
我が9年落ちZRR70W VOXYの軽整備ネタ。
例年にない早さで春の暖かさがやってきているこの頃。
ああそういえば、と、ここ2~3年くらいか真夏になるとエアコンの効きがイマイチ?なこと屡々だったのを思い出した。
この9年間でガス補充は1度もしてこなかった。
そろそろ1回くらいやっておいてもいいか、とは思いながらも、どうにも涼しくならないような決定的不調って訳でもないので先送りしてたのが実態。
GSやDに頼むと補充1回に¥3000+α(ボンベの使った数×¥2000)とか取られるんだよなぁ、ついでにフィルター交換や添加剤は如何?とか言われるのも煩わしいし、と(苦笑)。
現状でエアコンを稼働させた状態のサイト・グラス(ガスの動きが見える覗き窓)を見ると、炭酸飲料を振った如くのシュワシュワ盛大に泡が見えているので、ガス量が足りてないであろうことは確かだ。どうやって抜けたか?はともあれ。
着手前の実態↓
その後、暇潰しがてらに近所のアストロ店舗を覗きに行ってみると、あれまぁ、な発見。
エアコンのメンテ用品として、R134aガスの補充用缶詰め(サービス缶)やそれ用の簡易ツールって、意外に安価で売られているではないの(驚)。
現状のエアコンがそこそこ冷えるが効きが弱いかも?な状況且つ、その原因がガスの自然減であろう可能性大な場合なら、¥3000かそこらで最低限の用品が揃う&自力で対処出来ちゃう。。。いやー知らんかった(笑)。
一旦は家に戻ってamazonやYoutube等で情報収集してみたが、やり方は特に難しいでもなし、通販ならガス+ツールで¥3000~なそれも、近所のアストロで揃えられる¥3500台のそれらもそう大差なさげなので、納期優先でアストロから買ってきた。
#これから更に暖かくなればこの手の季節商品グッズは品薄&高値になるに違いない、ってな勝手な短期市場予測?体のいい動機付け?のもとに(笑)。
買ってきたのはこの辺。
結局合計¥4000ちょっとの出費。アストロの会員クーポンの割引(どれか一点のみ10%Off)も使って。
●ツール:AP HFC-134a ガスチャージホース ゲージ付 CH446、¥2,728税込
https://www.astro-p.co.jp/i/2007000014462
●ガス:KENIX 134a クーラーガス 200g、 ¥748税込
https://www.astro-p.co.jp/i/4560107540220
●エアコンオイル:CAR COOL カークール AR-402 HFC134a エアコンプロテクター、 ¥913税込
https://www.astro-p.co.jp/i/4958228903060

#ツールとガスだけ有ればいいつもりで店へ行ったが、ついついオイルまで謳い文句に負けて買っちゃう、店頭での衝動買い「あるある」(汗)。その手の高級ケミカルには元々懐疑的な自身ゆえ、ワコーズの何たらいう¥3000ってそれまでは要らないけどとりあえず某か+αなテコ入れをやっとこうかな、的な(笑)。
さて、買ってきたなら早速やってみるべし。
#暖かくなったとはいえ、まだ外は気温15℃かそこら。エアコンみたくのガス弄りにこの気温ってどんなもん?という多少の不安を持ちつつ。しかし来週の飛び石連休に遠出を予定しているので、その前にやるなら今日しかない、と強行(笑)。
目標ってか目安となるのは、エンジンフード裏に表示されているステッカーの記載↓。
「泡消え後 200±50g補充してください。 デュアルエアコン搭載車は リアエアコンを作動させてください」とある。
ってことは、このクルマの現状=フロント+リアエアコンの冷房フル稼働で且つ泡がほぼ常時シュワシュワしている状態からなら、今回買った200gの補充ガスを全量入れても、上記の適正範囲を超える=過充填状態となることはない、と読める。
