番外編試乗記：NewアウディRS4アバント

各関係諸所から有難い配慮を頂き、大変感謝しておりますが、そんな中番外編で某Dの某氏のおかげで新型のRS４アバントに試乗することが出来ました。

現状において、リファインを受けたこのエンジンは、レブリミット８５００ｒｐｍ、最大出力４５０馬力。

このエンジンを初めて積んだB7型RS4が登場した時、それを察知していたBMWのM3（E92)チームは急遽S62型V8エンジンを３９５馬力から４２０馬力にパワーアップさせ、レブリミットもアウディを微かにしのぐ８３００ｒｐｍに設定したとも言われています（ホントか？）。まぁそんな噂はさておき、これまで追い付こうにも追い付けなかったはずのアウディが、BMWの、しかもM印と対等に渡り合う動的性能を身に着けた驚くべき現象が起きたわけですが、このハイレブV8はまさにその原動力でした。

そんなアウディが作ったキチガイエンジンの一つも、このRS4アバントに積まれて最後を迎えそうです。なんせ、燃費悪いから、今の基準からすると。ほぼ全てのモデルにアイドリングストップが搭載されたアウディの中でも、RS4はついてません。きっとうるさいからだな、苦笑。

その時点で、こいつはややアウトローなアウディか？と思って乗ってみると、RS5比きっとマイルドであろうと予想した乗り心地はちっともマイルドじゃない、苦笑。あー、やっぱりアウトローだ。ブリスターフェンダーに２０インチの馬鹿でかいホイールを突っ込んで走るさまは、どう考えても異形です。解らん人にはただの箱でしょうが、まぁそこも旧来のアウディらしいモノ。

よーく観察すると、確かにRS5より多少は柔らかい気もしますが、クーペとワゴンの剛性が違うことからも味が変わっているのかもしれません。とりあえず、一般道法定速度以内の乗り心地をバッサリ捨てているのは同じです、笑。ファッションや何となく、でRS4アバントを買う人は多いのですが、それはそれで凄いなぁ・・・と感じます。こんなクルマで東京の街中を周遊したくないです、腰痛いです、笑。A4クアトロにしてくれ・・・と心から感じます。

高速にのれば乗ったで、７速巡航時は静かながら、ちょっと踏んで６速に落ちればどうしたことかRS5よりもドロロロ・・・とドスの効いたエキゾーストノートが室内に入ります。多分、ラゲッジスペースからですね、ここまで来ると「何がワゴンの形しやがって・・・話が違うぜ」と思うほどです。

結局、ワゴンしているけど、ほぼスポーツカーです。

ここんとこ、各社ダウンサイジングしつつ、性能は前よりいいから納得してね、とのべつ幕なしにパフォーマンスが上がっていますが、多分アウディにおいてはRS4アバントが最後の「味付きハイパフォーマー」になりそうな予感がします。１００ｋｍｈまで４．７秒で到達すること自体は遅くないのですが、既に他のRS兄弟は４秒を切る脳みそのイカレップリですから、それに比べるとRS4アバントは耽美的ともいえるくらいです。

音、乗り心地、走りっぷり、確かにRS4はハイテク満載なのですが、攻め方は非常に古典的な車です。スポーツすることの概念が昔とあんまり変わりません。スポーツデフが全開出したとか、そういうところまで行ってないので、そこらへんは微妙ですが。

RS5シリーズは美しいアウディですから、もう誰にでもお勧めできます。RS4は美しくない上に意味不明なワゴンと捉えられる可能性が高いので、誰にもお勧めできません。こんな車を買う奴の気がしれない・・・どうしてこれ買うの？って聞いてあげたい。絶対モテない男です。

でも、このエンジンと走りたい、そう思ったら買って損ないです。V8フリークの俺がいうんだから、とにかく一度試乗だけでもしてほしいです。そして、そのままハンコ押してください、このエンジンくださいって言ってください。大丈夫、周りには「ワゴンかった、ワーゲン」って言えば誰も解りません。

ボクは真人間になりたいので、クラウンハイブリッドで交通社会に目立たず埋もれます。ええ、真人間ですからね。

PS
ちなみに、ボクのクラウンHVも３．５リッターHVだから、もう乗られなくなる種類のクルマです。え？GS450ｈがある？しらねぇよそんな車・・・。・・・お願いだから、納得させて・・・。

PS２
え？S60がポールスターを発売？何それ。Rにしろよ、Rに。インパクトねぇなぁ。