静止している物体の摩擦」となるでしょうか・・・

そして、物体を動かすのに必要な力の量は、必ず以下のようになります。

動摩擦<静摩擦

これは、急な坂に何か荷物を置いたとき、置いた時は滑らずに止まっているのに、何かの拍子でその荷物にぶつかったとき、滑り出したら止まらない・・・という現象から証明されます。

では、タイヤの摩擦を考えるとき、どちらの摩擦を考えるのが正解でしょうか。


自分は「静摩擦」だと考えています。
なぜならタイヤは回転しているからです。滑っていません。


しかし、動摩擦で考えなければいけない場合もあります。
それがドリフトしているときのリアタイヤだったり、アンダーステアが発生している状態のフロントタイヤだったりします。


そしてここで抑えるべき点は

●グリップ走行時、タイヤの摩擦は「静摩擦」であること
●静摩擦から動摩擦へ移行するには、ある程度強い力が必要で、動摩擦へ移行後はそれより少ない力でも物体(タイヤ)は滑り続けること
 ⇒静摩擦には限界があり、それを超えると動摩擦へと変化してしまう。

この2点です。

この事から、「タイヤの接地面へ非常に大きな力を加えると、滑ってしまう」ということが判って頂けると思います。

ここを覚えておきます。



(厳密にはタイヤは粘性を持った物体なので、プラスチックや金属とは違う摩擦変化が起きるのですが(スリップアングルなんかはその代表だと思います)、今回に限っては、そこまで考えるとキリがないので、単純にしておきます^^;)




・・・



さて、それでは

1.ジオメトリー変化の大きいところに車高を持ってきてしまったせいで対地キャンバーが綺麗に変化せず

の部分について解説してみます。


まず、対地キャンバーという考え方ですが、単純に「地面とタイヤの角度」と理解していいと思います。


車を静止状態とし、その状態でキャンバーがネガティブに3度付いていたとします。(車を正面から見たとき「ハ」の字になっているってことですね)

この状態で、右側だけジャッキアップしていった場合、左側のタイヤについて、車体から見た単純なキャンバー角は変わらず3度ですが、地面から見た場合、キャンバー角は減っていくのがイメージ出来るでしょうか?


つまり車体中心側のトレッド面だけが接地していたのに、トレッド全体が接地してくる・・・ということです。


(ちなみにですが、このイメージをするとき、サスペンションの代わりに「ただの棒」が付いていると考えてください。あくまでイメージですので・・・)


そして、ジオメトリー変化について、これは車のサスペンション形式、サスペンションアーム・リンクの取り付け位置によって変わりますが・・・

例えばサスペンションが沈めばキャンバーがネガティブ方向についていき、トーがINを向いていく・・・というようにそれぞれの数値が変化することを言っている・・・と理解します。


イケヤフォーミュラのWEBサイトにはS15シルビアのジオメトリー変化について、グラフ化されたものが乗っていますが・・・
シルビアの場合(と、いうか殆どの車はそうだと思いますが)、車高を下げていくと、サスペンションジオメトリーの変化量は大きくなる傾向にあります。


つまり、車高が高い場合と低い場合では、例えば10mm縮み側へストロークした場合、キャンバー角の変化は車高が高い場合は0.5度だったとすれば、低い方は1度変化してしまう・・・ということになります。



車高は大事なのです。


ところで、何故キャンバー角を付けるのかといえば、車がロールした状態で、タイヤのトレッド全体に面圧をかけ、効率よく曲がったり加速するためであります。


「面圧」とはそのままトレッド面にかかる圧力のことです。
しかし、圧力は高ければいいというものではなく、これには限界があります。


これが摩擦のところで説明した、「静摩擦の限界」です。
これを超えると・・・動摩擦へと変化し、滑り続けてしまいます。


自分の中では、この点をグリップの頂点と考えています。


少し横道にそれました。話を戻しましょう。


当然、キャンバー角はジオメトリー変化も考慮して決定されるものですが・・・
想定した変化量よりも大きかった場合、どうなるでしょう。

キャンバーのみで考えた場合、対地キャンバーが変化し、トレッド面がくっつこうとするときに、それ以上のキャンバー変化が起きてしまい、結果的に面圧のかかるトレッド面が狭くなります。

これに付随してトー角も変化するわけですから、車の挙動に影響があることは判って頂けると思います。

これが上記1.の考えに至った「理屈」です。


・・・


次に、

2.尚且つサスペンションの伸び側をプリロードを掛けたことによって規制してしまい、うまくIN側のタイヤが使えず

3.さらに追い討ちを掛けるように、プリロードを過剰に掛けた結果、トレッド面へ一気に荷重を掛けてしまい、タイヤがたわむ前にすっぽ抜けるようなカンジになり、結果グリップが抜ける


この2点について説明します。



プリロードとは、直訳すれば「事前の荷重」となる通り、0G状態(車をジャッキアップした状態)でスプリングを縮めておくことです。
スプリングとは、本来車の重さが掛かった時に縮むものですから、事前に縮めておくことを「プリロード」といいます。