もし今の時点からほんの少しガスを入れたら泡が消えたとして、そこから200gの残分を詰めてもなお上記許容範囲のほぼセンター付近である。
#これって設計屋の良心なのではなかろうか。市販の補充用ボンベが200gだから、常時シュワシュワ見えて冷えが悪い感じがしてきたらちょうど1本の全量を足せばいい、そしたらボンベにガスが余らないから、やれ大気に逃がすな・合法的に処分しろってな面倒は要らないよね、的な。単なる偶然ではないと思われ。
一緒に買ったオイルがガス込みで50gだが、それを加えて考えても、今のシュワシュワな状態からなら適量の範囲から外れることは無い。まだ足りぬかもってことはあれど。
なおオイルも補充するならば、オイルの種類は表示されている ND-OIL8=PAG(R134a対応)表記の有るものを選ぶべし。
↓商品に添付された説明書から。同じ表示は売り場にもあり。
ってことで、
今回の補充は買った分を全部入れ切ることに専念すればいい。
#極論、「全部入れる」前提ならば実はゲージの無い=もっと安いツール↓でも足りるかも?だが、ガスの入り具合を把握しながら作業するには、某か見えるものがあったほうがいいだろう。読める値の確度はともかく。
アストロ扱いのゲージ無しツールの一例↓。ゲージ有りとの差額は¥700、ここで微妙にケチるまでもないかなってところか。
●AP HFC134a ガスチャージホース
https://www.astro-p.co.jp/i/2007000010211
作業開始。
先ずは取説でツールの使い方を把握しつつ、オイルの補充から。
#本来はガスとオイルの補充ってどっちが先なの後なの?は不詳、まーオイルは全量を問答無用に入れるんだから、内部に隙間?余裕?のある今のうちでいいじゃん、ってな独断。
説明書をじっくり見て、ツールの一端にオイルのボンベをネジ込む。他端をクルマの低圧側「L」のキャップを外したところに接続。ホース先端のカプラーの外側を引き気味にして挿す、抜けなければOK。
#見た目は違えど、家の洗濯機ニップルと給水ホースの関係と一緒。
クルマに繋いだら、他端のボンベを少し緩めて一瞬プシュっとさせて再び締め込み(=クルマ内部のガスをちょい漏れさせてツール内の空気を追い出す:エア・パージ)。
以降エンジンをかけても危険の無いように、ホース~ゲージ~ボンベを取り回す。

#組スパナはツールがエンジン振動で暴れないための「重し」。
クルマのエンジンを始動し、エアコンを稼働。
冷房で温度LOの風量全開で顔向き、内気循環、リアエアコンも同じく最低温の風量最大。すべての窓は全開(冷えすぎ防止)。
#この時、ツールの圧力計の読みは0.18MPa、一応適正範囲には入っている。

#あ、内気循環になってないけど誤差の範疇(笑)。
ボンベ側のバルブを全閉して(=オイルボンベを開封)、次いでボンベを逆さにしてバルブを徐々に開く。
圧力ゲージの値がちょっと上がるくらいでバルブの開きを固定、ボンベは逆さでキープ。
気化熱でボンベが冷えてきたら振ったり掌で暖めたりして、全量が出切る=ボンベの冷感が無くなるまで続行。
缶が全体に生ぬるくなったら充填は終わり。
ツールをクルマから外す。
自身の時間の都合で、一旦ここで作業を中断。
その後のサイト・グラスの見た目には特に変化はなく、相変わらず盛大にシュワシュワして見えるので、やはりガス補充が必要と判断。このオイルのガス込み50g程度では全然足りてないと思われ。
エアコンの冷え具合も特に変わった感はなく、もしかしたらコンプレッサ他の作動音が小さくなったかも(気のせいか)、程度。
その後、夜になってしまったが続きを再開。
ツール末端にガス缶をネジ込み、あとの手順的には一緒。
