2020年05月31日
大古車になったLS460を山へ連れていくと
LS460が出たばかりの時、三日ほど借りて千葉の方へ走りに行きました。
バージョンUだったので、18インチにトゥランザを履いていた気がしますが、30系からワンランク上の車になった感じがして何とも日本も良い車を作るようになったなぁ・・・と感心しました。
30系セルシオも、それこそ今乗っても何の不足もない車で素晴らしいのですが、280馬力ということもあって当時のライバルであるS550や750iに100馬力ビハインドであった事など、ちょっと遅れ始めていたのも事実。
LS460は、それに追いつき部分的には凌駕するという実に快活なことをやってのけたわけです。
時は随分たって、今はLS500の時代。今になってLS460を追い込むとどう感じるのかなぁと、ちょっと走らせてみました。13年前と違うのはバージョンSで、タイヤがバージョンS標準のブリジストンのトゥランザER33からアドバンスポーツV105sになっている事です。あとは足回りのヤレですね。
予想通り、8割方で流す程度だと、フロントにV8を積んでいる実感が薄いほどノーズは良く入るし、実に素直で快適です。VDIMの制御は今をもってしても優秀で、アリストみたいなお仕置きモード的でなく、きれいに曲げる為にいたずらにパワーを削がない制御は見事です。これが13年前に出来たのは驚き。
ブレーキは明らかにバージョンUなどより強力で、フロントが中空ハットになっているバージョンSのスポーツブレーキはその後出るFスポーツよりは効きませんが、それでもかなり優秀。
これに関して言えば、僕も乗っていたE65の750iより優秀です。
ただ、この先に関して言うと、残り二割の部分はフィードバックがBMWより薄い事が最も大きな欠点。いつどこでフロントが逃げるのかいまいち解らないし、これはセルシオもそうでしたが、攻め込むほどフロントアウトサイドのタイヤ一本に過重がどーんと乗ってしまい、内アシの存在感が消えていくのは残念。
デカいサルーンの癖にリアが滑ろうが平気で完璧なカウンターを躊躇なく当てられたE65とはちょっと違います。BMWの良い足がくっ付いたモデルは内アシの使い方が見事で、とにかくリニアで粘る。メルセデスはどっちかというとトヨタ寄りな気がします。
蛇足ですが、ジャガーも内アシは良く使いますし、マセラティもロール感を大切にしながら常に四輪が上手に動きますね。彼らの美学ってすごいなぁと思います。
ただ、個人的には未だに東名高速で前を走る鉄管を積んだトラックが荷崩れして、落ちてくる鉄管を避けるために左右に強烈なスラロームを連発しても、思った通りの位置に出来るだけ早くボディを動かせたE65の凄さが忘れられません。
LS460だと避けられてもちょっと擦ったかもしれません。
ただ、750比で3cm細い事、足回りのヤレは遥かにBMWの方が速い事(それを承知でBMWは良い味付けにしているし、レクサスはノーメンテで乗る北米ユーザーを見ているから、お互いが理解の上でこうしていると思う)、そして未だに全ての機能がきちんと動く素晴らしさ。
当時は750iに乗っていて、レクサスは確かにいいけどやっぱりBMWの足回りとV8エンジンは最高だなぁと思っていましたが、今になってみるとLS460の凄さをひしひしと感じるわけです。10年も750iに乗りっぱなしで乗ったらEDCダンパーとブッシュとアクティブスタビライザーを総交換しないと、異音とゴツゴツ感ある乗り心地の魔窟状態になっているでしょう。
その上で思うのは、今の現行レクサスって10年後20年後はどうなんだろうなぁ。もちろん、車を取り巻く環境が2000年と2010年、2010年と2020年、2020年と2030年では全然違う変化が襲ってくるわけで、一概にLS460や最終型セルシオが先々も素晴らしいと言える環境であるとは言い切れません。
ただ、車としての頂点ってどのメーカーもLS460が出た、その辺りの年代にあったんじゃないかなぁと思います。
そういえば、ちょっと薄汚れが目立っていたのでシートを磨いたのですがIパッケージについているセミアリニンレザーはモノが良いのか、ちょっとケアしたら張りも良くなり汚れも落ちて感動しました。こういう部分はインチキ部材を使ってないと思えるからうれしいです。
さて、代車の出来がいいもんで二か月以内本妻を忘れてしまいそうです。そういえば、遊び相手も全然触ってないし・・・いかんいかん、たまにはあいつも山を走らせないと・・・。
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Posted at
2020/05/31 22:54:52
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