2012年10月01日
嫌われることを恐れない
ある車の設計者が「仕事上、誰にも嫌われないようにとか思っていると、車もそんなもんが出来てしまい、結果的に誰にも好きになってもらえない車が出来上がる」というような事を言っていたのを聞いたことがあります。
自分の愛車であるアウディで言えば、グリルがシングルフレームになった時はそういう気持ちがあったとおもいます。BMWだってE65前期やE60の時は挑戦だったと思います。今だってシルキーシックスを過去のものに替えてしまっているし、挑戦の連続です。
日本もレクサスGSでそれをやった感じがありますが、その割にどこかで「みんなに好かれたい」と思えるような節が見当たります。
日本人にとって、苦手な事の一つは八方美人を止めるとか、人に嫌われることを恐れないとか、本当の意味での個人主義を確立することだと思います。本当は、誰一人として誰の支えも無く生きている人などいないのに、無理に個々を確立したような雰囲気を出している人がチラホラいますが、本来日本人は世界の中でも最も輪を貴ぶ人種ですから、なんか違和感が出るのです。
なので、日本が最高の車を作ろうとすると、初代セルシオのような車が出来るんだと思います。何人にも嫌われることのないよう、そこかしこに気を使った車が出来上がるわけです。
自分ももちろん、人にわざわざ嫌われるような行動をとることは無いですし、もちろんなかよく出来る人が多い方がいいわけですから、あらぬ誤解のないようにしていたいのは事実です。なので、クラウンなどが候補に挙がるときは、そういった気持ちが強い時なんだと思います。
シングルフレームのアウディや、BMW、誰もが認める最高級セダンであるメルセデスSクラスなどなど、値段の差違は関係なく何かしらの主張をしている車を選ぶと言うのは、クルマ本体の性能などとは関係のない自分の意思表示の一つになることでもあります。
自分ではそれほど強いとは思っていませんが、アウディS5というチョイスにも多少の外面的に発散する要素があります。
高性能で、スタイルの良さを考えた車であることは間違いないと思いますが、排気量やパワー、価格やステータス性を必要以上に発散している車だとは思いません。解る人に解ってもらえればいい、そういうスタンスです。基本的に無駄な要素も多いわけですから、批判もあってしかるべき車ですが、別にそれも構わないわけです。
これは自分にも当てはまります。
随分前は嫌われたくないとか、悪口は言われたくないとよくおもったのですが、結果的にそういう風に思っていてもどこかでは嫌われていますし、悪口もどこかで言われます。過度に気にすることによって、自分自身のキャラクターが埋没していきます。
今は結果的に嫌われるなら、気にせず自分を出せばいいと思っています。まぁ敢えて人に嫌われることもありませんが、誤解を恐れていては何も始まらないのです。
というわけで、このブログでも多少偏ったことになっているわけですが、それこそネット文化の良さの一つではないかと思うのです。誰が見ても無難で、当たり障りのない文章であれば、全く必要がないと思うんです。
嫌われても仕方ないと思って書いていることも多いので、きっと「何書いてんだ」とか「ばかじゃねぇか」とか思う人も多い筈です。でも、それでいいのです、そもそもそういう車に乗っているので、笑。
台風前に今日はS5を洗って仕舞ったのですが、君は批判されることも多いだろうけど、それ以上に好かれることも多いだろうなぁ・・・と感じました。
考えてみれば、それを自分自身に投影したくて、何の気なしに衝動買いしたのかも知れません。
100人の知り合いより10人の親友を。
1000人の傍観者より10人のファンを。
そういう生き方が出来たらいいなぁと感じます。マスからコアへ、これって今の日本にも通じる気がします。
というわけで、車選びに迷っている知人が居たら、是非「変態」カーを勧めてください。クラウン買おうとしていたら、初代の観音開きを勧めてください、ベンツのSクラス欲しいって言っていたらW116の6.9を勧めてください、フェラーリいいよねって聞いたらすかさず「え?どのインテルシリーズ?」とか「あー!スーパーアメリカかっこいいよね」って言ってください。
まぁ、ようは、ただの「変態のすすめ」です。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2012/10/01 02:28:11
今、あなたにおすすめ