先のオイル補充との違いは「缶を正立させる」=ボンベ内の液体をまんま流し込まないこと、あとは充填量見合いに時間が掛かることくらい。
サイト・グラスの見た目には、ガスの充填開始後まもなくにシュワシュワがほぼ消えていたが、上記フード裏ラベルの記述を信じて充填を続ける。
ガス缶の表面が冷えて=結露してきたら、缶を振ったり掌で握って暖めてで様子見ながら続行。
素手でボンベを握って横方向に振り回すのが手っ取り早いが凍傷注意、休み休みで。
もし「USB扇風機」の類いを持ってるなら、それでボンベに風を当て続けるほうが安全かもしれない。周囲の常温な空気を風にして当て続けるでも、冷えたボンベを「強制空《熱》」してると同意なので。
缶を振っても中の液体が有る感が薄れ、握っても冷たくなくなったら終了。結局ボンベを振ったり握ったりで20分か掛かっただろうか。
気温のせいもあるかも(たぶん12~3℃くらい)。
この時、ツールの圧力計の読みは0.185MPaって辺り。作業前とはほぼ一緒。適正範囲には入っている。
サイト・グラスの泡は起動直後こそそこそこ見えるも、5分か10分か経つと皆無になる。その後しばらく見るも、窓の中がクリア過ぎ=液体が動いてる様子って無くない?そもそも液体すら無いんじゃね?にも思える。いったいフルなの?全然足りてないの?どっちなんだー(笑)。
もしかして、外が寒いんで温度設定LOで風全開でも冷えすぎと判断してコンプレッサーが最初にしか動かず以後ほぼ止まってる?あ、そういえば電磁クラッチの断続音が暫くしてない気も。。。オイルを入れた効果で作動音が小さくなってる??
#もう少し暖かく/暑くなってからやるべきだったんでないの>俺
一応、室内の冷気は出ている。外気温よりは低い。
低圧側配管を触って「冷たっ」感はあるが、高圧側は触って特に熱くも冷たくもなく(アルミ=金属パイプでそうってことは、気温よりは高くて人肌よりはやや低いくらい、の範囲と思われ)。
そもそも春先の夜間ゆえ外気温が低いので、夏場みたくにエアコンがちゃんと仕事してる?が、触感ではよく分からないのも事実(苦笑)。
まぁこれ以上確かめる術もないので、今日のところはこれで終わり。以降様子を見ることにする。
フード裏の指示を信じて(くどい。。笑)。
ともあれ、これで今夏も乗り切れる、と信じよう。
(2023/3/15追記)
寒いなりにも冷房は効いてるよね、を定量的に確認しようと、近所の百均で料理用のデジタル温度計を買ってきた。
正面の吹き出し口に温度計を挿して温度を測る→エアコンを温度最低&風量最大で動かす→温度がどこまで下がるか読む、をやってみた。
結果、一応冷えているのは確認できた。気温13℃にて吹き出し温度2℃~3℃の間を往復しつつ安定、気温との差は約10℃。
強制冷房運転とはいえ冷蔵庫じゃなし、エパボレーターにて2℃前後を下限に維持・制御されている筈、故に今時分の気温で確認できる範囲の動作は特に問題なし。
あとは後日、気温が上がった日に改めて確認してみよう。暑いときに涼しくなるかは、暑いときじゃなきゃ判らないので。。。当然ながら(笑)。
この先数日は寒いらしいので、本件は小休止。
参考まで、買ってきたデジタル温度計↓。¥550@百均watts、電池CR2032は別売り。
●デジタルクッキング温度計 321729 | ワッツ
https://watts-online.jp/products/9470
(2023/3/25追記)
整備手帳に転記した。手順の詳細は
そちらで。
https://minkara.carview.co.jp/userid/473462/car/1578676/7272232/note.aspx
(2023/4/1追記)
作業から3週間後。冷え具合を定点観測。
