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2014年01月31日

新しい「スカイライン」は高すぎる、そこから見えるスポーツセダン像

昔、祖父はプリンススカイライン2000GTに乗っていたそうです。グレードは話を聞く限りはGT-Bじゃなかろうか?と思うのですが、六気筒であることは間違いないです。その後もGT-Xに乗り、しばらくしてずっとクラウンになったそうです。

祖父が最初のプリンススカイラインを買った時の価格イメージは多分GT-Bであれば500~600万円くらいの感覚があったと思われます。そう考えると、今度登場するハイブリッド専売車種になる新型スカイラインは元に戻った値段とも言えるかもしれません。

この前、時間つぶしに横浜の日産ギャラリーにフラフラっと寄ったら新型が置いてあったので、ちょっと見てみたわけですが、あんまり良い印象を持てませんでした。

別に「これはスカイラインじゃない」だとか「500万払うならBMWにする」とかそういうわけじゃないのですが、何だか違和感があるんです。

日本車だからいくら以下じゃないきゃいけないとも思いませんし、むしろBMWの3やメルセデスのCと同じ価格で同じセグメントのクルマを作って頑張ってほしいとも思います。レクサスはその類の戦略で一応やっている感じがします。今度のスカイラインもバッジがインフィニティのままというのも、そういう意思の表れなんだと思います。

ところが、触ってみてもそういう精緻な部分が見えてこない。

ハイブリッドシステムがいくらで、なんで460万円スタートという価格になったのかはさっぱり解りませんが、例えばノートやエクストレイルと同じ「匂い」がしてどうもワクワクしないんです。匂いといっても、嗅覚の話じゃなくて、例えばドアの開閉感(特にドアノブのアソビやリリース時のタッチ)やシートの座った瞬間の剛性感、肘や手のひらが当たった時の室内の感触などが何につけ「本気」さを感じにくいんです。

これがR34時のスタート200万円台のクルマで、キャラクター設定もはっきりした場合であればいいのですが、今度は日産いわく本気で作った高級スポーツプレミアムセダンだそうですから、絶対性能以上に非日常感などを重視してほしいのです。

何かほかにない、口で言い表しにくい感動や誘惑を感じるクルマにはしょぼい装備だろうが人間は相応の対価を必ず払おうと思います。これこそが、プレミアであり、高級であることだと思います。乗った瞬間何も起こらず、仕事を連想させるような車には例え装備満載であろうが性能が良かろうがエクストラコストは払う筈もないのです。

その点、今度のスカイラインは別段装備満載方向でもないし、超エコでもないし、過激かといえば100kmh加速くらいであとは解らないし、何につけ「どこに行きたいの?」と聞きたくなるわけです。座っただけの感触であれば、この前しばらく乗ったアウディA3の綿密さの方が上ですし、独特の雰囲気ではノンターボの直6を失ったとはいえ、BMW3シリーズは相変わらずの味があります。

一般的にはこの値付けだとBMWだろうがアウディだろうが狙えるわけで、同じ類のクルマでいっぱい候補が見つかってしまうでしょうから、非常に売り辛い状況になると思います。なんで国産なのに、こんなに高いんだ、というコメントはチラホラ聞きますし。身内にフーガもいるわけで。

かといって、そういう考えを持たずにクルマ固有のキャラクターを判断して善し悪しを決めるような人だと、多分内容的に満足をする人はそうそういないと思います。販売前からなんですが、スタートダッシュは決めると思いますが、コンスタントに売れるかというとなかなか難しいんじゃないでしょうか?北米はいざしらず、ですが。

思うに、日産はプレミアムなスポーツサルーンという概念に対してなんか迷いがあるんじゃないですかね?

