
元赤坂辺りを走っていまして、前を走っている初代スマートが急にウィンカーも出さずに路肩に突っ込むべく転舵、邪魔だな、、、と思いつつ路肩は路駐で溢れかえっていて一体どこに何をするつもりだ、、、と思ったら到底普通のサイズでは無理な空間に見事スマートは一発で駐車。
トリディオンセルって言ったか、小さなボディからは考えられない丈夫なボディに守られている自信からか、そのスマート使いは名前のごとくスマートに場所を使う術を身に着けていたわけで、都内含め移動体としてはこいつが最良なのかも、とおもいました。
DB9はぱっと見ただのラグジュアリークーペに見えるのか、多くの人に「使いやすくてかっこいい理想的クーペ」みたいなことを言われます。BMWの6シリーズやメルセデスのCLやSクーペ、せいぜいジャガーXKくらいの感覚で乗れちゃうんだろう、そんな風に思う人が多いのかもしれません。
ボクもそう思ってました。
ところが、ヴァンテージでその考えは一瞬で消え去り、DB9は多少それよりアレだとしても、到底CL600とかS560クーペみたいには付き合えないのも明白でした。
まず、保管ですが、多分天日干しすると内装がめくれたり、反り返ったり、退色したり、、、と激しく劣化しそうです。入っちゃいけないところに水も入りそうです。そうだと信じたくないですが、そんな雰囲気がします。よって、屋内にしまい込み、ガラスはUV・IRカット化しました。
実働が落ちるのでC-teckを繋げてバッテリー上がりは防ぎました。そうなると稼働が落ちても心配しなくなり、タイヤはフラットスポットが出来ます。余計に億劫になります。
そうならないように、普段の生活に溶け込まそう、、、そう思ったことを過程して、都内出張に使う事とします。
まず、乗員は2名、、、正確にはリアシートがありますが、前席とのクリアランスはゼロなので荷物置きです。仮に超絶前寄せスタイルにしても、リアシートのクッションもゼロでお尻が崩壊するので使えません。
しかし、荷物置きとして不可欠なのがこのリアシート。というのも、ラゲッジスペースが微妙に熱くなります。よって、リアラゲッジに入れられるものは限定されます。ノートPCとか絶対ダメ。煮えます、リアシートに置きましょう。
その時点で荷物あっちこっちどっちそっち、、、レクサスないしメルセデスないし何か他の車で行かなかった事を出だしから後悔するかもしれません。かがんで乗り込むのもおっくうですし、冬であれば出だしの左右の曲がり角でデフが鳴ります。知らない人だと「あ、壊れた、ディーラーに連絡だ」レベルです。
ちなみに寒くても暖房はすぐ効きます。何故ならエンジンがくそ熱いのですぐに水温上がるんですね。反面、IRカットしても意外とエアコンが効きません。キャビン小さいのに。
まぁでもそこくらいは紳士の面構えでやせ我慢しましょう。ロロピアーナの上着を助手席に置き、スタート。あ、ごわごわ系繊維のズボンは止めましょう、革弱いから。。。
握りが微妙なステアリング、加工が弱っちいのかナチュラルなのか、手汗が酷い人、手油おおめなひと、すぐてかります、ダサいです。そして、落とそうとすると革の表面も一緒に落ちます。気になる人はグローブをどうぞ。かっこつけじゃなくて、高い挙句にリペアが効かない可能性もあるステアリング保護のためです。皆さん、あいつ気張ってんな、なんて思わず大目に見てやってください。
高速までの街中はリッター3kmを切るくらいで、とても不愉快そうに走ります。見切りよくないし、街中はジェントルに。というか、そうならざる得ない。DB9やヴァンテージやヴァンキッシュで乱暴な運転をしているとしたら、それは色々な意味で凄いです。
ちなみに排気量がデカいわりに軽い(初期DB9は1750kg)ので、さぞがしトルクお化け、、、と思いきや、2500rpm以下は妙にトルク薄いです。なんででしょうね・・・・推定ですがハイテクバルタイもバルブリフトもないので、ただただリニアに上でパワーが出るようになっているだけなんでしょう。ガソリンも大目に吹いていて、排ガスの匂いがレースカーみたいです。
というわけで、高速に乗ると、これは意外といい。
初期DB9はモノレート、ヴィラージュやラピード辺りは3ステージ電子制御サスですが、どっちみち固め且つ多少乗り心地犠牲にしてもフラットさを重視するイギリスGTらしい乗り心地ですが、これは心地よいです。助手席に人が居たら、、、多分良くはないです。
あとは、、、みしみしとか、、、ぴゅーぴゅーとか、、、多少音多めなんで、そこは許してほしいです。あ、でもシートあんまよくないです、凄いかっこいんだけど、腰痛くなります、ボクは。