フロント・リアともエアコン最強全開の外気導入、気温23℃にて吹き出し5℃~7℃。差分で16~18℃。
風量最大で16℃下げてくれてるなら多分大丈夫そうな気がする。
その後、気温の違う中でエアコンOFF時とON時の吹き出し温度を測って相関をグラフにしてみたのがこれ↓。
温度Lo設定、風量最大、リアエアコンも同様、正面吹き出し、外気導入※、エンジン回転はアイドル状態※※。
なお外気導入にしているのは、暖気運転を経てエンジンや周囲の温度が安定する→エアコンOFFでの吹き出し温度が一定する→それを基準にしてエアコンの実力=「エアコンONで何度冷えたか」が容易に読み取れるため。
※内気循環だと、窓を全開していても吹き出した冷気の一部は再び吸われる→エバポレーターで冷やされる→また吹き出す、で循環してしまう故に、吹き出し温度が安定するのに時間が掛かる。
※※トヨタ整備マニュアルにはエアコン機能の良否診断は回転数2000rpmでやれと指示があるが、ガソリンが勿体ないのでアイドル状態でやっている。正確に定量するなら2000rpmでやるべきながら、「普段通りか」を相対的に知るならアイドル状態で測れば十分。
(最新更新2023/4/16)
この結果からすると我が70VOXYの場合、風量最大時で「気温マイナス16℃」 の冷風を出す能力があるっぽい。
これが本来のあるべき実力なのかは不詳だが、もしやエアコンが不調か?ってときには、これと比べてどうかが目安になるだろう。
また、このグラフから「補充作業は気温20℃以上なときに行う」がベターであると判る。
作業中はコンプレッサーを連続フル稼働状態に保つ意図でエアコンの温度設定をLoにするが、そのときフル稼働なエバポ内の温度が冷えすぎて+2℃~+3℃を下回ってしまうようだと、コンプレッサーが止まって~間欠運転になってしまう。エバポに霜がついて風が出なくなるのを防ぐため。
エバポが冷えすぎてコンプレッサーが休止する→補充用ガスの吸い込みも休止、で補充作業の時間が余計に掛かることになる。
よって、自身のクルマのごとくフル稼働での冷却能力が「エバポ吸気側(≒エアコンOFF&温度Lo時の吹き出し温度)マイナス16℃」って場合だと、エバポ最低温度3℃+最大冷却能力16℃=19℃ ゆえ、それよりも気温の方が高い状況≒気温20℃以上のときが補充メンテの好機と言える。
より低温下にて作業することも出来なくはない(実際自分も補充作業当時は13℃だった)。それにはエンジンを十分に暖機する・なるべく風のないところで作業する、で、エンジンルームを経るエバポレーターの吸気側温度が20℃を下回らない=コンプレッサーの稼働が止まらない状態を保ってやればいい。
また寒いときには、同じ量のガスが入っていても暑いときに比べ圧力の読み値が低めに出るから、パッと見にまだ低いかも?と感じても、正常範囲内にギリギリでも入っているならそれで補充は止めておく(低いかな?と余計に足さない)→後で暖かい日に圧力を再確認する、が失敗しないコツだろう。
引き続き、更に気温が高いときにも測って書き足す予定。
#この手のDIYレポ記事には「吹き出し温度が○℃だから云々」ってな記載はしばしばあるが、「気温が何℃の時に」の前提が示されないではそれが良いのか悪いのかなんて判断のしようがない。
この手の空調機の能力は「風量×温度差分※」で計る。ある風量にて気温20℃のとき3℃に冷やす能力があるなら、同じ風量の気温30℃で使えば13℃まで冷やせるし、風量を抑えれば当然その分だけ吹き出し温度は下がる。
※厳密には湿度も加味する必要があるらしいが、取りあえず割愛。
(2023/4/16追記)
最近気温が上がってきたので、低圧側圧力を再確認した。
気温23℃にて0.23MPa。正常な範囲と思われ。