スポーツサルーンというのは実に厄介な分野で、4人余裕で乗れる上に荷物はちゃんと詰めるけど、相当な高性能をもってして他車を走りでリードしなければならず、しかもスポーツカーより燃費がよくて乗り心地も良くないといけない、実に人間の欲望を一手に引き受けるが如くの「わがままなクルマ」です。

個人的にはこの分野で真っ先に成功をおさめたのはBMWとアルファロメオだと思っています。BMWは1500で快適なのにいい走りをして、燃費もいいしスタイルも良いセダンを世界で初めて出したメーカーだと思います。アルファロメオはスポーツカーしか採用していないトランスアクスルやインボードブレーキなどセダンに採用して走りを前面に押し出したキャラクターを真っ先に思いついたメーカーの一つだと思います。

意思表示や目標が明確であると、その車のキャラクターも明確になり、出た製品がその意思表示にそぐうモノであればファンは対価を払って購入します。

どこに行きたいのか解らず、何をしたいのか解らないクルマにはたとえどんなに性能が良くても誰も興味は示しません。レクサスもその類に思われがちですが、あれはまさにプレミアムトヨタであり、それ以上でもなければそれ以下でもない明確な立ち位置を確立しているわけで、今度のスカイラインとは別物であると感じます。

G7型を載せたスカイラインGT-B、今でも人気が一定以上あるR32シリーズからR34シリーズ、賛否両論あれども実はコンスタントに売れたV35とV36。正直V35以降でぼやけた感があるスカイラインの意思表示が今度は本当に良く解らない事になった感じがあります。GT-BやR32のような明確さを出すのは時代が違うから無理なのか?

そんなこともないでしょうに。

日産よ、スカイライン(という高いセダン)を売りたいなら造り方を再考してくれ。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2014/01/31 03:47:01

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この記事へのコメント

2014年1月31日 13:24
まだ現物を見た訳ではありませんので、何とも言えませんが、いつになく厳しい批評ですね。逆に興味が湧いてきました。笑
先代の3.7 370GTはちょっと運転した事があるんですが、えらく足回りが堅め、ブレーキの初動が効き過ぎ、エンジンはスムースに回るしATも悪くないんですが、なんせ運転しにくいなぁといった印象でした。
ホームページでは「さあ、日本のプレミアムを騒がそうか。」なんて仰ってるので、日産が定義するプレミアムがどんなもんか、楽しみではあります。
コメントへの返答
2014年1月31日 14:33
コメントありがとうございます♪
おっしゃる通り、日本のプレミアム市場を騒がせたいようなので、じゃぁさぞかしV36より「どうだ変わったぞ?」と思ったら、まぁ・・・V36と変わらないところか、部分的には「内装コストダウンばれてない?」と思う事然りでした。

新機構にお金を突っ込み過ぎたのか、300万円スタートのV36と変わらないくらいの雰囲気の内装はワクワクしませんでした。走るとどうなんでしょうね。
先代は確かにかなり骨っぽいスポーティネスセダンだったので、あの路線で行くとなると古風な感じな乗り味かもしれません、ハイブリッドですが。

日産で昔からこういう部分の詰めが甘いと言うか、不器用な感じがします。
2014年2月1日 22:36
ご無沙汰です。

個人的には、もう「スカイライン」という車名をやめたほうがいいと思うのです。
このクラスのこういう車の購買層には「スカイライン」という名前が訴求しないどころか、良くも悪くもイメージが固定化されてしまって、マイナスイメージすら持っている人達は少なくないです。

既存のスカイラインオーナーにも売ろうとするから中途半端なクルマになってしまうのではないかと。デザインもオリジナリティがあるのは評価できるのですが、何を目指しているかイメージが湧かないところが残念です。
コメントへの返答
2014年2月2日 2:55
ご無沙汰しております、F10とE46は元気ですか?

んー、自分自身スカイラインという名前は好きですし、これまでのスカイラインも割と好きなクルマはあったのですが、現状を考えるとスカイラインという名前を「便宜上使っているだけ」に思えてしまうんですよね。
確かに走りのいいセダンとしてのキャラクターは合っているのかもしれませんが、どうも違うような・・・

スカイラインと聞いてイメージするものがV35以来ぼやけたというか、このクルマを売るにあたってスカイラインという名前は必須に思えないし、スカイラインというなら別のクルマを作ったほうがいい気がします。

日産ってトヨタにない財産があるのに、活かせてないなぁというのがここんところの実感です。

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