どうなってるの、TVR

これまで乗った車で、数台は運転が困難、というか非常に大変だなぁ・・・と思わせた車があります。

そのうちの一台が「TVRサーブラウ４．２」です。



これは後期型なので、多分４．５のような気がします。自分が乗ったのは、４．２リッターのV8エンジンモデルでした、ど初期の。クラッチミートも難しく、何故か４．２リッターもあるのに低速トルクがないというか発進しずらかったです。異常に回転オチが鋭く、変速も慣れないとガタガタしちゃって凄いの何の・・・人のモノで気を使うと余計にガクガクするタイプの車でした。思い切りよくスパスパっとテンポさえ嵌れば案外普通の動く当たり素性は悪くないのかなぁ・・・と思いましたが、ABSもトラコンも何も無いわけで、それ以上のことは何もしたくならなかったです。

この経験から勝手に自分は「空冷のポルシェ、恐れるに足らず」と乗ったことも無い車に自信満々でした。そして今も空冷ポルシェ運転してないですけどね、笑。

そういえば、なんかドアの開け方とかエンジンの掛け方が変わっていたように覚えていますが、それがどんなかも忘れました。なんかドアミラーの下を触ってドアを開けたような・・・なんかとにかく変わっているというよりも変です。どうしてそうなるのか、理解が出来ないんです。アバルトがドアハンドルやワイパーを特殊にしたのは理解できるのですが、TVRは理解が難しい。

しいて言えば、人と同じば嫌だ、という点に尽きるのでしょうか？

イギリス車って、実に謎めいた雰囲気があって、個人的にはイタリア車やフランス車のほうがよほど解りやすい魅力と生い立ちを持っていると思うんです。シトロエンDSも２CVもみんな理にかなっているし、イタリア車の各種はみな考え抜かれた合理性を持っています（信頼性は知らない）。

じゃぁイギリス車は？

シミターGTE。なんの意味があったのか、３ドアワゴンでパワフル。BLプリンセス、どうして主力商品がケツ垂れハッチバックの中級車じゃなきゃいけなかったのか。ロールスロイスが出力未公表で通ったのも謎です、必要にして十分・・・いくらロールスって言ったって工業製品なんだし、昔はモデル名に馬力入っていたくせにおかしくね？神じゃないんだし。ジャガーXJだって・・・

というわけで、まぁ不思議なわけですが、一つに言えるのは、これらみんなイギリス流の「カッコいい」なんだと思います。ロータスだってジウジアーロのデザイン以外は結構不思議です。イギリス流のカッコよさを、外聞なんぞ関係なくバリバリ出した結果なんだと自分は思います。

TVRはその極致で、全てがイギリスの考えるカッコよさなんだと思います。走りもデザインも全部、UK的クールを体現しているんだと思います。だから、はまると無茶苦茶カッコよく見えて、走れば痺れちゃう。サーブラウのV8なんか、快適性とか全く考えてない代わりに異常に軽くできていて、そんなV8は他にはそう無いのでサーブラウじゃなきゃダメなんだ・・・ってなっちゃうわけです。

で、そのTVR。結構有名になったのに、今は活動しているのかさえ不明。意味不明のロシア人、スレモンスキー２４歳が買収してからさっぱり動きが解らなくなりました。魅力的なラインナップをそろえたまま消えたのが実に不可解。

サーブラウを運転してからもうかなりの年月が経ちました。もう一度、しかもあの時乗った中古ではなく、きちっとした新車でもう一度挑んでみたいなぁと今でも思います。

今、運転したら欲しくなっちゃったりして・・・。