
997型911を買ってみました。
発端は簡単な話で、ポルシェセンターにパジャマ用Tシャツが割引になっていて、買いに行ったら997が停まっていて、これ誰の?と聞いたら売り物、というのでその場で話が終わりました。
時たまですが、いわゆる認定中古車ではない中古車がポルシェセンターに出てくることがあり、今年は996と、店頭に出る前に964が一台出て即座に売れていました。997のそれも、そういう感じで、オークションに流すなら直売したい、そう思わせる状態の車でした。
確かにきれいで距離も4.6万キロ、ポルシェセンターが出すならそこそこ状態も良い。
時代を感じるのは、2000年少し後から暫く後まで使われた内装材、とくに塗装に関してはポルシェも例外なく劣化していて、センターコンソールなどのたんぱく塗装と思われる部分にはハゲがあります。
まあでもベトベトになってないから、ポルシェは立派です。
素カレラのノーオプションなので、シートはレザレット。普通に拭けば綺麗になるので変にソフトレザーとかでボロボロより都合が良いです。ホントまるでオプションがない、しかも今となっては古臭い5速オートマチックなのでまさにベーシック911。
ちなみに、年式は2008年なので、例によって心配されるインターミディエートシャフト問題はベアリングが変更されている年式なのでとりあえず心配なし。問題が起きる車両は基本的にベアリングから崩壊が始まるようで、その音は独特だからポルシェセンターの整備士なら前兆含め大体解るらしいです。
というわけで、981ボクスターSと同じくらい安易な商談によりやってきたわけですが、ブレーキペダルのリンクからグリス不足みたいな音がする以外、特に感じる事もなく、快調です。
驚いたのは、いや、知らなかったのは、997の5速ATって2速発進なのね、、、冷間時は1速発進でエンジンを温めるっぽいのですが、基本2速。フラット6はなんだかんだ低速トルクが薄いだろうから、どうなんだろう思ったけど、これ存外にトルキーで、3.6リッターのポート噴射エンジンの息の長い加速を味わうには5速ATでも十分気持ちいいじゃないか、、、と感心。
981より一世代古いシャシーですが、あきらかに911は剛性が高く、なるほどこれでGT2まで賄うのか、、、と納得。997時代は既にパワーウォーズに入っていたので、500馬力とかそういう数字を消化しなければならない過酷な状況ですから、素カレラでは楽勝のシャシーなわけです。
911との邂逅は遥か昔に知らない良いおじさんがシートに座らせてくれた73カレラ2.7から始まりました。当時の自分を萎縮させるには十分以上に速い回転オチに「911ただモノにあらず」と思ったものです。
その後、所有せずとも随分色々な911に乗って、しかもそれがどちらかと言えば素でないものが多かったので、さぞかし中途半端に古い911で、しかも素のオートマじゃぁ・・・なんて思う部分もあったのですが、それはいい意味で裏切られたというか、これって本来の911じゃない?と思うとこもあります。
買い物から山道まで、という標語が初期の911にありましたから、まさにこれってそれだろうな、と。役物が貴ばれるし、992.2に至っては素で約300キロ、100キロまで4秒という強烈な性能になりましたが、そこまでいらんだろうと思います。
人間て恐ろしいのは、性能に関して言えば慣れるので、クルマの方が消化さえしてくれれば、100キロまで4秒だろうが3秒だろうが驚くのは最初だけで、その内なれます。随分前にライトチューンのR35GT-Rに乗った時、あまりに速いので驚いたのですが、それも割と一瞬で、最後の方は100が2倍3倍だろうが、どこでも550馬力叩きつけようが、遠慮なく踏みつけるくらうになってました。
そんくらいならボクみたいな素人でも踏みつけられるんです。ただ、それ楽しいか、気持ちいいか、と言うのは別問題で、そういう意味では変な話964の4速ATとかで、2速固定で空冷6発をビューンと回す方が気持ちいいし、実際問題そこらへんにしておかないと今の時代すぐにSNSにやられそうなので、時代は992.2じゃなくてむしろ964や930に優しい気もします。楽しい、という観点だけでいえばですが。
それにしても、997も良いものは減ってきて、そして残っている個体は価格の下落が終わった気がします。こりゃ高くなったら買えないぞ、という強迫観念もあって買った気もします。
さて、まずは掃除掃除、ウィング開けて隅っこでも掃除しましょう。
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2024/10/20 11:17:25