ちなみに高速で100kmh出すと大体1800rpmくらいだったと思いますが、もしリッター10kmLを確実にたたき出したい場合は90kmh以下で巡航です。ちなみに、そこいらの回転域では6000ccで517馬力なんて雰囲気ありません。
パドルシフトを使って3速あたりまで落とすと、本来のパワーが出ます。トルコンATの癖してパドル操作の方がスムースな時さえある謎のミッション(中身はZFですが、トランスアクスルにしているし、後期型DB9からは嘘っぽいけど点火間引きします)。
ただ、踏んでない個体は出ません。ちゃんと鳴らして踏んでないとパワーが出ないという何とも昔なエンジンです。出ている場合、まぁまぁな速度域でも、そこから全力出すとリアタイヤはむずがるか空転します。その瞬間はフランク・コスティンだっけ?キース・ダックワースだっけ?顔が浮かびます。
ただ、これ連続でやると免許無くなる方向にどんどん進むので出張というシチュエーションを考えるとせいぜい瞬間芸程度です。社会の模範プラスアルファで行くと、悪い言い方すると微妙にうるさいやや乗り心地が悪い最近のダウンサイジングターボより融通が利かないパワーパックの車で1.5時間移動する感じです。ちなみにオーディオは意外に良いです。
さて、目的地近くについた場合、、、駐車場は意外と困りません。4.8に1.9に1.3なので、大体入ります。地上高もそこそこあるので、100パーも行けます。とはいえ、いきなりどん、と乗り上げるのは止めましょう、、、壊れそうだし、なんだかんだ擦りそうです。スペックでは確か最低地上高120mmだったはずなんですが、まぁ信頼できませんわ、、、イギリス民芸品協会推奨品ですからね。
結果的に止める場所にも気を使います。スワンドアのおかげでドアの開閉で縁石にぶち当てる心配が少ないのはまだよいです。ダンパー死んでいると自動でしまって、痛い!ってなる人もいるでしょうけど、そこはやせ我慢しましょう。
都内の徘徊はあまりお勧めしません。微妙に水温が上がっているようにも見えなくもないし、水が入り込む設計のボンネットに設置されているアウトレットからモヤモヤあがる陽炎にいい気分はしません。田舎の街中以上に気を遣う都内の街中走行ですから、極めて嫌です。ただ、それなりに存在感はあるので、悠然と動いていて文句は言われないので、そこはジェントルマン顔で泰然自若の運転を心がければ大丈夫、、、かもしれません。
あと、混んでいるから、水温怖いから、と脇道に入るのは止めましょう。ナビはアホ(ガーミンだろうがゴリラだろうがどっちもアホ)なうえに、OPの日本製はおぞましい事に車速拾ってないので、危なっかしいです。
つまり、都内エキスパートレベルでないと、渋滞にはまるし脇道いけないし、簡単に止められないから、不満しか出てきません。逆に言えば、246がダメならやや南に逸れて走られる道がある、、、とか、環八ダメなら一旦西側に抜けて、、、とかなんか自分なりにスムースに抜ける手立てがある人なら大丈夫でしょう。
さて、打ち合わせと食事を終えて帰ろう、という事に終盤はなるわけですが、まぁ眠たい場合は寝ずらいし、夏だったらエアコンかけっぱなしにしたいけど、アイドリングずっとしながら寝ていたら車が壊れそうだし、、、クラウンHVみたいにリアシートに移ってリクライニングしてロックして寝る、とか絶対無理なわけで、出来れば食事したらイギリス式フットマッサージでも探して1時間寝てから帰りましょう。
つまり、速いクルマのはずなんだけど、移動速度は遅い、というよくわからない事になるのです。
最後に気を付けたいのは、やっぱり見切り悪いので自分ち車庫にぶつけないように気を付けましょう。パーキングセンサーは意味もなく亡霊かなにか、見えないものに反応するのに、モノに反応するのはぶつかった後、と言えそうなくらいの精度です。まぁでもこれはちょっと前のメルセデスやBMWもそうでした。
ちまみに、リアカメラはOPだったはずで、無いクルマもあります。2015年の車でこれは奇跡です。
というわけで、見た目とイメージよりもはるかに奇跡の集合体であるVHプラットフォーム時代のアストンマーティン、是非年間3万キロ(いるんですよ、そういう猛者、たまに)くらい乗って、コアラお前ださいなぁこんなの楽勝だぜって威張ってください。
きっと愛がこの車には生まれますよ、理屈を乗り越え愛することにならざる得ませんから、保証します。
蛇足
ヴァンテージは?え?
頑張ってやってみて♪見てみたい。
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2023/01/21 01:18:38