スプリングにはレートというものがあり、それは車高調整式サスペンションで使われる「直巻スプリング」の場合、一つのスプリングにつき1つのレートとなります。



直巻ってこんなのですよ。




1mm縮むのに何kgの重さを掛ければいいのかを示したものがレート(kgf/mm)になるわけですが・・・


ではスプリングが伸び切った状態(荷重ゼロ)から記載されたスプリングレートが発揮されるかと言えば、そうではありません。


これはハイパコのHPにグラフ化されたものがありますが・・・
スプリングとは、縮み始めのごく初期からスプリングレートが立ち上り、安定し、スプリング線間密着(=レート∞)へと立ち上るというプロセスを辿ります。


具体例を挙げましょう。

例えば10kgf/mmのスプリングがあったとして、最初の数mm(どこまでの範囲かはわかりませんが。)は0kgf/mm~10kgf/mmへと立ち上る領域があって、10kgf/mmで安定し、そこから無限大までスプリングレートは増大していく領域がある・・・ということです。



最初プリロードを掛けようと思った理由は、その初期スプリングレートの立ち上がり部分を無視したかったためです。
最初から10kgf/mmのスプリングレートが掛かれば、ステアリングレスポンスは向上し、車の挙動が鋭くなると思ったのです。



しかし、プリロードを掛けるということは、ある部分を犠牲にする・・・ということでもあるのです。



・・・それがリバウンドストロークだったわけですね。

リバウンドストロークとは、サスペンションが伸びることです。
バンプ(縮み)・リバンプ(伸び)と表現することもありますね。


では、どのようにしてリバウンドストロークが犠牲になっていくのでしょうか。


まず、スプリングとは反力があります元の長さに戻ろうとする力です。
だからこそサスペンションが伸び縮み出来るわけですね。


当たり前ですが、0G状態ではサスペンションが伸び切ります。

スプリングが遊ばない範囲でプリロードを掛けない状態(0プリとかいいますね)では、車を接地させていくとサスペンションがストロークしていって、ある場所で止まります。
つまり、サスペンションが伸びる範囲が確保されるわけです。

しかし、ここにプリロードを掛けてしまうと、スプリングは伸びようとしますから、車を接地させていっても、あまりサスペンションがストロークしなくなります。
・・・つまり、サスペンションが伸びることのできる範囲が減ってしまうのです。


サスペンションが伸びなくなるとどうなるのか。
例えば、FF車のコーナーIN側のリアタイヤが浮いているのを見たことはありませんか?
あれは、リバウンドストローク量が足りずタイヤを接地させることが出来なく為に起こる現象です。


つまり、タイヤが浮くのです。


ということは、IN側のタイヤは仕事をすることができず、コーナーのOUT側にあるタイヤ2本に仕事(≒車重や遠心力)が集中することになります。
(理想はコーナリング中、IN側のタイヤも車を支える仕事をすることです。)

すると、面圧が掛かりすぎてしまい、静摩擦は動摩擦へ変化する点を迎えることになります。


また、初期のスプリングレートを無視することも実は悪影響があると考えました。


さて、同じ重さの同じ物体を動かそうとした場合、物体にじわりじわりと力を掛けるのと、勢いを付けて一気に力を掛けるのでは、どちらが動かしやすいでしょう?


多くの人は、最初押してダメだと判断すれば、勢いをつけて動かそうと思うはずです。
何故なら勢いをつけた方が発生する動的エネルギーが大きいからです。

しかし、その勢いとは、ごく一時的ですよね。
その後は自分の筋力で押し続けることになります。最初は動かせなかった力で動かし続けることができます。
(摩擦のところで説明しましたね。)


それと同じことがタイヤのトレッド面にも起こっているのではと考えました。
つまり、若干の「逃げ」が必要なのです。


この考え方、実は減衰力の調整でよく利用している考え方です。


先ほどから何度も出てきている話ですが・・・

タイヤのグリップ(≒静摩擦)には限界があります。
このグリップの頂点を超えると、滑り続けてしまいます。


つまり、勢いよくタイヤのトレッド面に圧力をかけてしまうと、一時的にタイヤのキャパシティをオーバーしてしまい(静摩擦から動摩擦へ移行)、その後の遠心力や車の重さに対応できなくなってしまう(動摩擦<静摩擦ですからね)のです。
これが「すっぽ抜ける」という感覚的な言葉の意味です。



・・・


以上があの3つあった文章の中身でした。
結果、車はタイヤを余計に使うだけで曲がらずトラクションの掛からない状態に陥る・・・というわけです。


相変わらずの文章力のなさと、構成の悪さで申し訳ありません・・・
読みづらく長い文章でしたが、何か参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。


さて、次回はZ33ブレーキマスターシリンダー流用についてお送りします(何
Posted at 2014/02/03 22:47:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | 解説シリーズ | 日記

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「大変お久しぶりなみんから。
タイヤが255になりました。
今シーズンで本庄44秒切りをしたいところ。
いけるかなー?」
何シテル?   04/15 22:00
ZC31Sに乗ってました。 吸排気+ECUと足回りデフと、定番チューンでとっても楽しい車でした! 今はS15シルビアに乗っています。 公認ワイドボディ...
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